表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

短編集

外部ツール導入が招いたよくある崩壊

作者: うぃんてる

気にならない人は気にしないが、気になる人は不安や疎外感を増大させながら気になり続けてやがて臨界する。

あらゆる交流サイトやゲームなどにおいてそれぞれの運営側が最初から用意している交流手段が不便だと、ついつい便利な外部ツールに手を出してしまいがちなんですが、実はこれ、コミュニティ崩壊の前兆でもあります。

全てが全て悪いと言うわけではありません。導入してもきちんと機能しているコミュニティは多々ありますから。では崩壊するパターンはどういうものかといいますと…………。


一番大元になる原因はだいたいが全員が参加できない外部ツール。これにつきます。自分から自分の意思で参加しない場合は除くとして、参加したくても様々な要因で参加出来ないというコミュニティ参加者が多ければ多いほど危険信号が灯りやすくなります。

参加したくても出来ない人はその外部ツール内部でどのような交流が行われているか気になるわけですから、この参加できない人に対しての適切なフォローを随時行う、例えば既存のツールにて外部での内容を的確に広報するなどしていれば不満や不安、疎外感などは比較的緩和されていきます。


しかしこういったフォローを怠ると次第に主要な交流が便利な外部ツールに偏ったり、最悪外部ツールのみになったりしてしまい、結果として外部ツール組とそれ以外というグループわけになって最後には修復不可能なレベルの疑心暗鬼からの分裂、最後には崩壊となりやすくなるのです。


外部ツールを導入するなというわけではありません。ただ、導入するならば全員参加を原則とするか、それが不可能なら参加できないメンバーへのきめ細かいケアをする。そしてどちらも無理そうならその外部ツールは敢えて導入しないというのも一つの選択肢になりえます。


みんなは情報が貰えるのに自分は貰えないという情報孤立は相当に危険です。孤独感、疎外感が半端ないのです。たとえ周囲にそんな気がなかったとしてもです。


最初から外部ツール導入を前提として立ち上げるコミュニティであれば導入出来ない人をお断りするだけですので然程問題はありませんが、途中から導入しようとする場合はよくよく考えたうえで行動されたほうがいいでしょう。


ちなみに実体験として、私はとあるオンライン大規模対人戦争ゲームのとある部隊にいたことがありまして、運営がシステムとして用意した普通のチャットを利用して最初は意思疎通していました。しかしやはりとっさの指示出しが必要になるのでボイスチャット導入という流れになってしまうわけなのですが。

結果から言いますとこの部隊は意思疎通が取れなくなって崩壊、解散となりました。

理由はいちいち手打ちするチャットと違いお喋り出来るボイスチャットの方が便利なのは当たり前でして、最初のうちは参加できない部隊員に掲示板などで連絡していたのが段々しなくなり、連絡がなくなることでボイスチャット組への信頼感が低くなって、最終的にとても重要な連絡事項がボイスチャット組から連絡漏れするという事件に発展。蓄積された不満が爆発して罵りあいのすえ、喧嘩別れして崩壊しました。


導入を考えた部隊長リーダーは部隊を崩壊させたいだなんて微塵も考えていなかったと思っています。しかし、結果はご覧の有り様でした。


ゲームに限らずあらゆるコミュニティにおいてあり得る問題です。

どうか、大事にするべきものは何かと言うことを常々忘れずによりよきコミュニティ活動を送ってくださりますよう、参考になれば幸いです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 柚さんのフレンドリストで作者さんで検索してこのエッセイが目に留まりました 私の場合「対戦要素のあるMMO」をやってた経験がありますが 週に二度の戦争でのプレイヤーの意識の違いでギルド分裂と…
[一言] はじめまして、フェアリーテイル・クロニクル さんの感想欄からきました。 SNS(LINE、Twitter、Skype、Facebook、勿論ボイスチャットも)を一切やっていない人間(けど…
[一言] 参考になります 参加できるかできないか、それが疑心暗鬼を生む…よく覚えておこうと思いました
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ