表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界ビブリオテーク物語

月魔石(ルナンマギア)伯爵夫妻の煌く宝石の日

作者: 明星ユウ

このいちゃラブ夫妻が大好きです。

 



「そうだわ、ラズ! 街へ宝石を買いに行きましょう?」

 翠玉(リーア)の瞳を輝かせ、弧を描く白銀の長髪を煌かせた、フィオナの一言。

 その楽しげな一言で、今日の月魔石(ルナンマギア)伯爵夫妻の一日は決まった。


 貴族とは思えないほど、気ままに街を探索し、辿り着いた装飾品を飾る店で。

「見て、フィオナ。君の瞳と同じ、翠玉(リーア)の首飾りだ」

「まぁ! こっちは、ラズの瞳と同じ、水石(クーア)の首飾りよ!」

 そう言って、互いの瞳を思わす宝石をかざし、二人は微笑み合う。

「どちらも買おうか」

「えぇ! どちらも素敵だもの」

 手を絡ませ、吐息さえ重なるような、甘く愛おしい言の葉の交歓。

 すぐにお金を払った二人の手には、それぞれ自らと同じ瞳色に煌く、宝石の首飾り。

「――僕の色を、飾ってもいいかい? 奥さん」

「もちろんよ、旦那さま。そのかわり――わたしの色を、あなたに飾らせてくださいな?」

「あぁ――喜んで」

 イタズラを交わすような、微笑みの中。

 互いの色を魅せる宝石が、互いの首元に飾られた。


「綺麗だよ、フィオナ」

「ラズも、綺麗よ」

 そうして交わった唇に、今日も満ちる温かな愛。


 月魔石(ルナンマギア)(クー)(リー)は、今日もまた、宝石箱を煌かせて、甘く愛しく微笑んだ――。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ