合宿だよっ全員集合! No,2 -対面式ー
―合宿当日 午前9時30分
福鐘高校、校門前に水泳部部員+新聞部一人というメンツが集まっていた。
バスも到着して乗ろうとしていた時、
「マイっちー!」
「彩乃ちゃんおはよー」
「ねねマイっちー、一緒にバス座ろーよ。」
「え?あぁ、う「ダーメ、倉多は俺と座るの」
「橋君?」
「おはよ」
ニッコリ笑って橋君は挨拶してくれるが
「だから、他をあたってね?」
「…ほーい」
というように、彩乃ちゃんの誘いを断ってしまった。
それから、バスで橋君に誘導され隣に座った私は
「橋君」
「ん?何?」
「彩乃ちゃんせっかく誘ってくれたのに…。」
「俺と一緒は嫌?」
「そんなことは無いけど…。」
「…良かった…」
橋君は、ボソッと呟いていたが聞こえなかった。
「今、何て言ったの?」
「んー内緒ー。」
聞いても結局教えてくれなかったのだった。
そういえば、最近橋君の様子が少しおかしい気がする、
いつも、部活で遅くなると家まで送ってくれるし。
一体どうしたのだろうか。
そんなことを考えている内に部長の声が聞こえ目的地に着いたことに気づく。
荷物を持ってバスから降りると
「うわぁ…キレイ」
そこに広がっていたのは海だった。
「今回の合宿場所が海に近いみたいだよ。」
「へぇー橋君よく知ってるね。」
「一応調べてきたからね。あ、もう行かないと。神宮高と今から対面式みたいだから。」
そうして、合宿場所に向かって歩き出した。
―――20分後
「やっと着いたぁー。」
誰だ…海に近いって言ったやつ…めちゃくちゃ遠かったぞ…。
「ま、まぁとりあえず対面式会場に行かないとな。」
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―in 体育館
「よぉ、綾瀬。元気だったか。」
「そっちも元気そうじゃないか、和泉。」
そうです、対面式開始でこれです。
綾瀬部長も神宮高の部長さんも火花散らして睨み合ってます、
というかきっと、綾瀬部長が「泣かせたい」と言ってた方は神宮高の部長さんだったんでしょうね。これ、決定してますよね。
「ちょっと、お二人ともやめましょうよ対面式で睨み合うなんて。後輩が見てるのに情けないですよ!」
「うっ橘」
神宮高の部長さんが“橘”と呼んだ少女は青い髪の毛をポニーテールにまとめている少女だった。
「はい!お二人とも仲直りしてみんなにも謝ってください。」
「「すまん…」」
「はい、それでいいですよ!」
そう言って、部長二人を静めてニコッと笑っている少女はきっと神宮高のマネージャーさんなのだろう。
そうして、いったん対面式は終わり私は体育館から出ようとすると
「待って!」
いきなり手を掴まれたのだ。
「え?」
振り返ると、先ほどの少女が立っていた。
「貴女が福鐘高校のマネージャーさん?」
いきなりの質問に戸惑いながらも「はい…」と答える。
「やっぱり!あ、私は神宮高校の水泳部マネージャー橘彩音です!」
橘彩音と名乗った少女はニコッと笑う。
「これからヨロシクね!まいちゃん!」
「はい、こちらこ「おーい、橘ー行くぞー」
「はーい!あ、じゃあまいちゃんまた後でね!」
そう言って走り去ってしまった。
「おーい、倉多?」
「うわぁ!橋君!?」
「俺らも行くよ?」
「う、うん。」