合宿だよっ全員集合! No,1 ー謎の少女現る-
夏休みが始まり数日が過ぎた頃、部長の緊急呼び出しで水泳部全員ガ〇トに集まって居た。
「えー部活が休みの日に集まってもらって申し訳ない。」
ゴホンッと綾瀬部長は咳払いをする。
「部長、緊急会議というのは…?」
橋君は何かあったのだろうかと心配そうに尋ねる。
それにしても、部長の顔は「マズイ、マズイぞ…」っと言わんばかりの深刻な顔をしているのだから心配されるのも当たり前のようなものですよ(笑)。
「実は…。」
「「実は…?」」
…ゴクリ。
みんな息をのみながら部長の話の内容を待っている。
「…神宮高校との合同合宿になってしまった。」
…はい?
「…え?」
第一声を発したのは橋君だった。
「部長それは一体…。」
「お互い県大会進出の良い練習になるだろうという事らしい。」
「す、すいません」
「なんだ?マッちゃん」
「さっきから、神宮高校と仰ってますが…?」
私は知らない神宮高校なんて、ましてや合宿というものがあるのさえ知らないぞ。
「あぁ、神宮高校は水泳部の強豪高校で福鐘高のライバル校だ。」
「ええぇ!?ライバル校と合同合宿なんて!」
蓮くんは、そんなの良いんですか!と身を乗り出して主張しているが片や一方は「楽しみっすねーハハッ」何てことを言いながらジュースばかり飲んでいる。
蓮くんとなっちーのこの差は一体何なのだろうか…。
「まぁ、決まってしまったからな…行くしかない!それに今度こそアイツを泣かしてやるぞ!」
“アイツ”?
何やら、見返したい奴がいるようで部長は燃え上がっていた。
「あ、それとだな」
部長は言い忘れてたと言いながら一人の女の子を呼び出した。
「もーいつまで待たせんだよ女の子にー。」
そう言って現れたのは、ピンクのパーカを制服の上から羽織り身長はやや低めで可愛らしい女の子であった。
「すまんすまん。」
ハハハと言いながら部長は謝っている…が、部長を謝らせているこの女の子は一体何者なのか。
「あ、申し遅れましたー俺っ!岸波彩乃ダヨッ☆ヨッロシクー!」
岸波彩乃と名乗った女の子は決めポーズを見事きめてとても印象に残るような自己紹介をしてくれた。
と、そこでまたもや部長が話しだす。
「彩乃は、福鐘高1年で新聞部何だが今回我が水泳部を取材したいという事で合宿にも同行することになったんだ。あ、ついでに俺の従妹だから。」
「「い、従妹…?」」
「と言うことで…みなさんよろダゼ☆」
「「は、はぃ…」」
やけにテンションの高い女の子だなぁ…
チラッとなっちーを見ると…ブルブル震えている!?
あ、彩乃さんがなっちーに近づいて行った。
「よぉ、ミジンコ以下ー元気だったか―?」
なっちーはかなり怯えていて蓮くんは普通に彩乃さんと会話をしている。
彩乃さんとなっちー、一体この二人はどういう関係なんだろうか。
その光景を眺めていると彩乃さんが視線に気づいたのかこちらにやって来た。
「茉生さん!初めまして、優から話は聞いてました!今回はよろしくッス!」
「あ、あぁうん!彩乃さんよろしくね」
「彩乃で良いですよ~(笑)」
おぉ、フレンドリーな子じゃないか。
「わかった!彩乃ちゃんもタメ口で良いよ」
「おう!マイっちよろしく☆」
そんな感じで、私は謎の少女岸波彩乃ちゃんと友達になった。