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16ページ目

おかしい。少女の大仰な点をつけば、真っ向から論破することが出来ると俺は考えた。

「俺のいる場所と君のいる場所が違う? 同じだろ! ほら、ちゃんと同じ地面に立ってるし。しかも一人だけ異次元にいるって!? 君の言葉を使わせてもらうなら、ここは基本空間だ。人々が望むようなファンタスティックな出来事など決して起こりゃしない極めて普通の、俺のよく知っている世界だ。ある日突然俺の目の前に知らない誰かが現れて俺を違う世界へ連れてってくれる……なんて、根拠も必然性もない幼稚な夢は中二あたりで諦めた。別に夢を見ることを悪いとは言わんが、夢と現実をごっちゃにするのはかなり痛いぞ」

と一気にまくしたて、俺は少し落ち着いた。ある程度言いたいことは言えた気がする。

「ぷ……くくっ……」

「一体何がおかしいんだよ?」

「まぁ、そう思うのは無理のないことだけどね」

少女は笑いをこらえるように、しかしどこか自信ありげに長い髪の毛を揺らした。

「じゃあ、こー……じゃなくて、あなたも見たあの紫色の物体はなんて説明するわけ?」

そうだった。俺はうっと答えに詰まる。

一つ問題を解決したと思ったら、また違う問題が生じてしまった。

「いや、それは……」

「それも夢って?」

少女はまたもくすりと笑う。それが裏を感じさせない自然な笑い方だったから、もしかしたら俺が間違っているんじゃないかという気持ちになった。いやいや、とそこで頭を振る。

冷静に考えろ。惑わされるな。科学的説明根拠もない空想話なんて信じるな。今までどれだけの人間がそんなことに騙されてきたんだ。俺は絶対に騙されないぞ。絶対に信じるな……とは言ってもだ。他に理論付けしようとしても何も思いつかないのが現状。何しろ実際にこんなことに遭遇したのは今日が初めてだ。存在自体がありえない絵空事なんだから、経験がなくて当たり前だ。……ん? 待てよ。説明できないなら、無理にしなくてもいいんじゃないか? そうか、そうだ! ありえないことが起こりうる場所が一つあった! それは、

「夢の中だ」

そう、夢の中。でもあまりにリアルすぎるのはなぜか? いつの間にか倒れていたということを踏まえると残った道はただ一つ。俺は今幻覚を見ている。そうしたのはこの少女。鈍器かなんかで俺の意識を飛ばした後、幻覚を見せる効果のある薬を盛ったと……

それならまるで現実にあったかのようなあの怖さもうなずける。

「そうだ夢なんだ。これは悪い夢。いったい何を盛った!? なんて名前の薬だ? こんなことしていったい君の目的は何なんだ!」

俺の言葉に少女はきょとんとした顔を見せる。けど、負けんな俺。そんな顔したって駄目だからな!

「騙そうたってそうはいかない。早く解毒剤を渡してくれ。そうしないと本当に頭がおかしくなるか

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