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僕が1番まともです?異世界転生したら特性バリバリのアイドルグループの世話係でした  作者: めんだCoda


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9/9

第9話 夜更かしのうえ会場を抜けてうえの昼寝

(そろそろ出番が近づいてきたな…)


 ステージに釘付けになっていた僕だが、スケジュール表と時間を確認した後、テーブルに目を向けU-4の4人を見る。…が、1人いない。アダムだ。


「あれ、アダムさんどこに行きました?」


「ああー、10分くらい前に、俺トイレ前ですれ違ったで〜」


 ナオトがナフキンの端で口を抑えながら、トイレの方へと視線をやる。


「そうなんですね、じゃあそろそろ戻ってくるかな?U-4の出番が近付いてきてるんで、そろそろステージ裏に移動しようかなと」


「そうなんだ。俺がトイレ行ったとき、そんな混んでへんかったから、もう戻るんじゃないかな」


「そうなんですね。じゃあ、もう少し待ってみましょうか」


 照明が落としてあり、暗くなっているトイレのある方を僕はじっと見つめる。


 5分…10分…


「ダメだ!全然戻ってこないですね!僕、トイレに様子を見に行ってきますので、皆さんは先に3人だけでステージ裏に移動しておいてください…!」


 僕は慌てて走ってトイレに向かうも、そこに人気はなく、背中にタラリと嫌な汗が垂れる。


「どこに行ったんだ、アダムさん…!」


 フロア外に通ずる扉を開けて外に出た僕は、エントランスを走り回って探し続ける。


(どこだ……!?)


 しばらく走り続けると、大きな窓枠の近くで横たわるアダムを発見した。


「——!!アダムさん!!」


 慌てて近寄り床に膝立ちしてアダムに触れるも、アダムは目を閉じたまま動かない。


「どうしよう…どこか怪我…!?それとも、具合が悪いのか…!?何か食べ物で当たった…!?それより、まずは呼吸してるか…!」


 顔を横にしアダムの胸に耳をつけると、静かに心臓の鼓動の音、そして規則正しく上下する胸の動きにホッとする僕。


「良かった…息はしてる…」


 安心した僕の耳に聞こえきたのは、それだけではなかった。


 スー…スー…


 規則正しい呼吸音、…いや、寝息。


「…え。寝て…る…?」


 生きていたという安堵を越え、猛烈な怒りの波が押し寄せてくる僕。


「アダムさん!!起きてください!!こんなとこで、なに寝てるんですか!!!」


 アダムの両肩を掴み、これでもか!というほどの力でゆする。その反動で、ぐらんぐらん首が揺れるアダムは、やっと目を開ける。も、また僕を抱き寄せ、今度は強く羽交締めにすると、また目を閉じる。


「アダムさん!!起きましたよね!?今、起きましたよね!?は、な、し、て、ください!!」


 僕はアダムの長い足を手でパンパンと叩くと、アダムは、はぁ〜と溜め息をついて羽交締めにしていた脚の力を緩める。


「…ハルトの抱き心地いいから、もう一回抱いて寝たかったのにな」


「え…って!いやいやいや!抱き心地って、誤解されるような言い方やめてください!」


「いや、本当だから…」


「…っ!っていうか、それより、もう本番ですよ!もうすぐ、ほ・ん・ば・ん!!それなのに、こんな所で寝てるなんて、何してるんですか!」


「何って…お腹いっぱいになったら眠くなって、つい」


「ついって…、、だいたいアダムさん、さっきまで寝てたじゃないですか!まだ寝足りないんですか?!」


「あー…昨日、夜更かししたらつい寝るの遅くなって、もう日が出てきてたかな…それで少し寝不足で…」


「え…。。…僕、言いましたよね?昨日。明日、何時に集合ですよ、って。それなのに、なんでそんな夜更かしするんですか!?昨日の解散した時間も、相当遅かったじゃないですか!それなら、睡眠時間少ないな、今夜は早く寝ないと!とかに、考え至りませんか!?」


「分かってる…。なったけど、気がついたら、あっという間に数時間経ってて…」


 申し訳なさそうな顔で頭をかくアダムに、僕はアダムの手を素早く掴んで止める。


「ダメです!もう髪の毛もスタイリングされてるので、触らないでください!それから、ちょっと立ってください!」


 アダムがその場で立ち上がると、衣裳が寝ていた通りにシワが入り、名の通り本当にシワクチャだ。


「うわ…どうしよう、アダムさん服が…ああ…!でも、直してもらってる時間がない!」


 僕がパニックになっていると、アダムが羽織っていたジャケットを脱いで僕に差し出す。


「これでいい」


「え…これでいい、って…いや、皆んなでお揃いの服装なので…」


「それ」


「え?」


「ハルトの着てるの貸して」


「え、あ、へ?これ?ですか…?はい…」


 ジャケットを脱いでアダムに渡すと、アダムはそれを両手で目の前に広げたあと腕を通す。


「きついな…ハルト、お前こんなに小さいのか?」


「う…すみません…て!いや!なんで僕が謝らないと、いけないんです……」


 アダムが僕の頭を片手で掴むと、顔を近付ける。


「サンキューな」


 数cmの距離で、ニッと笑うアダムに、不覚にもドキっとしてしまった僕は、視線を横にそらす。


(イケメンの至近距離は、同性の俺でもヤバいな…)


「で、どこに行けばいいんだ?」


「あ!そうです!早くステージ裏に行かないと…!!アダムさん、ついてきてください!!」

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