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選抜法

 ラウラは、今の時点では、自分の理論を実践することによって確かめたいという探求の欲が、軍の思惑どおりに動かされる不快感よりも、わずかに勝っていた。軍という巨大なシステムを欺いて、自分の理論だけを確かめる。そんな都合のいい方法は無いとは分かっていたが、せめて養成した再生魔法士たちが、不本意な形で戦争に加担することが無いように、何らかの工夫はしたいと考えていた。


 彼女は、尋ねた。 「学生の選抜方法については、何か言われましたか?」 「あまり難しくして、新入生が定員割れということは無いようにしろ、と言われたよ」 シュミット医師の言葉は、軍の現実的な懸念を示していた。


「卒業後の進路が軍一択だと、希望者は少ないかもしれませんね」ラウラは、冷静に分析した。「いっそ、すでに入隊している兵の中から、魔力持ちを探す方が早いかもしれません」


 シュミット医師は、疑わしげに眉を上げた。 「魔力持ちを探す方法なんてあるのかい? そんな話は聞いたことがない」


 ラウラは、聖女カミラとの繋がりによって得た、古い時代の知識を思い出した。 「シューマッハ家、聖女カミラの家に行った際に、蔵書だけでなく、書庫に若干の魔道具があったのです。その中に、魔力測定の魔道具というものがありました。昔、魔法使いが多かった頃には普通に使われていたものだそうです。今でも動作するかは分からない、とは言われましたが、試してみる価値はあるかと思います」


 その提案は、シュミット医師の表情を一変させた。軍が欲する、効率的な才能発掘の手段。 「その案を軍に伝えて、了承を得る仕事は僕がしよう」


 彼は、ラウラに次の指示を出した。 「ラウラ君は、シューマッハ家に魔道具の使用の話をして、できれば許可までもらえればベストだ。だが、無理はするな。カミラとの友情にひびが入るようなことまでする必要はない」


「シュミット先生、先生は私の事を嫌いだとばかり思っていました。そんなに優しいことを言ってもらえると思っていなくて…」とラウラは思わず自分の気持ちを口にした。


 シュミット医師は「私も自分自身に驚いているよ。ラウラ軍曹の真摯な思いに絆されたのかな」。


 シュミット医師の配慮は、ラウラの心に、静かな温かさをもたらした。軍の論理に支配されながらも、彼女とカミラの個人的な繋がりは、守られるべきものだと彼は理解していた。ラウラは、この新たな使命が、カミラとの再会をもたらすことを願いながら、故郷の友の家を訪れる準備を始めた。


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