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聖女の実力

カミラは、クリスティーナの体に取りつき、手を当てて内臓の傷の探索と治療を始めた。 「ラウラ、魔力の補充をお願い!」 叫ぶカミラに、背中からそっと手を触れて魔力を送り込むことしか、今のラウラにはできなかった。


カミラの回復魔法のおかげで、クリスティーナは命を落とすことはなかった。完治しきれない内臓の損傷は、とりあえずは時間をかけて自己回復力に任せて治していくことになった。


クリスティーナの治療以後、魔法治療チームは、治療役のカミラと魔力タンク役のラウラと役割を分担し、大勢の命を救うことができた。中には、搬送された時点で事切れている怪我人もおり、そうした人々には魔法も意味をなさなかった。


治療が一段落したとき、ラウラが言った。 「カミラ、ありがとう。姉を救ってくれて」


カミラは気さくに答えた。 「あなたが魔力を補給してくれなければ、多くの命が失われた。あなたと私は、二人で一人前だったね」


彼女は続けた。 「内臓の損傷は繊細な魔力制御が必要で、教科書で解剖学や組織学を勉強していても、実践が少ないと難しい治療だったわ。あの状態で損傷部位を探りながらの治療は、あなたにはまだ無理だったでしょう」


学生の頃から教会の聖女として、多くの患者を治療してきたカミラには、ラウラの想像をはるかに超える経験と知識があったのだ。ラウラは、カミラの言葉に、感謝と尊敬の念を抱いた。二人の魔法使いは、互いの力を合わせることで、一人では成し得なかった奇跡を、この夜、いくつも起こしたのだった。


研究所の病院は、患者であふれかえっていた。廊下にまでベッドが置かれ、まるで野戦病院のようなありさまだった。陸軍病院から来たラウラも、これほど悲惨な光景は見たことがなかった。運び込まれてくる患者は、まだ泥だらけの人が多かった。


ラウラはクリスティーナ姉さんの様子を見に行きたかったが、面会はドクターストップがかかっていて許可されなかった。家族からもクリスティーナは無事かと問い合わせの連絡が来ていたが、「命は取り留めたが、まだ面会できない」と返事をするのが精一杯だった。


その日の夜遅く、日付が変わってからようやく寝ることができるようになったラウラは、疲れきって泥のように眠りについた。

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