【プロットタイプ】解析度が低い。やり直し
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
三者三葉、性格が悪いので、素が出ると言葉の殴り合いになります。
変わってないねぇ……。高校時代から。
瑠衣という人間は、誰に対しても平等に厳しく、相応な覚悟を求める。その想いが本物ならば、多少強引な手を使ってでも願いを果たせ。というタイプの人間だ。
だから机の中にチョコを忍ばせるだけの輩を見くびるし、逆に食べるまでしつこく絡む人間を一目置く。其れに男女の区別も差別もない輩である。
瑠衣の胸ぐらを掴み、空いた方の手で無理矢理チョコを捩じ込む。与えられた慈悲に彼は喜ぶことは無く、寧ろ死ぬ程嫌そうな顔で咀嚼を繰り返す。
「アハハハハ!! 私の勝ち!! 私の勝ち!! やっと食べてくれたね!! 瑠衣たんっ」
「うるせぇ!! 何時まで叫んでんだ、恋愛煩悩!! サイレンの方が遥かに仕事するわ!!」
私の勝利宣言と、金属質な笑い声が木霊する最中、其れを止める様に頭上に拳がめり込んだ。何時も以上に気合いの入った拳骨は、私の身長を縮めるには十分過ぎた。
しまった油断した。受身を取り損ねた私は軽い脳震盪と共に、追撃を逃れる様に逃げ出した。
嵐が過ぎ去った後、今の一部始終を見ていた諭羅が何とも神妙な目で此方を見ていた。
「……御夫婦の関係にとやかく口出すのは無粋なんだけどさ……。まだやってんの?」
まだやってんの? というのは、高校時代の俺と鏡花の関係を指しているのだろう。
鏡花が吹っ掛けて、俺が制裁を与える。其れは高校時代の約束から変わらずに続く関係である。普通に考えれば、家庭内暴力、理解し難い関係であろう。
「其れで? お優しいお前は定型文の『鏡花が可哀想……』とでも言うつもりか?」
もしそんな回答を述べたのならば、『解析度が低い。やり直し』と宣言するだろう。
言っとくが鏡花という女は、高々こんな暴力と暴言でボロボロになる程、やわな神経も身体もしてない。其れは彼奴の常日頃の言動からも、高校時代からの約束から分かることである。
「だとしたら何一つ彼奴に足りてねぇ。失せろ」
吐き捨てると諭羅は不気味に口角を上げて、歯を剥き出しにして、言葉の拳を振り上げる。
「まさか。相変わらずチワワとポメ公みたいな喧嘩してるなぁと思っただけだよ。落ち着きない分、しっとりした恋愛の一つも書けないんじゃない?」
外行じゃないと、自らが塞ぎ込んで居ないと、変わらず物言いにキレがある。性格の悪さもそのままだ。
「おい、鏡花。お前、今、滅多にない両手に花だぞ。何時までくだねぇ演技に固執してるんだ。人の舞台じゃ踊れねぇんだろ。根性見せろよ」
すると突如、扉が開いて、女帝が戻る。目がつり上がっている。
「二人とも言ってくれるじゃん。しっとりした三角関係書いてやるよ。少なくとも感情移入の一つも出来ない野郎二人とは比べ物にならねぇ程の」
「さて、書くか」
「さて、書くか」
「さて、書くか」
三者三葉、性格が別ベクトルに悪いんですよ。
だから普段は大人しくしていても、素で話すとこんな感じ。
『『『これで壊れるようなお前達じゃねぇよなぁ!!』』』
というノリです。
だからそれなりに楽しそう。
諭羅が瑠衣や鏡花に心開いているからなせる技。
『サイレン』の下りは、大抵サイレンは人を救う為に存在します。
ほら、避難警報とか、救急車、消防車とか、確かにけたたましいけれども、ないと困る。
鏡花の絶叫はサイレンほど良く響くけど、ただうるさいだけ。害しか撒かない。
だから『お前の声はサイレンばりに響くけど、毛程の役にも立たないよなぁ?』という皮肉です。
おかしい。もっと激重になるはずだった。なんか凄いブラックジョークになっちゃった。