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8.誕生日会(中盤)

ある程度の人と挨拶を終えた頃には、もう日が傾いていた。おやつの時間はもう越え、現在は夕方の5時である。


こんなに時間がかかったのは他でもないお父様とお母様のせいだ。パーティーに来てくれた人は家族揃って挨拶に来るのだが、一人一人にしゃべる時間をかけ過ぎるのだ。仲のいい人同士の挨拶は長くなってしまうものらしい。けど、お父様とお母様は全員に対してそうなのよ!!


挨拶に来る人来る人がお父様とお母様に挨拶をしたあとに必ず私を褒めるのだ。そこから、お父様とお母様のロケット娘自慢がスタートする。お母様はよく家にいるから娘の成長を近くで感じ、自慢してしまうのもまぁ、分かる。けどお父様は仕事で家にあまりいないのだ。アリスティアの成長過程は殆ど見ていないはず。……なのに、何故知っているのかアリスティアの初めての寝返りや初のパパ、ママ呼びなど、ベラベラとしゃべり尽くしていた。お母様はお母様でそれを止めようともせず、お父様の援護射撃をずっとしていた。


親馬鹿め……


お母様もお父様も挨拶に来る人来る人にアリスティアの可愛さについて熱弁し、その圧に来客の人も押されて、顔を引き攣らせていた。


……………。


挨拶は親に連れられ子どもも多くやってきた。男の子が殆どで来客の子どもの9割を占めていた。今日来ていた女の子は4人ほど。それに年齢としては、全員5歳から10歳と私のお友達に……という感じではなかった。


ちょっと残念。



そういえば、お父様の謎発言、兄弟が4人いるってのはどうなったんだろう。会った時に考えたらいっかってなったけど、兄弟らしき人とは挨拶していない。挨拶の列が切れた今でも来ていないのだから、もしかしたら今日は来ないのかもしれない。



「アリスティア、パーティーに来ている皆がアリスティアの誕生日を祝っているんだよ。本当にアリスティアが私達に生まれて来てくれて嬉しいよ。ありがとう。」


パーティー会場を眺めながら急にそうこぼしたお父様は私と目が合うと優しい微笑みを浮かべて、ちゅっとアリスティアのおでこへキスを落とした。それに続いてお母様もほっぺに優しいキスをする。


キャッーー!!?イケメンなお父様と美人なお母様にキスされ、興奮する!反則だよね!?美し過ぎる!


「あーと!アリスもうれちい!!」


内心興奮にもだえながらもお父様とお母様へ笑顔でお礼を言った。瞬間、二人がデレッとした。


「キャッ!アリスちゃんが一番だわ!可愛らしい!」

「あぁ、可愛い……。誘拐されてしまいそうなぐらい可愛い。そうだ、私自身が守ってやらねば!仕事行きたくない!!」

「仕事は行って下さいませ。」


お父様の言葉に後ろで控えていたお父様付きの執事ウィルソンが素早く言い返す。


そうですよね。お父様は家にあまり居られないぐらい忙しい人なのだ。ゲーム中でもアリスティアの父が国を動かすほどの力を持っていたという台詞があった。今日は頑張って休みを取ってくれたに決まってる。


お父様のほっぺをよしよしと、してあげる。頭までは手が届かないからね。


そうしていると突然、前から声がかかった。


「おい親馬鹿やろう。きてやったぜ。」


振り返ると若い、たくましい体つきの男の人が仁王立ちで立っていた。






誕生日パーティーが終わりを告げるのまでは後少しだ。

少し投稿、遅れました。すみません。

次から終盤に入ります!

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