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5,誕生日会(中盤)

『精霊姫~魔法学園での出会い~』


15歳で友達から教えてもらい、初めて自分で買ったゲームだ。そこからドハマりし、半年間やりまくった。小学生から始めた体操を高校でも続け、時間が慌ただしく回る中でもこのゲームをプレイする時間だけは毎日作った。


それだけプレイしていたにも関わらずどうして気づかなかった?それを自分に問いたい。


鏡に映る姿をもう一度よくよくみる。

悪役令嬢アリスティアだ。まだ目はつり上がってはいないが、ゲーム画面ごしに見たアリスティアにそっくりで可愛らしく、子供にした感じ。


ゲームのあらすじは、

ある日村娘が人さらいに連れ去られたことから始まる。主人公は王国騎士によって助けて貰い、城で保護される。そこで、王子二人と出会い、打ち解ける。家に帰ると、攫われたことに衝撃を受けた幼なじみから執着を受けることになるのだ。

主人公が12歳の時、攫われた翌年に神殿で魔力診断を受ける。そこで、珍しい光の魔力持ちと判断され、国立魔法学園に幼なじみと入学。そこで、王子二人とも再会し騎士と公爵家二人とも出会う。そこからゲームスタートだ。

学園生活で主人公をいじめる役がアリスティアともう一人、スエラ伯爵令嬢だ。スエラは、途中で自分のしてしまったことを後悔し、主人公に謝り仲良くなっていくのだが、アリスティアは最後まで悪を貫き通した。最終的なラスボスはアリスティアで魔力も強く、賢いので大分苦戦する。主人公達がよってたかってやっとやっつけるが、最後まで悪だったアリスティアは、殺されてしまうのだ。どのルートに行ってもラスボスとして出てくるので死んでしまう。

そして、平和を取り戻し、いちゃラブイベントを越えて最後に卒業し、ゲーム終了だ。


どのルートでも死んでしまうなんてやだ!せっかく転生したんだからゆっくり生きたかった!

それに、将来少しきつい顔立ちになるのかな。体型は完璧になる予定だが、顔は少しきつくなると考えるといやだな。


どうにか運命を変えなくちゃ!!どうすればいい!?


一人で考える時間が必要だ!

うん、誕生日パーティーが終わってからにしよう。まずは目の前のことを楽しむんだ!


一分ぐらいしたあと鏡は回収されていき、ラルフがアリスティアを抱っこすると、部屋の扉の前に移動した。

扉が外側にゆっくりと開く。


この先には、アリスティアの初めてがたくさん待っている。一年という期間はとてつもなく長い道のりだったが、遂にここまで来たかと思うと嬉しくなった。


扉が完全に開き、ラルフが歩きだした。。廊下には、ワインレッド色の高級感と重厚感があるカーペットが敷かれてある。壁には、所々で花の絵画が飾られている。そして、どこまでも広い!幅も凄く広いが何たって長さだ。一体何処へ向かっているかは知らないけど先が長い。その長い廊下には幾つもの部屋の扉がある。


一体何部屋あるんだろう?こんなに広かったら迷うよね。


アリスティアの部屋は一番廊下の端にあるらしかった。長い廊下を遂に抜けて出たのは玄関ホールのような場所だった。この場所もとてつもなく広い。天井からはシャンデリアが吊されており、きらきらと明るく輝いている。


私達が来た廊下以外にも幾つか廊下があるのが確認出来た。階段もあり、二階があるようだと分かる。


どれだけ広いんだ、この家は。どれがどの部屋か分からなくなってしまう。さすが公爵家だな。


ラルフが更に歩を進めると、お父様とお母様がいた。


「ママ!パパ!」

「アリスティア誕生日おめでとう。」

「大きくなったわね。もう、1歳だなんて。」


ラルフはお父様に私を渡すとか壁の端に立った。その横には、今日まだ一回も会っていなかったギルの姿があった。執事服に身を包み立っている。成長したギルは少し格好良くなってきている。まぁ、まだまだ小さいけど。くりくりとした緑の瞳と目が合う。ニコッとギルが微笑んだ!その顔がすっごく可愛い。私も笑顔を返しておいた。


「じゃあアリスティア、行こうか。見たこと無いことや知らない人に驚くかもしれないがパパとママが守ってあげるからいつも通りにしていたらいいよ。」


「そうね、アリスティアはいつも通りに。あっ、そうそうアリスティアにはね、兄弟が4人いるのよ。全員男の子だけど、年は近いし仲良くなれるわ。」


そう言って私の頭を二人で撫でる。


えっ、ちょっと待って何兄弟って。私一人っ子のはずでは?えっ違うの!?

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