8、二校時目
投稿がめっちゃ遅れてしまいました………
今回は会話だけです。読みにくかったらすみません。
「んで、ここがどういうところかは大体分かった。じゃあ、なんで俺達はここにいるんだ?」
「んー、それは答えがいっぱいあるけど、一つに絞るなら、ここが安全だから、かな」
「安全?でも、一応ここは密閉空間だろ?転移魔法陣が壊れたら、窒息死するぞ?」
「ふふん、ネズ君、私はいつ魔法陣が一つしかないと言った?」
「………………具体的に何個あるんだ?」
「よくぞ聞いてくれました!転移魔法陣のその総数は、なんと153個!!その内、123個が換気用で、あとの30個は荷物受け取りや人体運搬として使われてるぜ☆」
「いや、だとしても、俺達がいた場所はここから割と離れているし………」
「暗いからしょうがないとは思うけど、この部屋、すんごい穴だらけだよ?で、その穴が各部屋に繋がってる」
「まあ、どうやってすぐ再生するはずの木に細かい穴を開けれたのかはいいとして、ここが安全ってのはどういうことだ?」
「んまあ、そのまんまの意味だね。世界的に見ても悪と簡単に罵られるような実験を何度もやっているからね。正義を盾に突撃してくる奴とかが割といるんだよ」
「ああ、いわゆる正義中毒ってやつか。どの世界でもあまり変わらんなー」
「正義中毒………………言い得て妙だね。まさにその通り。ここは、正義中毒者から身を守るための極秘研究所ってとこかな」
「確か、フィネアが研究してるのは獣人種の人工製造だっけ?」
「そうなの。召喚獣を人化させたい!っていう上のくだらない理由でね。普通に『人化』を覚えさせればいいものを、それじゃ何年も掛かるからってこんな実験を私一人だけやらせるっていうね」
「それは、なんと言うか………ご愁傷様です………」
「まだ死んどらんわい」
「ん?でも、その研究って今はやってたっけ?なんか、俺が人化した時以来、全く実験してるとこ見てないけど」
「そりゃ、やってないからね」
「?なんで?」
「だって、君が完成品扱いなんだから。今は経過観察ってことで上を黙らせてるの」
「………………俺って完成品でいいのか?なんかこう、もっとイレギュラーな感じがするけど」
「上がそれでいいって言ってんだから、それでいいの。っていうか、実はこの研究所のことが民衆にバレちゃったみたいなんだよね。………………バレた原因が、完成品ができた喜びで外部に思いっきり漏らした上のせいだけど」
「上は何をやってるんだ………………ん?てことは、それから三年くらいは経ってるの?」
「そういうこと。で、今はもうほとぼりが冷めたから、とりあえず『完成品』を見せに来いって上が急かしてんの。だから、今日はネズのお披露目会でーす☆」
「でーす☆じゃねぇよ!!なんでそんな大事なことをさらっと流すように言うかなー!?ってか、そうだったら外に出たくないんだけど!?」
「残念☆今のネズには最低限の人権すらないんだよ☆?ってことで早速出発ー!!」
「ちょ、ちょっと待ってーー!?心の準備がっ………!?」
「………って言いたいけど、流石に少女を変態どもの元へ放り出すわけにはいかないんだよ」
「………………んえ?どゆこと?」
「だーかーら!今の内にネズに一人で生きられるほどの知識を与えて、ここから逃げてもらおうって言ってんの!」
「いや、分かるわけないやろーー!?」
「ま、ネズが変態どもに嫁いでいいって言うなら私も楽だけど?」
「イヤ!それは絶対にイヤ!あのくすぐり地獄よりイヤ!」
「け、結構本気で嫌なんだね………。それはともかく、ネズが実験動物から抜け出したいなら、私は力を貸すよ」
「………………分かった。じゃあ、教えてくれ。この世界のことを」
「言われなくとも」