16、旅の始まり?
今回もかなり短いです。一応、長く書こうと努力はしてますが、いかんせん私の語彙力が壊滅的なのです………
「………ん………………ハッ!?」
地下ではありえない心地いい風を受け、すぐさま飛び起きる。そんなネズの目の前に広がっていたのは、果てしなく続いている広葉樹の森だった。
「え?あれ?ここどこ?ってか、フィネアはどこいった!?」
徐々に覚醒してきたネズは、それゆえの混乱に襲われる。そして、さらにある事に気づき、混乱が増した。
「………………俺ってこんな背高かったっけ?」
ネズの身長は、今や中学一年生ほどの高さになっており、声も若干低くなっていた。しかも、ネズはなんとフード付きの質素な貫頭衣を着ていた。
「あれ?研究室ではずっと真っ裸だったのに。なんでだ?」
「(あんたが頑なに服を着なかったからでしょうが!?)」
「ん?今何か聞こえたような………?気のせいか」
ネズは『成長』で大きくなった耳をピクピク動かしながら、長年着なかったせいで違和感だらけの貫頭衣の具合を確かめ、そのあとに辺りを見渡す。すると、足元に手紙があるのがわかった。
「んーと、なになに………………『上の人達への引き渡しは中止、君はもう自由だ。とりあえず、『ヒノボリ』へ向かった方がいい。あそこは『白痴』系の者を神の使いとして持て囃す風習がある。少なくとも『白痴』系を研究対象にするゼルドルバル帝国よりかはいい環境のはずだ。ということで東へ向かえ。ちなみに、ここはゼルドルバル帝国東領のアルキウ大森林だ。魔物は弱いが、油断しないように』………………」
ネズは手紙を全部読んだあと、ワナワナと肩を震わせる。そして、全力でこう叫んだ。
「いやお前誰だよーーー!!?」
「いや、三年間一緒に住んで分かんないのかよ!?」
ネズの叫びに、思わずフィネアが飛び出す。『白痴小鼠』の前に、その天敵である『闇黒猫又』の姿で。
「………………きゅう」
「ちょっ、気絶するほど!?かなり傷つくんですけど!?」
ネズの旅は、気絶から始まった。