10、四校時目
はい、今回も会話だけです。そして、短いです
「やっぱ魔法あるのな」
「当たり前でしょ。世界が違けりゃ法則も違くなっていく。まあ、そんなことはさておき、魔法の基礎を話そう。ネズは魔法はどういうものだと思う?」
「んーー、魔力を集めて、魔法陣でイメージを確立させて発動するもの?」
「わお、おおむね当たってるぅ。違うところは、魔法陣は人のイメージがなくても発動できるようにしたものだよ。普通は、イメージを明確にするために使うのは詠唱なの。詠唱は言葉を発しながら魔力をイメージと同じように固めるんだけど、魔法陣はもう魔力を流し込むだけで発動する」
「んじゃ、魔法陣が圧倒的に有利じゃね?」
「それ本気で言ってる?魔法陣はいちいち描かないといけないんだよ。しかも、誰でもイメージできるような詠唱の言葉も書かないといけないから、めっちゃ時間がかかる。まあ、その分、一回描いたら半永久的に使えるけど。詠唱も魔法陣も、どちらも一長一短だね」
「詠唱を覚えれば、俺にも魔法が使える?」
「いや、無理。その魔法のスキルを覚えないと、その魔法は正しい手順を踏んでも発動しない」
「じゃあ、どうやってそのスキルを覚えれるんだ?」
「んと、それはね………………と、話が逸れたね。それは後にしよっか。今は魔法の基礎だよ。えっと………詠唱と魔法陣の違いは話したよね。じゃあ、次。魔法は主に二つに分けられてて、『術式魔法』と『元素魔法』がある。『術式魔法』は使える魔法が決まっていて、選択肢が狭い代わりにすぐに発動できる。『元素魔法』は様々な属性の『元素』を組み合わせて発動するから、時間がかかるけど強力でオリジナルな魔法を発動できる。通常戦闘では『術式魔法』で戦って、隙をついて『元素魔法』で大ダメージを与えるってのが定石だよ」
「んと、つまり、『術式魔法』は出せる魔法が決まってるけど、『元素魔法』は『元素』を組み合わせて魔法を作れるっていうことでいい?」
「うん、そんな感じだね。例えば、『火魔法・術式』スキルのレベル1で覚える魔法は『灯火』で、こんな感じ」
「うおっ!?………………それ、指先から不完全燃焼のガスバーナーみたいな火が出てるけど、熱くないのか?」
「当たり前でしょ?火は上に向かってるんだから、下にある指に熱さが来るわけないよ。もちろん、火を下にしたら燃えるけど」
「ほーん、これが魔法か〜。俺にもできるのか?」
「それを確かめるために、ちょっと私の真似してみて。………『汝、我の力を示したまえ、能力閲覧』」
「分かった。………『汝、我の力を示したまえ、能力閲覧』」