わたしは、サバイバー。
このお話は、わたしがサバイバーとして生き抜いた高校生活を綴ったものです。
残念ながら、今回のテストは満点でした。。。
編入試験でめちゃくちゃ緊張しているわたしに、初めて投げかけられた言葉はそれでした。
そのテストは、その学校の期末試験の問題そのままだったらしいのです。
よそからの人間を受け入れない基質の人達は、試験の点数に文句を言い、
落としたかったようです。
しかし、進学校からレベルを落としての編入だったわたしは満点。
当然、期末試験が満点の生徒など存在せず、わたしは、みんなを抜いてしまったのです。
今思えば、その言葉がすべてのはじまりだったのかもしれません。
高校2年生に編入したわたしは、新しい制服に袖を通し、少し緊張しながら、少しルンルンしながら登校しました。
~ご挨拶~
職員室に寄ってごあいさつ!
そう思い、ドアをコンコン。
しーん。。。
今日からわたしが登校することは、連絡済み。
恐る恐るドアを開けてみた。
ちょうど編入試験の時の先生と目が合いました。
あーよかった!と思ったのもつかの間。。。
飛んできた言葉は、ジャマだ!!
その言葉と同時に、教室の数字が書かれた紙が飛んできた。
歩いたこともない校舎の中を、ぐるぐる歩き回り、たくさんの人達にジロジロ見られながら、やっとの思いで教室を探した。
またまた恐る恐る教室のドアを開け、空いていそうな席を探し座っていました。
~通じない言葉~
転校生らしき珍しい生き物に、寄ってきてくれる同級生たちがいました。
「ね―ねー!○☆♯×☆♪……………………」
ん?想像してはいたものの、この国は方言がきつく、何を言っているのかチンプンカンプンWWW
おそらく自己紹介だろうを思い、自分の名前を告げた。もちろん、周りのみんなの名前は聞き取れず。。。
その後担任の先生らしき人が現れ、なにやらみんなに話しかけた。
もちろんこれもまた聞き取れず。。。
~先制パンチ~
みんなに着いていくと、体育館に着いた。
お!始業式か!
校長先生らしき人のながーい挨拶(これも聞き取れず)が終わって、校歌斉唱。
当然、はじめて聴く曲。
黙って、立っていると、初めの一発がきた!
後ろから思いっきり蹴りが一発。歌え!と。
周りにいた先生はみんな眺めて楽しそうに笑っている。
なんなんだ?この学校は???
~生徒も敵?~
次の日、いよいよ授業が始まった。
席が分からずうろうろしていると、親切そうな同級生が教えてくれた。
しかし、その席はウソ。
その後入ってきた先生に謎の言葉でこっぴどく怒られた。
たぶん、おまえは自分の名前もわからないのか、とかそんなようなことだったと思う。
成績順にクラスが決まっているこの学校は、科目ごとにクラスが変わり、
そのたびに、わたしは同じ目にあった。
~聞こえてくるのは外国語~
レベルの低い学校に編入したため、授業内容は簡単だった。
しかーし!言葉がわからない!!!
英語すらなまってる。
英語の訳は謎の言葉。
国語の授業すら外国語に聞こえる。
まずは言葉を覚えることに専念した。
とりあえず、聞き取ることが出来るように耳を大きくしてひたすら英語のリスニングのような訓練を繰り返した。
聞き取れるようになると、使ってみよう!という気になり、使ってみるも、
naitiveの人達は、受け入れてくれず、よそ者が使うな!と怒りを買った。
それ以来、わたしがそこの方言を使うことはなくなった。
~そうだ!!部活に入ろう!!~
前の学校で入っていた吹奏楽部を見に行った。
音楽なら言葉がわからなくても・・・
「入部させてください。」
「ムリ!!」
え?部活に入れてくれないの?
仕方がないので、他の部活も見に行った。
ボランティア、などなど。
しかし、どこの顧問も門前払い。
運動は得意ではなかったが、最後の手段と思って、担任の先生が顧問をやっているバレーボール部に行った。
結果は同じだった・・・
~魔のテスト~
仕方がないので、暇な放課後は勉強することにした。
すると、なんと、最初の定期テストで学年トップ!
その後、授業の最初に行われる小テストも、定期テストも採点されることはなくなった。。。
ただ通知表だけは親に送付されるため、学年順位は教えられ、5段階の成績はついた。
暇な時間はたくさんあったので、学年トップは卒業まで続いた。
採点されないテストも卒業まで続いた。
~見えない恐怖~
親には何も言うなよ!という圧力がすごかった。
わたしもそれ以上のことをされるのが怖かったので黙っていた。
何かをされた日は、制服を教室に干してジャージで帰った。
プール授業があったので、学校にはドライヤーがあった。
おかげで、水をかけられても、髪を乾かして帰ることが出来た。
~興味のない担任~
やっと一学期が終わろうとしていたある日、個人面談があった。
志望大学と最近の様子を聞かれ、いろいろと答えた覚えはあるが、返ってきた言葉は、
たぶん「おまえの言葉はわからない。好きにしろ。」
というような事だったと思う。
「方言は使ってくれるな。」とくぎを刺された。
三年生になると親との三者面談があった。
担任は親の前ではいい子ちゃん。
しかし、標準語しかわからない親には一切話しかけずに
すべてわたしが通訳した。
「成績も優秀でとてもいいお子さんですよ。」と笑顔で言っていた・・・
~職員室にて~
ある時、校内放送で何人かが職員室に呼び出された。
わたしと、一文字違いの同級生がいた。
呼ばれたのは確かにそっちの人だった。
しかし、放課後わたしは職員室に呼び出された。
「なんで来なかった!!!!」
いやいや。絶対わたしじゃないし。
何度訴えても聞き入れられることはなかった。
しかも、わたしに用事はなく、ただ職員室に呼びたいだけだった。
そして、ものすごい勢いで、謎の言葉で怒りだした。
20分くらい経っていただろうか・・・
いきなり標準語になり、
「あ。こいつ、言葉通じないんだっけwww」
20分クスクス笑いながら話を聞いていた職員一同が大爆笑!!!
~謎の服装検査~
校則が厳しい学校だった。
もともと黒目がかなり茶色いわたしは、当時まだ珍しかった≪カラコン≫をいれていると、言われた。
眼鏡もかけていてコンタクトを入れているはずもないのに、カラコン。。。
いれてません!!!何度訴えても聞いてもらえず。
「眼鏡をはずせ。」静かにそういうと、目に指を突っ込まれた。
アトピーで瞼が赤くはれ上がっているわたしを引っ張り出し、
「今度はお化粧か!」
「してません。」
まあ当然聞いてもらえず。
どこからかホースが出てきて顔に思いっきり水をかけられた。
これは、一度では終わらず、二度三度と行われた。
二度目は、あ!と思い横によけてみたwww
後ろにいた生徒に水がかかり、泣き叫んでいた。
泣きたいのは、わたしだよ・・・
先生の怒りに火が付き蛇口から直接顔に水をかけられた。
三度目からは、大人しくホースの水を浴びた。
周りの先生、楽しそう。
~受験~
受験の季節。
国立大学の推薦入試を受けたく、小論文模試でA判定も出ていた。
「推薦状をお願いします。」
「なんでおまえの?国立大学は誰も推薦しないシステムなんだ。」
ふうーん。
そう来たか。
その後、何人もの人たちが国立大学に推薦で合格して行きました。。。
~まさかのプール~
わたしは謎の病で、学校をしばらく休みました。
その後、復帰した日、
『しばらくの間体育の授業は受けさせないでください!』
という診断書を持って、体育教官職員室なるところに向かった。
「これ、お願いします。診断書です。」
ショータイム!!!
そう叫ぶと、わたしの制服のネクタイを掴み、体育教官全員がぞろぞろと・・・
どこ行くの?と思いながら引っ張られていくと・・・
プール!!!
ザブーン・・・・・・・・・・・・・・・・・・
わたしが泳げないとこは先生も知っていました。
しかし、その地域は泳げて当たり前。
しかも制服のままだし、背の低いわたしは深いところでは足が届かず、溺れました。
ただ、笑ってみている先生たちははっきり見えました。
ばれない様にジャージで帰れよ!とだけ言い残して助けることなく去って行きました。
それ以来、体育の授業で、テニスやバドミントンなどなどラケットを持たせてもらえることはなくなり、ひたすらボール拾いをさせられた。
~卒業アルバム?~
そんな毎日を過ごすうちに、卒業アルバムの季節に・・・
編入の都合で修学旅行にも行ってないし、謎の病で長く休んだし、
まあ、あまり映っていないだろうとは思っていた。
しかし、なんとまあ、個人写真までなかったことになっていた。。。
~やったね!主席で卒業~
卒業式の日、主席卒業の生徒は表彰される制度があった。
いろいろあったがさすがに主席卒業だけは認めてくれているようだった。
しかし卒業式前日に大学の入試で休んだわたしは、卒業式当日に教室に行って驚いた。
机の中にぐしゃぐしゃに丸められた賞状が入っていた。
え?表彰は当日じゃ???そのために無理して卒業式に間に合うように帰ってきたのに・・・
前日の総練習に出た人が教えてくれました。
今年は卒業式短縮のため総練習で表彰します。が、当該生徒が欠席のため省略いたします。と。
わたしはぐしゃぐしゃの賞状を教室のごみ箱に捨てて帰った。
~サバイバーから一言~
わたしはこんな環境でも生き延びることができました。
人間意外と生きていけるものだなあ・・・と今になって思います。
でもそれは、【大学って楽しい所だよ♪】と昔、わたしに教えてくれた人がいたからです。
それだけを信じて、大学に行くことだけを目標に、頑張ることができました。
これを読んでくださったあなたが何か大切な言葉に出会えますように。
サバイバーを読んでくださり、ありがとうございました。
あなたの暮らしに何か少しでもお役に立てたらと思います。