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第4話 続く会話と続かない会話。

 ~塾の自習をしたその日の晩~


 水原さんとLINEを交換した。だから早速何か連絡してみることにした。多分、自分から送らないと水原さんからは遠慮して何も連絡が来ないと思ったからだ。



『中2の柳原です!よろしくねー。』


 こんな感じでいいのだろうか。というかこれしか言いようがない。そしたら、5分と経たずに返事がきた。



『よろしくお願いします。』


『こちらこそー。明日の夜はまた塾に行くの?』


『分からないですね・・・。柳原くんはどうするんですか?』


『多分行くよ!あと、別に敬語じゃなくていいからさー。』


 今まで「先輩」呼びだったのに、いきなり「くん」呼びされると少し困惑する。だけど、何か親しまれてる気がして嬉しいものだ。


 そして、俺が「敬語じゃなくていい」と言ってからは、ちゃんとタメ口になって話しかけてきた。そっちの方が気が楽だ。まあ、水原さんがどう思ったかは知らないが。



 そして翌日学校に行くと、真っ先に健斗に声を掛けられた。



「おい卓、お前、水原さんとLINE交換したの?」


「うん、昨日塾の自習の時に。」


「うわー、なんだよ、この女たらしが!羨ましいんだけど!」


「後輩の1人とLINEしただけで女たらしと言われるのはなんとも言えない気持ちなのと、本音はそっちだろ。お前にも教えてやろうか?」


「やめろ。俺は話せないからマジでやめろ。」


「本当に、そこは相変わらずだね。」


 そもそも、健斗は何故俺と水原さんがLINEを交換したことを知っているんだ・・・。情報を入手してる時点で怖い。



 ただ1つ変わったのは、この日から、俺と水原さんはLINEで毎日話すようになった。こういうことを言うとまるで俺にそういう下心があったように聞こえるが、元々その気は全く無かった。

 しかし、不思議と会話が途切れることは無かった。むしろ、話が気持ち悪いくらい続いた。しかもなぜか楽しかった。


 ただ、あくまでLINEでの話だ。学校で話しかけてみても曖昧な返事しか来ない。やはりいつもモジモジしていた。塾で話しかけてきたのは、夢ではないかと思うほどに。


 要するに、間接的(?)に話すととても会話が長続きするが、直接話すと全然続かないのだ。理由は、分からない。


 しかしお互い直接話さなければならない、とある出来事に襲われるのであった。



 しかも俺は、ここで水原さんの意外な一面を知るのであった。


 ※後日談・健斗は、LINEを交換していたのをたまたま見た塾の先生から、LINEを交換した話を聞いたらしい。

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