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第9話 祭りの晩に。後編

 コーラの一件を解決した直後、健斗から電話が掛かってきた。



「おい卓、お前今晩暇か?」


「暇だけど。どうかした?またゲーム付き合おっか?」


「久々に家泊まりに来ねえ?今話が盛り上がっててさ。どうせ祭り会場、うちのマンションなんだし。泊まってけよー!」


「分かった。じゃあ、なんか適当に菓子買って行くわ。誘ってくれてサンキュー!」


「お前を誘わんわけないだろー。」


 こういう言葉は、やはりかけてもらうと嬉しいものだ。信頼されているような気がして。



 というわけでマンションの中の売店でお菓子を買い、そのまま健斗の家に向かった。鍵は開けっぱなしだった。まあこれが普通である。



「お邪魔しまーす。」


「「「ポテイトゥゥゥゥ!!!」」」


 ・・・は?どうした。



「よ!菓子サンキュー!」


「おう!じゃなくて。何の騒ぎだ。」


「いや、アイツが家からピザポテト持ってきた!日本の菓子なんていつぶりだよー。」


 つまるところ、他に泊まりに来た友達が日本のポテチを持ってきて、久しぶりに日本のお菓子を食べられることで奴らはテンションが異常に高いらしい。

 うーん、気持ちは分からんではないが。うるさすぎる・・・。



 そんなこんなで、俺を含めたバカ男子達はゲームをした。人気のアクションゲームを、インターネット通信でやった。が…すぐに負ける。こういうところで不器用さが目立ってしまう。


 飽きた俺は、スマホを見た。そしたら、通知が一件。菜々からだ。



 〈LINEトーク〉

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「コーラの件ありがとうございましたー。助かりました。」


 相変わらず律儀でいい子だ。


「いえいえ!お役に立てたなら何よりー!」


 少し明るめに返してみた。



「そういえば、柳原先輩って今泊まりに行ってるんですか?」


「よく知ってるね。誰情報?」


「春奈ちゃんです。」


 あいつ…なぜ知ってるんだ。ホントに怖い。



「というか先輩泊まり会中に私なんかと話してていいんですかね…?なんか申し訳ないです。」


「あー、いいのいいの。どうせ暇だったし。」


「泊まり会で暇って…もしかして先輩いじめられてたり…」


「しないから。」


「じゃあ、私も暇なんで、一緒に何かゲームでもしません?」


「いいよ。けど…チャット上で出来るゲームとは?」


「真実か挑戦なんてどうでしょう!」


「いいよー。」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 この後、菜々と俺は2時間くらいずっとLINE上で真実か挑戦をしていた。皆ゲームに没頭していたので、誰にも妨害はされなかった。



 内容は、最初は至って普通の内容だった。が、徐々に中学部の中で好みの顔の人は誰か。など、結構深い質問も増えてきた。



 菜々は、最初は気を使って丁寧なチャットだったが、徐々にやっていくうちに卓と呼び捨てになり、タメ口のチャットになっていった。新鮮だったが…どこか可愛かった。だから指摘せずに、そのままにしておく。



 そして菜々は、いつもチャット上でも素直だった。思ってること、考えてること。色々話してくれた。一番驚いたのは、俺が適当に「もし誰か同級生とか、先輩と一緒に買い物とか行くとしたら、誰がいい?」という質問をした時、「うーん、正直に行って卓がいいかも。先輩なら、楽しく色々話せそうだし!」とか言ってきたところ。



 流石にドキドキした。いちいちの言動が可愛い。



 そんな不慣れな経験に戸惑い、ドキドキしながら、俺は真実か挑戦が終わった後、菜々に「おやすみ」とだけ言って、男友達と一緒に寝たのだった。

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