違和感ある日常
この世界は奇妙だ。
いや、他の世界がどうなのか僕は知らないけれども。
とにかく奇妙なのだ。
僕が生まれたのは15年前。
サラリーマンの父とスーパーのパートで働く母の間に生まれ、特別変わったこともなく生きてきた。
生まれたばかりの頃がどうだったかは分からないけれども、大人になるにつれて昼間の時間が長くなったり不定期になったりする。
父に聞くと、昔はもっと夜が長かったのだと教えてくれた。
「それが普通なんだよ、何がおかしいのだい?」
そう言って新聞を見るのに戻った父に、それ以上追及することがなかった。
普通ってなんだろう。
僕はおかしい気がするけれど。
僕が変だと気付いたのは3歳の頃。
時計が20時を過ぎると段々と暗くなってきて、夜になる。
そのまま朝の8時が過ぎるまでは暗いままだ。
たまに9時過ぎになったり12時近くになるまで夜だったりもする。
毎日夜の時間が違う。
最近は夜中の2時過ぎまで空が明るい。
夜になったと思っても3時間ほどでまた明るくなってしまう。
だから僕たちは光を当てにせず、時計で行動している。
それが当たり前なのだから、と言われ続けている。
眠って目をあければすぐに朝だし、絵本やお伽噺に出るような「夢」を見ることもない。
変な世界。