命の意味を知った
花を育てる少女がいた。少女は花が大好きだった。毎日花に水をやり、大切に育てている。
一匹の狼がいた。狼は花が嫌いだった。毎日花を育てる少女を見ては心の中で呆れている。
「なんで花が嫌いなの?」
少女がそう聞くと、狼は答えた。
「生きていないモノに興味はない」
そう言うと、少女は儚げに微笑んだ。
「花は、生きているよ」
ある日、少女が花と会話していた。
狼はくだらない、そう思っていた。
「花がしゃべるわけないだろ」
呆れたように言うと、少女は言った。
「狼さんも毎日お花に話しかければきっとお花もお話してくれるよ」
狼は少女の言葉を信じたのか目の前にあった小さなピンク色の花を見つめる。
「太陽ばっかり見てつまらなくないか?」
しかし、ピンクの花は何も答えなかった。そんな花に狼は頬をふくらませた。
少女は笑う。
「恥ずかしがり屋なんだよ」
狼は毎日花の前に現れた。そして、毎日一言花に話しかけた。
「今日、狩りに行ったとき虹を見た」
「魚がたくさん泳いでいた」
「餌がたくさんとれた」
本当に、一言。その日印象に残ったことを話した。
狼は最初、くだらないと思っていたが段々と楽しくなってきた。
少女は花を見渡す。
「みんな、大きくなったなあ」
「分かるのか?」
「もちろん。最初はこーんな小さい種だったのにそれがこんなに大きくなったんだ」
少女は狼に小さな黒い種を見せる。
種は小さかった。すぐに潰れてしまいそうなほど。
「この種、狼さんが話している花の種なんだよ」
狼は驚き、ピンクの花を見つめた。
「実はこの花の家族なんだよ」
「家族?」
「そう。命のつながった家族なんだよ」
それを聞いた狼は、心の中で花も生きているんだと実感した。
次の日、狼が花に話に行くと、いつもと違う風景だった。花が無くなっている。
綿毛がふわふわと空で踊っていた。
狼は驚き、少女に質問した。
「花たちはどうしたんだ!?」
少女は狼の頭を撫でた。
「命を、つなげているんだよ」
「つなげている?」
「そう、未来の家族のために」
少女は空を嬉しそうに見上げた。
「生きているから、未来があって、つながるんだよ」
暖かい風が吹き、未来をつんだ綿毛を高く飛ばせる。
ふと、狼に知らない声が聞こえた。
『わたしたちは いきています』
狼は空を見上げ、目を丸くした。
『またみらいで おはなししましょう』
綿毛たちは、それぞれどこかに飛んでいく。
ふと、少女が狼を見ると、目から涙がでているようにみえた。
狼は綿毛たちを見て、吠えた。まるで見送るかのように、声に応えるかのように。
そして、狼は
END




