男女比〈0対4〉デート。 その②
クオリティが大変残念になっております。
映画館までいかなかったし、予定なんてズレまくりです。
遺影☆
舞台が開演するのは午後からということなので、俺達四人は適当に時間を潰すことにした。
時間を潰すって言っても、近くの店を周回するだけなのだが、歩くだけでもwith雛宮さんなら地獄だって楽しいだろう。
すいません、嘘です。
ああ、可愛いよ、雛宮さん。
「――――鈴ちゃん?」
「…………」
さて、今現在俺にはいくらかの問題が存在する。
問題① 俺は『茅ヶ崎浬南』ではなく『茅ヶ崎鈴』として認識されている。
そうなのだ、彼女の眼に『鈴』が映っていても、そこに『浬南』はいない。
どこか、悲しい。
見えないガラス越しに現実を見ているかのような孤立感。
見てほしいのは『鈴』ではなく『俺』なのだ。
問題② 西原霞は俺を浬南だと知っている。
理由がまた面倒くさくて、リィナが西原とキャフキャフな行為をして口を滑らせたらしい。
どうやって行為に及んだかって?
知らん、作者だって知らん。
ご都合主義ってやつだ。
問題は西原がこのことを他人に言うかだ。
本人曰く他人に言う気は無いらしい。
「そのほうが面白いし……ね?」
夜、出歩くときは後ろに注意することにした。
何だよ、最後の「ね?」って、襲う気じゃねぇか。
問題③ リィナと西原がどこかに走って行った → 雛宮さんと二人きり。
「鈴ちゃん?鈴ちゃ~ん?」
「っ!!」
目の前で振られる手のひらと、瞳を覗きこんでくる顔。
憂鬱で現実逃避していた俺は思い巡らすのを止めて、後ろに飛びずさった。
「私、何かいけないことしちゃった?」
違う、違うよ。
ものすごく恥ずかしいんだよ。
火照った顔を押さえて、しゃがむ。
「い、いえ。何もしてない……です」
「そっか、良かった。嫌われてるのかと思っちゃった」
そう言って彼女は微笑んで俺の手を握った。
「どこかに行こうよ。鈴ちゃん、行きたいところある?」
こういう時って、女子はどこに行くんだろうな。
クレープ屋とか、服屋とかだろうか。
「服、買いたいです……」
「ん、そだね。じゃあ〈クラウンナイト〉って店でも行こっか?」
「はい」
「予定通りターゲットは服屋に向かう模様やで、どうぞ」
「計画通り頼みます」
木々の影からそれを見ていた二つの人物、リィナと西原は不敵な笑みをした。
「今回の計画がうまくいけば、浬南及び鈴ちゃんは私のものっ☆」
「二人で従順な犬に育て上げましょう!!」
阿呆な二人は周囲の人物からイタイ目で見られていることに気付かず、手を取り合った。
ゾクリと何か寒気がした気がする。
「どうしたの?」
「いえ、何も」
こういう時は気にしないのが一番だ。
この幸せな時間を楽しもう。
やって来た〈クラウンナイト〉は老舗のような古い雰囲気が漂っていた。
店の扉を開けるとカランと音がした。
「いらっしゃい」
半分寝ているかのような背の小さな女性が店の奥から出てきた。
ぼさぼさの肩ほどまでの髪に、ラフな格好をして、その上に地味な色をしたエプロンを着ていた。
その中心には自分で刺繍したと思われる不細工な王冠が浮かんでいた。
「千代ちゃんか、もう一人は誰だい?」
「私の友達で鈴ちゃんって言います」
「これはどうも。店長っていっても一人だけど、崩月 楓だよ」
表情も変えずに礼をされたので、こちらも礼をする。
「こちらこそ」
楓さんは気だるそうなゆっくりとした動きで俺の目の前までやって来た。
「……全部、男の服だね」
「…………」
「髪の手入れもしてない」
「……美人なのに、勿体ない」
「ひゃうっ!!」
いきなり華奢な腕が伸びてきて、胸を触れ、そのまま腰を通って、お尻まで手を這わせた。
何か体の芯に電気が走るような感覚が来て、力が抜けた。
「ななな、何するんですか!?」
「……B73,W51,H58か」
「こ、個人情報を公にしないでください!!」
「結構スタイル良いね、鈴ちゃん」
ひ、雛宮さん?
その手に持っているゴスロリは何ですか?
ワキワキとしている手も止めて下さい。
「ちょ、楓さん。止めて下さい!」
「まあ、そういうのも良いんじゃないかな。僕は否定しないよ?服ができるまで一時間くらいだから。何だ、ご愁傷様」
そういって楓さんは奥の部屋に入って行ってしまった。
「鈴ちゃん、あっそび~ましょ☆」
「いやぁああ!!」
それから、服ができるまでの一時間、私は着せ替え人形として扱われた――――。
作 者「うわあ……」
霞 「計画通り」
リィナ「どういうこと?」
霞 「千代は服を作るんが好きでな、いっしょに服屋なんて行くとああなるんや」
リィナ「なかなかやりますね」
作 者「今回はこのメンバーで次回予告かな」
リィナ「今度は襲っちゃいますよ~?暗闇で」
霞 「犯罪やん」
リィナ「訴えられなければいいんですよ」
霞 「良くないって!!」
作 者「良いんじゃない?フィクションだし」
霞 「存在否定された!?私たちはいないって言った!?」
リィナ「仕方ないです」
作 者「出番増やしたんだから文句言うなよ~」
霞 「…………」
リィナ「こんな娘ほっといて、PRです。誤字脱字感想指摘等々ありましたらお願いします☆」
霞 「単語ごとに点打ちぃや。中国語みたいなっとるで」
リィナ「要望もオッケーです!」
霞 「無視すんかい……」
作 者「それではそろそろ……」
リィナ「そうですね、また今度♪」
霞 「また見たってや~」