〈性〉活問題を定義する。
はい、3話目です。
最近ファンタジーのネタを思いついたので、そっちの方に力が……。
もし見つけたら、あ、あのダメな作者の小説だ、と馬鹿にしながら読んでくださると嬉しいです。
それでは、下記の駄文をお楽しみ頂けたら幸いです。
太陽が最も高い位置から、人間逹を見下ろしている。
たいして不審に思われなかった俺達――――奇跡的だな――――は雨を止めて、学校近くの大きな公園に来ている。
「――――ですから、口を塞ぐなんて――――」
リィナが先程の出来事について謝罪を求めている。
俺はそこら辺の自動販売機で缶コーヒーを買い、ベンチに座って聞き流していた。
「ふう……」
「――――って聞いてます!?」
「ああ、今日は良い天気だな」
「聞いてないしぃ……」
さっきの事を考えると、自然とにやけてしまった。
雛宮さんと会話したのだ、当然じゃないか。
色素が抜け、毛先の跳ねた茶髪に、同じくらい綺麗で透き通った肌。
そこで我に帰ると、変な表情をしたリィナがいた。
「……ふぇぇええ」
「変な声で抱きつくな、うっとうしい」
「だって笑った顔が半端なく可愛かったから……」
そう言って、一際強く抱きついて、顔を胸にうずめてくる。
「んん……あ」
何か突き放すこともできないし、心地がいい。
暖かい体温、髪から良い匂いがする。
家族ではこのような温もりが無かった。
少し顔を上げ、リィナがこちらを覗う。
「泣いて……るんですか?」
頬に触れると指先が濡れた。
「あれ……何でだろう……」
リィナが微笑んだ、とても優しい笑み。
そうして、また抱きついてきた。
「……しばらく、こうしててもらって……良い?」
「はい」
誰もいない公園で俺は泣き止むまでそうしてもらった。
しばらくして、落ち着いたので放してもらう。
よく考えるとものすごく恥ずかしい。
男子が女子の前で泣……あれ?でも今は女子、かな。
だったら良いのかな。
「…………」
まともにリィナの顔を見ることが出来ない。
俺は今、どんな顔をしているのだろう。
「あなたが不幸なら、私はずっと傍にいます。命令……ですから」
「……ああ」
うう、また涙が出てきたじゃないか。
リィナが立ちあがったので、俺も立つと、茂みの方へ誘導される。
女になったからか、少し背が縮んだようだ。
「?」
何かと思えば、直後押し倒された。
首筋に細い指を這わせ、耳に熱のこもった息を吹きかけられる。
「ちょ、何を……ふあ……」
「んふふ、可愛い」
力が抜けてしまった。
銀髪が俺の体に垂れてくる。
「何すんだ!?放せ!!」
腹に馬乗りされ、思うように動けない。
更に両手は押えられてしまった。
残った両足をバタつかせるが何の意味もない。
「心配ないです。全て私に任せて、身をゆだねましょう~」
「嫌だぁー!!」
誰か助けてくれ、そう思った。
ピィィイイイ!!
唐突に笛の音、正確にはホイッスルの音が響いた。
「異性不純行為を昼間からやるとは何事なん……って同性?校則に同性はダメとは無かったなあ、ううん」
「た、助けて!」
「ん、了解~」
と現れたのは俺の学校の風紀委員長、西原 霞だった。
艶やかな肩まで垂らした黒髪を揺らして、警察のような青基調の自分で作ったと思われる服を着ている。
「嫌がっとる娘にそんなことしたらあかん、分かるぅ?」
リィナの横にしゃがんで、自動式拳銃を取り出して構えた。
そこでリィナは霞に気付いたのだが、振り向く前に――――。
「ばぁん!!」
撃たれた――――かのように見えた。
色とりどりの紙吹雪やリボンが舞った。
「うわぁぁあああ!!と落ち着いたか、リィナ?」
「とりあえず驚いたふりをするのは止めてくれん?」
霞は呆れたような溜息をついた。
「声で、ばぁん、とか言われてもな」
「まあ、どいてくれ、リィナ」
「……ちっ」
無視だ、無視しよう。
「……ちっ」
霞は俺と話せる友人の一人で、と向こうは俺のことは分からないが、何故ここにいるのかと聞くと、気がつくといつの間にかここに立っていたという。
力による影響だろうと思ったが口にはしない。
そういえば、助けてくれと思った。
「……ちっ」
そうしたら目の前で不埒な行為が行われ――――。
「……ちっ」
「…………」
ちっ、って止めてもらえます?
文体的に大変見苦しいのですが。
「……ちっ」
……俺たちは霞に別れを告げ、距離を置いてベンチに座った。
むう。
大変、その……トイレに行きたいのだが。
リィナの舌打ちがあまりにしつこいので、トイレの前までは来た。
そこまでは問題無い。
さて、どちらに入ったものだろう。
どちらにも人がいないことは分かるのだが、性別的だと赤色で塗りつぶされたスカートを穿いた女性のマークの方に進まなければならない。
だが、精神的に耐えられない。
ん?
思ってみるといろいろ問題が浮かんできた。
トイレ、着替え、風呂に服。
服ってアレも含まれるわけだろう、その……肌着、とでも言っておこうか、うん。
どうやって買うんだ。
ノーブラもまずいし、あ、言ってしまった。
今まで男だったのにトイレに風呂も結構イタイぞ。
自分の裸体を見て、理性が崩壊しかねない。
「うう、う?」
頭がグルグルとしてきた。
そうだ、リィナを使……いやだめだ。
何を要求されるか、分かったもんじゃない。
先ほどのこともあったし、やめておこう。
これからのことを考えると絶望してしまった。
ヘタっと座り込み、明後日の方向を見る。
「はあ……」
「んふふ~、お困りですか?」
と後ろからリィナにのしかかられた。
どこから湧いて出たんだ。
「はっ、トイレの前で座り込んで。そうですね、いきなり茂みはダメですよね。察することの出来なかった私を許してくださ――――」
「んなわけあるかっ!!」
あごに頭突きがクリーンヒットして、鈍い音がする。
「うぐ、痛い……で、何でまた白くなってたんですか?」
「俺は一生この体かって絶望してたとこさ」
「え?戻れますよ」
「…………」
そうか、こいつは大事なことを先に言わない奴か。
「何で笑って近づくんですか!?」
「……そういう事は早く言えっ!!」
本日何度目かのデコピンをかましてやった。
なんでも初めてあのナイフで刺されると性別を変えたり、力を与えたりする設定、のようなものをするため、目覚めが遅かったのだそうだ。
二度目以降は自由にできるらしい。
肝心の戻りかたはもう一度刺すだけ、まあ簡単。
ううむ、まだ希望はあるな。
とりあえず、俺はヘンテコなナイフで刺してもらう。
「んぐっ……」
「大丈夫ですよ~、チクっとしますけど」
いや、もうしたから。
そんな注射じゃないんだから、小さな痛みがした。
体が熱を帯び始めた。
一瞬意識が飛んだが、すぐに戻ってくる。
元の背に戻ったのか、リィナが小さく見える。
「おお、戻った」
「トイレぐらい女性のままでも……」
ボヤキはうて合わないことにする。
こうして俺は黒い男性マークのトイレに入ることが出来た――――。
作者「あ、戻ったんだ(ひどく残念そうに)」
浬南「お前の策略など予想できる!」
作者「お前は既に俺の手のひらの上だ!」
浬南「何ぃいい!?」
作者「はい、今回はエクストラから霞さんに来てもらいました~」
霞 「どうも~」
浬南「リィナは?」
作者「アニメ見るってさ」
霞 「さっそくやけど、あの娘可愛かったな~」
浬南「(百合フラグ?)」
作者「ぶっちゃけるけど、今後、霞さんの出番ほとんど無い」
ズドンッ!!(←銃声)
浬南「フェーリィイイ!!はっ!何か血で伝えようと……」
霞さんって胸、大と小どっちが良……
ズドンッ!!(←再び)
浬南「じ、次回予告します!!」
霞 「てか、今回で終わりやろ。作者逝ったし」
浬南「続きますっ!でも作者がストックを使い果たしました」
霞 「想像力無っ!!この姿はその具現化かいな?」
浬南「後書きのテーマを募集しますよ~。パロネタから質問、トークテーマ、何でもありです!」
霞 「出番は?(作者に銃を向けながら)」
浬南「何だか危ないので、さよ~なら~」
ズドンッ!!(死)
霞 「また今度☆」
浬南「…………」