塗り潰す〈黒〉輪。
連投です、何個かストックとして残しておこうと思います。
あと、短めです。
前回が少し長いので……。
ではではどうぞ!
「ーーーーーーーー」
立ち上がった鈴はゆらゆらと動きはするが足が定まっていないようだった。
言葉を発することもなく、口元を吊り上げている。
「り……ん?」
圧倒的な存在感、まるで鈴などここにはいないように。
本当に嬉しいはずなのに、以前と違う雰囲気に私は近付くことが出来ずにいた。
同様に霞もその場を動かないでいる。
不意に腕を持ち上げた鈴は真っ直ぐに〈混乱〉の持っている心臓を指差した。
次の瞬間、一際強く鼓動したそれは〈混乱〉と隣にいた〈転換〉を巻き込んで爆発した。
「神の力ごとですか、〈混乱〉、大丈夫ですか?」
「ああ、だけど心臓は?」
「元に戻ったようですよ」
鈴は手の中にある自身の心臓を光の無い無機質な目で眺めていた。
やがて抉られた胸の辺りにそれを埋め込むと驚異的なスピードで傷は塞がった。
「何なわけ?お前」
「ーーーーーーーー」
「大体お前の攻撃は俺には効かないだろうが。生き返ったからどうした」
「クヒ……クヒヒヒ、アハハハハ!!」
奇怪な笑い声を始めた鈴は突然笑うのを止めてじっと〈混乱〉を見据えた。
鈴を中心として空中に黒い輪状の波紋が広がり始める。
それは私たち、〈混乱〉に〈転換〉を巻き込んで屋上にあるもの全てをすり抜けた。
ふわりと体の軽くなったのを感じる。
直後、〈混乱〉の頭は鈴によってコンクリートの床に叩きつけられた。
「あれ?」
何が起こったのか理解できない、そんな顔だった。
ただーーーー。
「……痛い、痛いなあ!もう!!」
〈混乱〉は苦痛に顔を歪め、身悶えしている。
ダメージは〈混乱〉まで届いているようだ。
「こんなの聞いてねえよ、〈転換〉」
「私だって知るわけないですよ」
「鈴」
私が話しかけると黒い輪をいくつか漂わせていた鈴はピクリと反応した。
「何だよ」
ああ、やっぱりそうか。
「今は鈴ですか?それとも浬南?」
「さあな」
彼、彼女はこちらを振り向くこともなく、大儀そうに空を仰いだ。
「もう、死なないで下さい。いなくならないで……」
「ああ、聞こえてた」
良かった、ホントに……。
涙が溢れて止まらない。
「霞もありがとな」
「…………」
地面にへたり込んで呆けていた霞は微笑んで頷いた。
「もう一回、殺してやるよ」
「…………」
あの〈混乱〉の笑っていた顔が急に獲物を狩る目に変わったのを鈴は無表情に見つめ返したーーーー。
鈴 「短い」
作 者「ですよね~。千文字て……自分でもワロタ」
リィナ「もう正直しんどい、私に誰かを襲わせw」
作 者「もうすぐ終わるから、ね?」
鈴 「そんなわけで次回は?」
作 者「相変わらず、つまらん戦闘パート」
リィナ「ふう」
鈴 「あっそ」
作 者「(すっごい冷めてる……)」
リィナ「ま、そんなわけで次回もグダグダです」
鈴 「じゃーな」
リィナ「それでは☆」