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幸福宣言!  作者: Fehli
25/27

体を蝕む〈負〉の感情。

いや、テスト長かったです。


日曜を挟んでって……。


本日よりチョクチョク投稿を開始します。


待っている方(いるとは思いませんが……)スイマセンでした!


意見、感想待ってます。

あれ……?


どこだココ?


見たことも無い真っ白い何もない空間に私は突っ立っていた。。


私は確か〈混乱〉が呼び出した魂たちの前に倒れて。


それで最後に見えたのは、あの不気味に笑う奴の顔。


それから胸の辺りに気持ちの悪い感覚がして……。


あ、死んだんだ……私。


大して悲しくもない、もとより死にたがっていた身だ、だけど。


最後ぐらい幸せに死にたかったな。


会長は助けてないし、霞やリィナに挨拶ぐらいしたかった。


今思えばホントに最近は災難だった。


リィナが突然現れて〈力〉を与えますとか言って、女の子になったら何故か襲われるし。


霞は何だか途中からキャラ崩壊して変態になっちゃったし。


楓さんは……うん、大人の経験フル活用。


会長だって人でなしの鬼畜変態野郎だし。


駿河くんは優しくて唯一の常識人。


キモオタは(略)。


雛宮さんはちょっとおかしな所もあるけれど、私の世界で一番好きな人。


そんな人たちに囲まれて、私は生きてたんだ。


あれ……?


おかしいな……。


やっと死ねたはずなのに。


ずっと前から望んでいたのに。


どうしてこんなにも涙が止まらないんだろう。


あんなにも死にたいと思っていたのに。


今は死ぬのがひどく悲しい。


死にたくない。


まだ皆と生きていたい……。


嫌だよ、もう会えなくなるなんて。


こんな終わり方ってない。


不幸ってこういうこと?


皆のいる世界から自分一人だけ切り取られて、皆だけで生きていく。


取り残された私は何も出来ずにただそれを見つめるだけ……。


なんて救いようもない、残酷な人生。


「だったら、殺されたことをリセットすればいい。心臓を作り治せばいい」


阿呆か、お前。


そんなことは出来ないんだろう?


「出来るさ。それなりの代償を貰うがな」


大体何だお前。


黒い姿してるじゃないか、死神か何かだろ。


地獄に連れていくなら早く連れていってくれ。


「お前は俺に身を任せるだけで良いんだ。そうしたら俺がお前を生き返らせてやる」


体は俺のもんだがな、とか言うんだろう?


ありがちな古い手使ってんじゃないよ。


嫌に決まってるだろ。


「いや、あの二人を倒したら別に返してやっても構わない」


……。


…………。


………………。


ホントに言ってるのか?


「ああ、どうだ?」


出来ることなら生き返りたい。


お前は誰なんだ、何でそこまでするんだ。


「お前だよ、浬南。その内気付くときが来るさ。お前の弱いところが俺なんだ」


意味分かんないよ、どうしてこんなにも生きたいと思うんだろう。


喉なんてあるわけないのにカラカラと焦燥感が襲う。


「契約は受理したと受け取っておく。さあ、体の力を抜け」


直後、私の体を繋ぎ止めていた何かが解かれた。


「安心しろ、浬南の悪いようにはしないよ」


懐かしいような、どこか昔に聞いたことのあるような声がした。


暖かで、安心する声。


ああ、この声は俺のーーーー。


「鈴!!起きて……死なないで下さい!!」


「無駄だってばあ、心臓取り出したんだから神様の力でも生きれないさ」


リィナが必死に鈴ちゃんの体を揺すっているのが分かる。


「人はな、死んだら生き返れないんやで!?」


銃口を〈混乱〉に向けていた私は叫んだ。


「だから?」


〈混乱〉は興味の無さそうに首を傾けた。


その右手にはある何かが一定の速度で動いている。


「ほら、綺麗な赤色。彼女はまだ生きている」


心臓だった、誰の?


分かってるくせに。


小さく鼓動するそれは鈴ちゃんの体から抉り出されていた。


「ああぁ……あぁぁあああ!!」


見たくない、そんなもの見せるな。


私は持っていた銃を持ち上げ、ヘラヘラと笑っている〈混乱〉に銃弾を撃ち込む。


ただひたすらに。


まるで当たっている気がしない。


現に〈混乱〉は撃たれ続けながらも笑い続けている。


「笑うなぁあああ!!」


最後の一発、それを不敵に笑う顔に叩き込んだ。


ビクリと一瞬だけ痙攣するが、やはり〈混乱〉が倒れることはなかった。


「〈混乱〉、遊ぶのも大概にして下さい。私たちの目的は神の力と永遠の命でしょう?」


「ヘイヘイ」


身体中に穴が空いているのに気にしていない〈混乱〉に〈転換〉は話しかけた。


壊れている、そうとしか思えない。


私は脱力して、涙を流すことしか出来ない。


「それじゃ帰るとしますか」


「ああ、それと目撃者は殺してくるようにと聞きました」


「何だよ、早く言っとけよ」


私たちに向き合うと〈混乱〉は溜め息を吐いた。


殺される、その感情だけが私の中身を支配していた。


リィナはただ呆然としている。


「ーーーーーーーー」


始めは何か空気の抜けていくような音だった。


〈混乱〉は何か異物を見るような目をして動きを止める。


「ーーーーーーーー」


その声は私の後ろ、リィナの隣から漏れている。


「ヒヒ、何でかな?」


「ーーーーーーーー」


私が振り向くのとその手がピクリと動くのが同時だった。


「何で、何で心臓が無いのに生きてられるんだよお!!」


〈混乱〉が叫ぶのと同時に彼女は起き上がる。


ゆっくりと、そして確実に。


「ーーーーーーーー」


ただ口元から空気を漏らすだけの彼女は、その問いに答えることはなく、静かに笑っただけだったーーーー。


連投なので今回の後書きは略します。


次は一時間後ぐらいですw

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