体を蝕む〈負〉の感情。
いや、テスト長かったです。
日曜を挟んでって……。
本日よりチョクチョク投稿を開始します。
待っている方(いるとは思いませんが……)スイマセンでした!
意見、感想待ってます。
あれ……?
どこだココ?
見たことも無い真っ白い何もない空間に私は突っ立っていた。。
私は確か〈混乱〉が呼び出した魂たちの前に倒れて。
それで最後に見えたのは、あの不気味に笑う奴の顔。
それから胸の辺りに気持ちの悪い感覚がして……。
あ、死んだんだ……私。
大して悲しくもない、もとより死にたがっていた身だ、だけど。
最後ぐらい幸せに死にたかったな。
会長は助けてないし、霞やリィナに挨拶ぐらいしたかった。
今思えばホントに最近は災難だった。
リィナが突然現れて〈力〉を与えますとか言って、女の子になったら何故か襲われるし。
霞は何だか途中からキャラ崩壊して変態になっちゃったし。
楓さんは……うん、大人の経験フル活用。
会長だって人でなしの鬼畜変態野郎だし。
駿河くんは優しくて唯一の常識人。
キモオタは(略)。
雛宮さんはちょっとおかしな所もあるけれど、私の世界で一番好きな人。
そんな人たちに囲まれて、私は生きてたんだ。
あれ……?
おかしいな……。
やっと死ねたはずなのに。
ずっと前から望んでいたのに。
どうしてこんなにも涙が止まらないんだろう。
あんなにも死にたいと思っていたのに。
今は死ぬのがひどく悲しい。
死にたくない。
まだ皆と生きていたい……。
嫌だよ、もう会えなくなるなんて。
こんな終わり方ってない。
不幸ってこういうこと?
皆のいる世界から自分一人だけ切り取られて、皆だけで生きていく。
取り残された私は何も出来ずにただそれを見つめるだけ……。
なんて救いようもない、残酷な人生。
「だったら、殺されたことをリセットすればいい。心臓を作り治せばいい」
阿呆か、お前。
そんなことは出来ないんだろう?
「出来るさ。それなりの代償を貰うがな」
大体何だお前。
黒い姿してるじゃないか、死神か何かだろ。
地獄に連れていくなら早く連れていってくれ。
「お前は俺に身を任せるだけで良いんだ。そうしたら俺がお前を生き返らせてやる」
体は俺のもんだがな、とか言うんだろう?
ありがちな古い手使ってんじゃないよ。
嫌に決まってるだろ。
「いや、あの二人を倒したら別に返してやっても構わない」
……。
…………。
………………。
ホントに言ってるのか?
「ああ、どうだ?」
出来ることなら生き返りたい。
お前は誰なんだ、何でそこまでするんだ。
「お前だよ、浬南。その内気付くときが来るさ。お前の弱いところが俺なんだ」
意味分かんないよ、どうしてこんなにも生きたいと思うんだろう。
喉なんてあるわけないのにカラカラと焦燥感が襲う。
「契約は受理したと受け取っておく。さあ、体の力を抜け」
直後、私の体を繋ぎ止めていた何かが解かれた。
「安心しろ、浬南の悪いようにはしないよ」
懐かしいような、どこか昔に聞いたことのあるような声がした。
暖かで、安心する声。
ああ、この声は俺のーーーー。
「鈴!!起きて……死なないで下さい!!」
「無駄だってばあ、心臓取り出したんだから神様の力でも生きれないさ」
リィナが必死に鈴ちゃんの体を揺すっているのが分かる。
「人はな、死んだら生き返れないんやで!?」
銃口を〈混乱〉に向けていた私は叫んだ。
「だから?」
〈混乱〉は興味の無さそうに首を傾けた。
その右手にはある何かが一定の速度で動いている。
「ほら、綺麗な赤色。彼女はまだ生きている」
心臓だった、誰の?
分かってるくせに。
小さく鼓動するそれは鈴ちゃんの体から抉り出されていた。
「ああぁ……あぁぁあああ!!」
見たくない、そんなもの見せるな。
私は持っていた銃を持ち上げ、ヘラヘラと笑っている〈混乱〉に銃弾を撃ち込む。
ただひたすらに。
まるで当たっている気がしない。
現に〈混乱〉は撃たれ続けながらも笑い続けている。
「笑うなぁあああ!!」
最後の一発、それを不敵に笑う顔に叩き込んだ。
ビクリと一瞬だけ痙攣するが、やはり〈混乱〉が倒れることはなかった。
「〈混乱〉、遊ぶのも大概にして下さい。私たちの目的は神の力と永遠の命でしょう?」
「ヘイヘイ」
身体中に穴が空いているのに気にしていない〈混乱〉に〈転換〉は話しかけた。
壊れている、そうとしか思えない。
私は脱力して、涙を流すことしか出来ない。
「それじゃ帰るとしますか」
「ああ、それと目撃者は殺してくるようにと聞きました」
「何だよ、早く言っとけよ」
私たちに向き合うと〈混乱〉は溜め息を吐いた。
殺される、その感情だけが私の中身を支配していた。
リィナはただ呆然としている。
「ーーーーーーーー」
始めは何か空気の抜けていくような音だった。
〈混乱〉は何か異物を見るような目をして動きを止める。
「ーーーーーーーー」
その声は私の後ろ、リィナの隣から漏れている。
「ヒヒ、何でかな?」
「ーーーーーーーー」
私が振り向くのとその手がピクリと動くのが同時だった。
「何で、何で心臓が無いのに生きてられるんだよお!!」
〈混乱〉が叫ぶのと同時に彼女は起き上がる。
ゆっくりと、そして確実に。
「ーーーーーーーー」
ただ口元から空気を漏らすだけの彼女は、その問いに答えることはなく、静かに笑っただけだったーーーー。
連投なので今回の後書きは略します。
次は一時間後ぐらいですw