男女比〈0対4〉デート。 その⑥
あり得ないぐらい短いです、今回。
エピローグ的に一区切りなのでどうかご容赦を。
ではどうぞ↓↓
その後は何事も無かったかのように演奏が始まった。
綺麗な音色が広いホールに響き渡る。
と数分もしない内に内股に手が突っ込まれた。
「っ!……」
「さっき(前話)〈俺〉って言いましたよね?」
「ちょ、ひど……んん」
不可抗力だろ、それは。
あ、ナイス霞。
そのまま連れていって下さい。
何?
抜け駆けとか聞こえたぞ?
「ひ、雛宮さんは?」
「席変わってって言ったらあっさりと」
「まあ、三人で愛を育もうや」
「嫌だ!」
「「何で?」」
戻って来れなくなるに決まっている。
少なくともリィナが霞をそうしてしまったように。
「席に戻れ!!」
近くの観客たちが何人か振り向いた。
はい。
すみませんでした、大声出して。
二人はいつの間にか元の席に戻っている。
ち、畜生。
私だけに罪を擦り付けないでくれ。
ちょこんと隣の席に座る雛宮さん。
「演奏綺麗だね」
「うん」
ああ、そんな笑顔で話しかけないでよ。
心臓がどうかなっちゃいそう。
やがて全てのプログラムが終了して会場を出た。
「ほなな」
「さようならー」
「うん。さよなら」
「バイバイ☆」
後は大したイベントも無く、適当なファストフード店でお開きとなり、幸せなひと時に別れを告げた。
さてと、リィナに色々と聞かなくちゃいけないことがあるがそれはまた今度にしよう。
何か疲れたし。
私は夕日に染まった空を仰いで溜息をついた――――。
「予想通りだったけど、まさかここまでとはね」
鬼たちが弱いと分かっていて鈴たちを襲わせた。
運が良ければ〈力〉が手に入るんじゃないかと。
それでも核以外が一瞬で消されるとは思わなかった。
楓は暗闇に向けて声をかけた。
「失敗だよ、君」
「そんなの想定内じゃない、あなたには勝てないわ、楓」
「負ける気は無いんだけどな、次どうしよっか?」
「〈混乱〉(パニック)と〈転換〉(トレース)でも出したらどうかしら」
「分かった」
姿は見えないが確かに少女の声がする。
「…………」
「どうしたの?」
「綺麗な声だなって」
「……馬っ鹿じゃないの?」
「うん」
「肯定してんじゃないわよ、馬鹿」
「うん」
「あーもう!どうしてそんなに自虐的なのよ」
「はは、何でだろうね」
「ほんとにもう」
少女は呆れたように闇の中でうごめいた――――。
作 者「ラノベで言うならここまでが一章です、たぶん」
リィナ「気付きました?いつの間にか鈴ちゃんの一人称が〈俺〉から〈私〉になってます」
霞 「暇な人は読み返してもいいかもな」
鈴 「わた……俺っていつまでこのままなんだ?」
リィナ「ああもう、無理しない」
鈴 「嫌だい、わた……俺は男なんだ!!」
作 者「さあ、次回予告の時間だ~」
鈴 「私のことは無視かよっ!……あ」
霞 「染みついとるな、遺影☆」
リィナ「この調子です☆」
霞 「次回は〈鬼〉とか〈力〉とか世界観をどうにかするみたいや」
リィナ「この世界ボロボロですもんね」
鈴 「素人に完ぺきを求めてはいけないです」
作 者「…………」
リィナ「気が付けば十話目ですね」
霞 「ほんまかいな、いつまで続くんやろな」
鈴 「作者が精神的にくたばるまで?」
リィナ「只でさえ文章力無いくせに頑張りますね」
作 者「酷い……事実だけど」
霞 「誰かこの小説の挿し絵書いてくれんやろか」
鈴 「無理でしょ、こんな駄文」
リィナ「自分で描け!駄作者め!!」
(たび重なる罵倒により作者逃亡)
鈴 「あ、逃げた」
霞 「ほっときや」
リィナ「はい。感想や意見、指摘に誤字等々ありましたらよろしくお願いします☆」
鈴 「それでは、また今度!」
霞 「ほなな~」