笑顔の〈神〉に殺される。
勉強の間に書いたりしてる、暇人による小説です。
あんまりうまくはないので、アドバイス、感想、要望などなどをくださると嬉しいですし、励みにもなります。
更新はあんまり速くない……です、すいません。
PS 消えていた分の修復が完了しました。
待っていて下さった方々(いないと思いますけど……)これからもよろしくお願いします!
最悪だった――。
幼い頃から両親は仲が悪く、ケンカが絶えない。
殺してやる、とか罵りながら物を投げ合う始末だ。
当然、顔を合わせない二人は、日に日に積もるストレスを俺にぶつける。
祖父母は死んだ。
無駄に余った金は使い込まれ、今ではそれも尽きかけている。
どうやって知ったのか、もう学校には広がっていて、陰湿なイジメが始まった。
初日は画鋲が上靴に。
次の日は持ち物にラクガキが。
最後には机が消えて、名簿の名前すら消えた。
さすがに教師が気付いて、誰がやったんだ、と問いただしたが分かるわけもない。
死にたい――――。
こう思うのが普通だろう。
けれど、《死ぬ》ということが怖い俺にそんなことはできない。
ハンガーラックにロープを掛けて、首を吊れるようにした。
首吊り自殺用具を作って半年になる。
今日も俺はロープの輪を前に、椅子から足を離せずにいる。
「はあ……」
いつだって死ねるのに、死ねない。
あきらめて椅子から降りようとして、俺は転げ落ちた。
何故かって?
「パッパラパ~♪おめでとうございます!茅ヶ崎 浬南さん」
とか突然部屋に現われた白い羽のある少女が口でファンファーレを言ったら誰だって驚くだろう。
これは……アレだ、うん。
俗に迎えが来たってやつだな。
おお、半年経ってやっと死ねたのか、俺。
案外死んだのって気付かないもんだな。
「な……何全てが終わった、みたいな顔で、白くなってんですか!?」
「や、気にすんな。それより俺は天国、でいいんだよな?」
「はい?えと、あなた死んでないですよ」
「……は?」
「だ~か~ら~、死んでないですよ?あなた」
……。
オーケー、状況を考えようか。
俺は今日も自殺しようと椅子に乗った、ここまでは良い。
降りようとして、少女が現れ、椅子から落ちた。
とどのつまり、落ちた。
運良く首がロープに掛ったわけでもなく、ただ落ちた。
ロープを見ても俺の死体なんて無い。
つまり――――。
「やばいな、俺。羽根の生えた少女が見える。精神病院に行くか」
「ええ!?私は幻覚ではないですよ!?」
「……これは重症だ、幻と会話ができる」
「うう……どうしたら」
「そうだな……服脱げ!」
「……変態っ!!」
「そうだとも!男は誰しも心に――――グハッ!!」
思い切り少女に殴られた。
「くっ、やはり無理か」
「当たり前です!」
幻、ではなさそうだ。
信じろと言うほうが無理だろう。
だが、現実に少女はそこに存在しているようだった。
「私はですねえ、不幸なあなたを救うための神様なのです!!」
「はー、さいですか」
「あまりに無感動な少年がいる……私は持てる力全てを使い、少年を更に不幸のどん底に……」
「黒いな、お前」
「と冗談はさておき、本題に入りましょう」
「…………」
こんなのが神様でいいのか、案外アバウトだな。
少女の描写が欠けているため、付け足すが、美人、以上。
足りない?
そうだな、銀髪の腰まで届くロング、背は160センチ程。
白いワンピースから白い翼が生えた全身を白でまとめた感じ。
肌はきめ細やかで、顔は人形のように整っている。
俺とは一生交わらない人種の人物、いや神様か。
興味など無いだろうが俺は至って普通の高校生、不幸って以外な。
背は170センチぐらいで、髪は黒色の狼ヘア、手入れとかしないし。
服なんてそこら辺で売ってるTシャツにジーンズだ。
「もしも~し、誰に語りかけてんですか?」
「それは不問にしてくれ、ええと」
「神様に名前はありません。そのまま神様とでも呼んで下さい」
「じゃあハ○ヒ」
「それは著作権上問題があるかと……」
てか知ってんだな、神様。
「リィナ」
「それで良いです」
「で、何がおめでとうなんだ?」
「あなたは世界で最も不幸な人間として選ばれました」
「……さようなら」
「ちょ、まだ死ぬには早いですって!」
何が世界で最も不幸な人間だよ、んなもん外国にいくらでもいる。
とりあえずロープに首を掛けるのは辞め、ベッドに座った。
「ああ、何と不幸なこの人生、私より偉~い神様は哀れみ、こう言いました。お前ちょっとこいつの人生変えてきてくれる?」
リィナから何か黒くてドロドロとしたものを感じる。
「こっちの身にもなれってんだ、私は楽しみにしていたアニメやゲームをやろうと仕事を一生懸命にやってたのに、それがなんだ。軽いんだよ!」
神様って案外人間味があるものなのかもな。
「そんなわけで私はあなたに力を与えます。《世界を好きにできる力》です」
「……は?」
ちょっと待て、話がぶっ飛んだぞ。
《世界を好きにできる力》?
何だそれ?
人生変えてこいって言われて、与える力強すぎだろ。
リィナがどこから出したのか変な形をしたナイフを持っている。
何だ、嫌な予感しかしないぞ。
気持ちの悪い汗が背中を流れる。
え……笑顔で近付くんじゃない。
じりじりと部屋の隅まで追いつめられる俺。
「……ま、待ってくれ」
張り付いた笑顔がやけに怖い。
「一度死にましょうか♪」
ずんと胸の辺りに衝撃が走った。
わけが分からない。
ああ、でも……これで、死ね……る。
俺の意識は段々とブラックアウトした――――。
浬南「おおい!!俺殺されたじゃねえか」
作者「大丈夫だって、これで死ねるとか言った時点で生き返れるさ」
浬南「……まあ、いいけど」
作者「そんなことより次回予告!」
浬南「遅刻してしまった、俺!」
作者「朝から、何かの違和感がっ!」
浬南「リィナのせいでもうめちゃくちゃ!」
作者「女子の着替えを覗いた浬南はどうなるのか!」
浬南「ええっ!?」
作者「こうご期待!!」
浬南「感想待ってます!」