第1話 1189年3月
最後に暴れる主人公書き加えといたので読みたい人は読んでみてください。
混乱は、すぐにすべてを理解させてくれるものじゃなかった。目が覚めたばかりの俺には、前世の記憶が、それが何なのかもわからないまま、ごちゃごちゃした情報として流れ込んできた。ただ、目の前の景色が、まるで夢か、すごくリアルなVRゲームみたいだと感じただけだ。
「……うわ、なんだこのグラフィック。妙にリアルだな。新作のVRMMOか? 没入感がハンパねぇ……」
いやいやそんなわけがない。あとさっきまで死んでたはずなのに、なぜここまで落ち着いてる。これは転生補正か?でないと説明がつかない。
幼い体から出る、弱々しい声。その声すら、どこか遠くから聞こえるみたいだった。
そして、鏡に映った自分の姿を見た時、レイは全部を理解した。
「……マジかよ。転生……? しかも、子供に戻るって、これなんてラノベだよ」
俺の急な言葉に、隣にいた見慣れない青年は、目を丸くして固まった。
「ら、ラノベ? て、転生? レイ、何を寝ぼけたこと言ってるんだ? 頭でも打ったのか!?」
青年はそう言いながら、困った顔で俺の顔をのぞき込んだ。その手のひらの温かさに、これが現実だと、少しずつ実感していく。周りの大人たちの言葉も、最初から意味不明な呪文みたいだったけど、日が経つにつれて、その音が意味を持ち始め、景色もはっきり見えるようになった。
約1ヶ月が過ぎた頃、レイはだんだんと状況を理解し始めた。自分の名前はレイ・ヴァリスこの街に住むただの子供だ。この世界では人間と魔族が対立しているようで、やけに男の数が少ない。人々の会話、兄アレンの行動、そしてこの場所の厳しい現実が、少しずつ彼の頭の中でつながっていく。
ある日、レイは街の裏にある、小さな山の上へと足を運んだ。荒れた地面を踏みしめ、息を切らしながら頂上まで登りきると、目の前には広大な空が広がっていた。夕焼けに染まる雲が、どこまでも遠く、そして、この世界が、紛れもない現実であることを、改めて俺に突きつけた。風が頬を撫でる。その冷たさが、前世の記憶と、今ここにいる自分との隔たりを、はっきりと感じさせた。
「本当に……来ちまったんだな、異世界……。」
目の前に広がるこの世界の美しさと、その厳しさが、俺の心に新しい火を灯す。もう、迷いはなかった。
「もう、過去の俺じゃない。ここから始めるんだ俺の本当の人生が。」
レイは、その小さな拳を強く握りしめた。彼の瞳には、幼いながらも、鋼のような固い決意と、未来への確かな期待が宿っていた。
「ってことでまずはステータスの確認だ!俺はチートでこの世界を支配しハーレムウハウハ人生を過ごすんだ!!ステータスオープン!ステータスオープン!ステータスオーープン!!....何で開かねぇチクショーが発音が違うのかな?ステータ.........」
このあと近くの住人にうるさいと言われアレンにめちゃくちゃ説教されましたとさ。