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極悪辺境伯の華麗なるメイドRe  作者: かしわしろ
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華宴:舞踏宴1

正午、多くの観客がいる中で開会式が始まる。一日目から三日目までは予選、四日目から六日目までは本選ということになっている。ちなみに最終日は準決、そして決勝戦だ。


「さあ今年もやってまいりました!グルンレイドの美しきメイドたちの熱い戦い!舞踏宴の開催です!」

盛大な歓声とともに舞踏宴が始まった。この光景は初めて見る人にはかなり衝撃的だろう。貴族と平民が同じ観客席で観戦をしているのだ。ご主人様は、『平民と一緒は気に食わん!という貴族は追い返せ』という方針だ。さすがにヴィート家のような大貴族は特等席が用意されているようだった。


「まずは舞踏会の総責任者、イザベラ・マリー・ローズ様のご挨拶です。」

毎年メイド長の挨拶から始まる。『奴隷が責任者とは何だ!』という貴族がもし現れたとすれば、すぐにこの場から消えることだろう。


「皆様、舞踏宴のために足を運んでいただいたこと、感謝申し上げます。わがご主人様、ジラルド・マークレイブ・フォン……」

貴族と平民、王国と共和国さまざまな立場や人種がいる中で、いざこざがゼロというわけにはいかない。そんなときのために『警備隊』が編成されている。主にグルンレイドの見習いメイドたちである。見習いといってもかなりの実力がるので、パーティを組まれてしまえば私も太刀打ちできないと思う。


「……となります。それでは舞踏宴をお楽しみください。」

拍手が会場を包み込む。メイド長のスピーチには舞踏宴観戦と注意事項も含まれていた。メアリーさんが結界を張ってくれているとはいえ、百パーセント安全とは言えない。けがをする可能性があるということを伝えていた。


「それではさっそく第一回戦を行います!選手の方はご準備を!」

私は個人戦、トーナメント形式の審判を行う。見習い同士の戦いはまだしも、ローズ同士の戦いは本当に大変だ。

マリー・ローズの審判はメイド長やほかのマリー・ローズの方がやってくれるので心配はない。マリー・ローズ同士の審判をやるなど命がいくつあっても足りない。


--


「おっと、先に登場したのは見習いメイド、オリビア!」

雇われている司会の方が、元気に叫ぶ。青色の髪が印象的な見習いメイドだ。オリビアは何事にも興味を示す明るい子である。仕事の手際もかなりいい。


「よし!一回目からヴァイオレットさんだ!」

……やはりメイド見習いは好戦的で困る。格上の相手にも躊躇なく戦闘を申しこむその姿は、闘志に満ち溢れていた。


「そして次に登場するのはこの方!ヴァイオレット・マリー・ローズ!」

腰に剣を下げて堂々と歩いてくる。


「よろしくな、オリビア。」

「こちらこそ、よろしくお願いします。」


「それでは、開始!」

これはオリビアが大けがしないようにすることを考えていれば大丈夫だろう。


「ヴァイオレットさん!全力で行きますよ!」

「ああ!」

そういってオリビアも腰にある剣を抜く。


「華流・花かんざし!」

「華流・水凪」

オリビアの攻撃をいとも簡単に受け流す。ヴァイオレット様に剣で挑むというのはほぼ勝ち目がないということに等しい。が、ここのメイドたちはこぞって剣で挑んでいく。


「いい腕だ!」

「光栄です!」


「私からもいくぞ。華流・かなきり!」

「華流・剪定!」

それをオリビアが剣で受け止める。魔法によりエネルギー拡散させる。


「んっ……!」

が、拡散しきれずに剣を通り越してオリビアの方に深い傷が入る。


「まだです!」

切られた腕の痛覚を遮断、回復させながらさらに攻撃を続ける。……私はこのようながむしゃらな戦いはできないな……でも結構好きだったりする。


「華流・空蝉」

ヴァイオレットさんの後ろを取る、が

「っ……!」

丁度そこにヴァイオレットさんの剣先が置かれていた。


「そこまで!」

私がそう宣言する。そうして二人の戦いは終わった。見習いでヴァイオレット様の攻撃を一撃でも止めていたのはすごいと思う。オリビアには剣の才能がある。


「ヴァイオレット様、また時間があったらお相手してくれませんか!」

そういって頭を下げていた。


「もちろんいいぞ。」

それにヴァイオレットさんが笑顔で答える。会場は大きな拍手に包まれた。

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