表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
極悪辺境伯の華麗なるメイドRe  作者: かしわしろ
42/291

魔界編:魔王城4

初めて感じる『恐怖』というものに戸惑っていると、急にそばの空間が歪みメイド服を着た人間が出てきた。


「これはどういう状況でしょうか?ご主人様。」


その後に続いて四人の人間が出てくる。こやつやつらもあの恐ろしき人間の仲間なのだろうか。……そのうちの三人は勇者ではないか。


「魔王らしいのだが、私の目が欲しいといってきてな。」

「それは万死に値しますね。」

そういうと、黒髪のメイドが異空間から剣を取り出す。


「っ!」

わしはすぐに体中の魔力障壁をさらに分厚くして、戦闘態勢を取り直す。


「そうだな。こうしよう。」

わしとメイドがにらみ合っている中、唐突に話しはじめる。私の発動した炎はすでに消えていた。


「今からお前は一人の勇者と戦ってもらう。それに勝ったら私はおとなしく帰るとしよう。」

「か、勝手に決めるでない!」

「ほう、ならばこのまま戦いを続けるか?」

魔力密度がどんどん上がっていくのが感じられる。


「ま、待つのじゃ。本当に勇者を倒したらきさまはいなくなるのだな?」

「約束しよう。」

「し、仕方あるまい。その条件をのんでやるのじゃ。」

またしても黒髪のメイドがこちらをにらんでくる。


「生意気な口を……」

「よい。」

「……失礼いたしました。」

そういってメイドが剣をしまい、後ろへと下がっていく。


「アイラ、ディアナ。この戦闘をよく見ていろ。」

三人いる勇者のうち、二人に語り掛ける。


「では、行け!マーク!」

「やっぱ俺ですよねぇぇぇーーー」

魔法によって私の前に一人の男が投げ飛ばされた。


--


終わった。いや、終わりが始まった。


俺は勇者だ。もちろん地上の魔物を倒したり、賊をやっつけたりするってのは分かる。勇者が魔王を倒す!というのも、おとぎ話ではよくあることだ。だが、


「いきなりはないだろ!」

「マーク、ご主人様の命令です。従いなさい。」

魔王より恐ろしい存在がこちらをにらんでいては、従うほかないのだ。ボスやメイド長はそこに立っている魔王だって、呼吸をするよりも簡単に消し飛ばしてしまうのかもしれんが、俺は無理だぞ?


あの魔王、見た目こそ幼女だが、強さで言ったら魔界最強だ。グルンレイドのマリーローズとまではいかないまでも、ローズくらいの強さは絶対にある。俺も本気を出さなければ、ただでは済まないだろう。


「ヴィオラ、俺の骨は拾ってくれよ。」

「かしこまりました。」

……おい、もう少し応援してくれてもいいんじゃないか?


それと、魔神化した姿の特徴をヴィオラから聞いたことがある。俺の目にはその特徴にピッタリと重なる姿が見えているのだが。最初から最大出力ってことだよな?普通、最初は様子見があってから徐々に……


「勇者よ、初めまして。そしてさらばじゃ!」

「ちょ!ま、まて!いま考え事を……」

魔王と勇者の戦いが始まってしまった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ