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追放殿下は隣国で、セカンドライフをおくります! 〜良い人過ぎてセルフ追放。だけど良い人だったので、ケモミミもふっ子と楽しく暮らす〜  作者: 野菜ばたけ
 第三節:さぁ冒険に出てみよう

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第47話 魔法使い……たいクイナ



「クイナが魔法、使えるの?」

「実はもう使ってたとしたら?」

「えっ」


 俺の言葉にクイナはひどく驚いた。

 まぁそうだろう。

 夢のようなものだと思っていた力を自分が使ってたと言われれば、驚かない方がおかしい。


「でもクイナ、使ってないよ?」

「使ってたぞ? さっき、スライムが破裂した時」

「そぉなの?!」

「ぅおうっ!」


 俺が教えてやった瞬間、クイナは耳をピピーンと立たせ尻尾も一緒にビビビーンと立たせ、なんと俺に掴みかかってくる。


「いやまぁ厳密に言えば、魔法の行使じゃなくて魔力の行使なんだけどな!」


 だからどうどう……とクイナをちょっと落ち着かせて近くの大きな石に座らせ、俺もすぐ近くの意志に座ってから小さく「ふぅ」と息を吐いた。



 通常、スライムがあんな感じで爆散するような事は無い。

 が、例外が一つある。



 あの瞬間、クイナの魔力はかなり跳ね上がっていた。

 それこそ普通の人ではあり得ないような魔力を瞬間的に放出していた。

 そのせいで、スライムはその魔力濃度に耐えきれなくなりパァンと破裂してしまったのだ。


「クイナは元々の内包魔力の総量が多いみたいだな。まぁそれも外に練り上げられないと魔法に変換できないんだけど、気持ちが高ぶると勝手に練り上げちゃうらしい」


 因みにさっき興奮のあまり掴みかかってきた時にも魔力がかなり漏れ出てたので、気の高ぶりと関係あるのは間違いない……と説明しているんだが、クイナはちゃんと聞いてるんだかいないんだか。

 

「まっほうーまっほうー♪」とウキウキしながら石に座って足をブラブラさせている。

 見るからにご機嫌だ。


 が、ここで残念なお知らせ。


「でもなクイナ、魔力の放出が無意識になっている内は、何度チャレンジしたところで魔法は上手く使えないし、スライムは爆散する」

「まほ……」


 ウキウキ声が、途切れてしまった。


「クイナ、甘くておいしいスライム、食べれない……?」

「いやまぁ俺が捕まえれば今すぐにでも食べられるけど」

「クイナ、自分で捕まえたいのー……」


 肩をズゥーンと落とした彼女に、俺は思わず苦笑い。

 まるで世界が終わるような落ち込みようだが、そんなに落ち込む必要はない。


「ならまずは訓練だな」

「訓練、なの?」

「そう。魔力の放出を自分でコントロールする訓練だよ」


 スライムを一瞬で爆散させるほどの魔力を一度に練れる人は、かなり少ない。

 しかしそれだけ、ちゃんと訓練さえすれば多くの魔力を一度に操る事が出来るという事だ。

 つまりクイナは、稀な魔法の才を持ってる。


 コントロール出来るようにさえなれば、クイナの「魔法を使いたい」という願いも「スライムを自分で捕まえたい」という願いも両方叶う。


「クイナに出来るかな……」


 両手をキュッと握りしめ、地面を見つめてクイナが言った。

 やはりクイナの中で魔法は、特別な何かなのだろう。

 が、そんな彼女に俺は言う。


「出来るさ。だって俺が出来るくらいなんだから」

「アルドが……?」


 期待と不安がない交ぜになった瞳で縋る様に見つめられ、俺は「大丈夫」と言って笑う。


「俺も内包魔力が大きくて昔はちょっと大変だった」


 スライムを爆散させた事は無いけどな。

 そう言った俺は、しかしレングラムから笑い交じりに「きっとスライム爆散し放題だろうなぁ?」と言われた事があるのは確かだ。


 王族の血筋のせいで元々そういう体質なのだ……という事までは流石に口にするわけにもいかなかったが、そのせいで魔力制御を覚えるまでは魔力抑制用の腕輪を常に付けていないといけなかった。

 外してしまうと所構わず無意識に放火して回るような子供だったのだ、物騒な事に。


「だからクイナも頑張れば、俺と同じくらいには魔法を使えるようになる。その為には、もちろんクイナも頑張らないといけないけど……」

「頑張るのっ!」


 シュバッと右手を上げたクイナは耳も尻尾もピンとしていて、全身で手を上げている様な感じだ。

 そのやる気に俺は「これなら大丈夫そうかな」と思う。


「じゃぁ今日はとりあえず帰ろう。で、数日は魔法のお勉強をしような」

「はーい!!」


 という事で、俺は人生初の誰かの『先生』になったのだった。



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<追放殿下は隣国で、セカンドライフを決意した。
 〜モフっ子と2人でまったりと『長年の願い』を叶えていきます!〜>




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