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これを送ればどんな遅刻も許されるでしょう

作者: 唄兎

臭いものには蓋をしろって言いますが、蓋のサイズが合わないとか臭いものが溢れて閉まらない時だってあるでしょう。

 何かを考えていたら次の駅まで勝手に揺られていた。近頃、世間では小さいことを大袈裟に騒ぐことが流行っているようだ。この晴れた空の下で、濁流の波に乗るように目まぐるしく人が流れていく。私も普段から忙しく経済の動向には耳を傾け、若者の流行には敏感にアンテナを張り巡らしていたが、ふとまとまった余暇に私は私を見るために、目を天井に貼り付ける。するとまた考えたくもないような自分の汚点が綺麗に浮き彫りとなり、私は恥ずかしくて耳にイヤホンをねじ込み瞼を落とす。今日はせっかくの休みである。そんな日に忙しくなりたいものなど稀有な存在で、私はマジョリティーの安定圏にいる。無論、私は自分の余暇というコルクボードを銘々自分の好きなことで埋め尽くしたい。私の中の「忙しい」の定義は自分のしたくもないことに対し目を凝らし耳を澄まし足を運び頭を撚り考えることであると解釈している。だから私はSNSで誰も聞いていないことに自分の見解を述べる大衆に対し、さぞ暇を持て余したヒトなのかくらいに思って眺めている。これは皮肉でもなんでもない。私の誰も必要としていない見解である。暇なのは神様も一緒である。そろそろ銀河の向こう側では人間の自動製造機を導入され、ランダムモードでこの世界に生命を落としているに違いない。皆様のご想像通り、その横で横になっていらっしゃるのが神様です。たまに気が向いた時、美しく手を加えるのが趣味なようであります。プロローグからは以上です。

 まずは紛れもなく純ランダムマシーン産の私が母の腹かどこかに置いてきてしまったものを紹介しよう。私はこう見えて人からしっかりものに見られるきらいがあるらしい。単刀を直入に言わせていうと私は紙が嫌いだ。字面なら伝わるだろう。どうか同じ音に生まれてきてほしくなかったと声を大にして吠えたいものだ。この杜撰な書類管理能力が私のこの荒んだ心の中を造ったことは明白である。いつか手帳を買ったのはいいものも必ず毎日見る習慣はつかず、春から春になろうとしている。手帳は今年の二月と共に役目を終えようとしている。必ずこの後すぐに私の反省を綴らせていただくので、この手帳をあなたとして褒めさせてもらいたい。お疲れ様と。一年と定められていたはずの契約を二ヶ月も延長し、私の予定の成文化に一役買ってくれたあなたには本当に感謝したい。あなたの懐の深さには下がった頭が上がらないが、私の懐は寂しく残業代は諦めて頂きたく思う。ところで話を本来あるべき所に戻したい。冬の朝は美しい顔の裏に不気味な笑みを浮かべているものだ。本当はベッドに張り付くその身を起こし、待たされ人を尋ねるという責務を果たすべきであった私はどうだろう。まんまと冬の対応に忙しくなった。この世から少し離れた意識の園で私は約束を忘れていた。つまりは計画の頓挫である。いと情けなし。冬が飽きたのか、私が満足したのか定かではないが俗世に我がかえされる。それは元来見るべきだった壁掛け時計の長針が一周した頃であった。いかんせん情報処理の能力には長けていた私はすぐに気づく。その場で悔い改めること避けられず、寝癖の三次関数をくしゃっとして考える。欠けたところは補い、いかん線は切らねばならない。わかっている。私の長けたとこも教えたろう。ここはただのごめんなさい。前日には、神様が腕によりをかけて生み出した素敵な彼女と余韻が感情を揺さぶるほどの思い出を残した。君にありがとうの裏側で彼にはただのごめんなさい。約束の切れ目にできた友情のアザに謝罪という軟膏を塗らせてほしい。ただのごめんなさい。しかしながら、ここまで誰にも聞かれていないことを長ったらしく述べてきたようだ。断言しよう、私は暇を持て余している。最大のアイロニーを、ヤジを、罵倒をどれだけ私に浴びせてもらって構わない。気を鎮めるためにただのごめんなさいをもう一度。結局焼け石に水か火に油になりましょう。ここで貼り付けた目を片付け、伏流の中をまた忙しく進んでいくとする。次の駅に着いたようだ。


皆さんのオススメの音楽を教えて頂きたい。

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