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勇者の師匠は遊び人っ!?  作者: 笠井 裕二
遊び人と勇者の出会い編
3/62

勇者アイザワ・トモキの憂鬱 1

続きです。



◇◆◇



「クソッ!?サイフがねぇっ!?」

「どこかで落としたか、誰かに()()れたか・・・。どっちにしても気を付けなきゃダメですよ、トモキ殿?ま、幸い私達のパーティーは【クエスト料】を、その都度それぞれ分配していますからそんなに困る事もありませんし、トモキ殿の【力】なら一稼ぎすればすぐ取り戻せますけどねっ!!」

「まぁ、それはそうなんだけどさぁ~・・・。」


そうは言っても、やっぱサイフを無くすってのは地味にヘコむんだって!

この世界(エンドゲイト)の住人であるリタには分からん感覚かも知れんが、【日本】の治安はこちらの世界(エンドゲイト)ほどヤバくなかったからなぁ~。


そもそも、ここ最近俺はこの世界(エンドゲイト)でやっていく自信を喪失しつつあるのだ。

何を隠そう、彼女達“パーティーメンバー”の存在によって。



俺こと相沢智輝(あいざわともき)この世界(エンドゲイト)にやって来たのほ、今から一年ほど前の話である。

()()()()()で傷心中だった俺は、精神的ショックもあったのか、ボッーと歩いてる所に暴走した高齢ドライバーの運転する車が突っ込んで来て、アッサリと命を落としたのである。

人生、何が起こるか分からないモノである。


しかし、俺は不可思議な場所で、胡散臭い【女神様】を名乗る美女と邂逅。


〈胡散臭いとは失礼ですわねぇ~。美女と言うの、なかなか良い表現ですけれど。〉


あの~・・・、人の思考に介入すんの止めて貰えません?


〈あらあら、失礼。〉


・・・、何ともフリーダムだが気にしたらダメだ。

それに、フリーダムと言う点では、俺の“仲間達”も負けてはいないからなぁ、・・・残念な事に。

と、とにかく、知的で見目麗しく、俺の生きてきた中でもトップに君臨するだろう圧倒的存在感を放つ美女と、俺は邂逅を果たしたのをキッカケにこの世界(エンドゲイト)にやって来る事となったのである。(ヤケクソ)



~トモキの回想~



「どこだ、ここは・・・???」

「あら、いらっしゃい。とんだ災難でしたわねぇ~。」

「っ!!!???」


気がつけば、何とも不可思議な場所を歩いていた俺は、一人の美女と出会った。

名前以外記憶が定かではなかった俺に、彼女は“事情”を説明してくれた。


「あらあら、なかなか可愛らしいお顔をしているのね、相沢智輝(あいざわともき)くん。はじめまして。(わたくし)は、八坂狭霧(やさかさぎり)と申しますわ。」

「な、何で俺の名前をっ・・・!?」

「あらあら。これでも(わたくし)、“神性”の端くれですもの、それくらい朝飯前ですわ。そうですわね、貴方にも分かりやすく言うならば、【神様】って所かしら?まぁ、厳密には少し違うのですけれど、大した違いではありませんし、貴方達【人間】には区別のつかない事でしょうけれど。」

「ぅんっ???」

「まあまあ、それは良いのです。記憶が混乱しているでしょうから、一から“事情”を説明致しますわね?」

「はぁ・・・。」


何だかよく分からないが、とにかく俺は彼女の話を聞く事とした。


「まあまあ、それなりに大変な人生でしたのねぇ~。今でこそ日本人の平均より高い身長や身体能力を有していますが、成長期まではちっちゃくてひ弱な少年だった。それをお友達によくからかわれていたのですわね?」

「ぐはっ!!!(グサッ!!!)」

「あらあら、仲の良い幼馴染みの女の子がいるのですわねぇ~?お名前は、仁科恵美(にしなめぐみ)ちゃん。彼女にはよく庇われていた様ですわねぇ~。」

「ぐふぅっ!!!(グサッグサッ!!!)」

「なになに、中学に上がった頃からそれが“イジメ”にエスカレート。原因は、貴方の身体的特徴に加え、恵美(めぐみ)ちゃんとの仲の良さを男子達が嫉妬したから。男子に人気のあった娘なのですわねぇ~。」

「がはっ!!!(グサッグサッグサッ!!!)」

「それでも健気に貴方を庇ってくれた恵美(めぐみ)ちゃんに、何時しか恋愛感情と後ろめたさと情けなさを感じていた。そして、貴方に転機が訪れる。」

「・・・///」

「幸い成長期に入り、貴方の身長は劇的に伸びた。密かに調べていた身体に良いとされる食物もプラスに働いたのかも知れませんわねぇ~。ただ、ひ弱なのは相変わらず。しかし、貴方はここで運命の邂逅を果たす。」

「・・・。」

「あらあら、随分いい男ですわねぇ~。お名前は、浅野龍彦(あさのたつひこ)。・・・チェックしておきましょう。(メモメモ)現代では珍しい真の“武士(もののふ)”ですわね。まぁ、()()()()には劣りますけれど、それは“比較対象”が良くないですわね。(ボソッ)お仕事は接骨院を営みながら、古流武術を教える先生。本人も相当な達人の様ですわね。彼の経歴も面白そうですけれど、ここでは割愛しときましょうか。」

浅野(あさの)先生って、やっぱスゲーんだなぁ・・・。」

「彼のこれまで人生を知れば、貴方の価値観は大きく代わりますわよ?もっとも、すでに貴方は彼から多大な影響を受けている様ですし、すでに()()()()()()()貴方にはこれ以上関わりのない事ですけれど。」

「・・・死んでっ!?・・・えっ!!??ど、どういう事ですかっ!!!???」

「まあまあ、落ち着きなさいな。ここまでは、貴方の半生の強く印象に残っている出来事ですわ。それを刺激する事で、失われた記憶を掘り起こしているのです。けして、面白半分で貴方をイジっているわけではありません。現に、貴方は少しずつ記憶を取り戻しているでしょう?」(すっとぼけ)

「は、はぁ・・・。」


どうやら、なかなかどうして、この【女神様】は()()()()をしている様である。


「続けましょう。“イジメ”による怪我が原因で、貴方は浅野(あさの)さんと接点を持つ事となった。貴方は転んだと誤魔化した様ですが、彼は、貴方の怪我を外部からの暴行による物であるとすぐに看破し、自身の道場に通わないかと提案。別に彼はケンカの仕方を教えるつもりでそう提案した訳ではなく、もちろん、実際にやり返すかどうかは貴方の選択次第でしたが、自分に自信をつけさせる事が彼の目的だった様ですわね。当初は貴方も、後ろ暗い事を目的としてその提案に一念発起した様ですが、彼に師事し、徐々に心身ともに鍛え上げられていく内に、そうした負の感情から解放されていった。浅野(あさの)さんは、指導者()()()()一流だった様ですわね。」

「ええ・・・。浅野(あさの)先生には、感謝しかないです・・・。」

「貴方の【畏れ】の根源は、身体的特徴と身体能力に加え、そこからくる他者とのコミュニケーション方法を歪められた事に起因しますわね。分かりやすく言うならば、他者から自身が劣っていると()()()()()()()()()()がそのまま劣等感に繋がり、その陰の雰囲気が更に他者を苛立たせる事となった。言わば、負のスパイラルに陥っていたのですわね。ただ、本来、()()()中学生程度、よほど特殊な生い立ちでもない限り、その()()()など大した違いはありませんわ。まぁ、閉塞された社会ですと、それが雲泥の差の様に感じるかも知れませんけれどね。」

「そう、だったっすね。あんなに強くてコワイと思っていた奴らも、意外と大した事なかったし・・・。」

「もちろん、専門的な分野では、それぞれに一日の長があるのは当たり前の話ですが、事“戦う術”に関しては、現代の日本では本格的な武術でも嗜んでない限り、そこに違いなどありませんものね。と、まぁ、そんな感じで、少し身体操作を覚えた程度の貴方でも、“いじめっこ”達との力関係が逆転してしまった。当然、報復を恐れた彼らは、貴方を避ける様になりましたけれど、その時には貴方にもそのつもりは無くなっていた。こうして、貴方の暗黒の時代は終わり告げ、貴方は少し自信を持ち始めた。部活動に励むには、タイミング的に無理だった様ですけれど、浅野(あさの)さんに憧れを感じていた貴方は、相変わらず浅野(あさの)さんの道場で汗を流していたのですわね。」

「少しでも浅野(あさの)先生に近付きたかったし、新しい目標も出来たましたからね・・・。」

「目標。そう、恵美(めぐみ)ちゃんに、これまでの感謝と自身の想いを告げる事、ですわね?けれど、それは失敗に終わる。高校に上がった貴方達は、残念ながら別々の学校に通う事となった。しかし、貴方と彼女は幼馴染みで家が近所同士。会おうと思えば、会えるタイミングは何時でもあった。しかし、貴方は多少自信を持ち始めたとは言え、また、客観的に見れば見た目も良く文武共にかなりハイスペックに仕上がっていたにも関わらず、これまでの経験から、考え方が少し卑屈になる傾向があった。高校では、貴方に想いを寄せていた女の子もそれなりにいたのですが、貴方はそれを素直に受け止める事が出来なかった。まぁ、思春期の男子にはありがちな事ですけれど。」

「そう、だったんですか・・・。」

「そして、高一の夏、事件は起こった。恵美(めぐみ)ちゃんが、明らかに陽キャでスポーツマンなイケメン年上男子と、キスしているシーンを目撃してしまったのですっ!!!」(力説)

「グハァァァァッーーー!!!」


あかん、泣きそうだっ・・・!!!(orz)

記憶がフラッシュバックしてきやがったっ・・・!!!(´;ω;`)


「彼女の名誉の為に言っておきますが、当然ながら彼女も一人の【人間】であり、彼女にも男性を選ぶ権利や青春を謳歌する権利がありますわ。それに、貴方の過去の顛末も分かりますけれど、それでも、明確に彼女に対してアクションを起こさなかった貴方にも問題がありますしね。」

「ぐっ・・・、わ、分かってますよ、そんな事はっ・・・!」( TДT)

「それに、貴方の年代の“恋愛事”は、人生の一大事かも知れませんが、長い人生においてはほんの一部分でしかありません。時が過ぎれば、それもただの失恋話で終わったのでしょうけれど、とは言え、その事件に相当な精神的ショックを受けた貴方は、放心状態で歩いていた所に、暴走する高齢ドライバーの運転する車にはねられて死んでしまったのですわ。」

「えぇ~・・・。」


な、情けねぇ~。

ええ、ええ、思い出しましたとも。

浅野(あさの)先生に鍛えて貰った()()()なら、車の暴走程度、難なくかわす事が可能だったハズだ。

しかし、精神の状況は、身体にも影響を及ぼすと散々教わっていた通り、あの時の俺は周囲への注意を怠ってしまっていた。

それにより、暴走車に気付くのが遅くなり、わずかに反応が遅れて、アッサリ死んでしまうとは・・・。


「さて、辛い事を思い出させてしまって申し訳ありませんけれど、これでようやく本題に入れますわ。」

「はぁ~・・・。」(溜め息)

「ほらほら、シャンとなさいな。過ぎてしまった事を後悔しても始まりませんわ。残念ですけれど、貴方の人生は終わってしまいました。しかし、もちろん貴方を“生き返らせる事”は出来ませんけれど、貴方にはまだ“選択肢”が残っていますわ。」

「・・・へっ???」


ドーユーコト?


「元来、人の死とは不可逆なモノですわ。それ故、それがどんなに理不尽な事象でも、(わたくし)達【高次】の存在が、人々の生死にいちいち介入する事など()()ありません。同様に、生前の記憶を呼び起こす様な真似も本来ならしないのです。【システム】上、人々の【魂】は、【世界】へと帰化し、浄化されて、また何時の日か、新たな【生命】として循環するのですから、【未練】を持たれても面倒なだけですしね。貴方にも分かりやすく表現するならば、“輪廻転生”と言った所でしょうか?」

「・・・なら、なんで俺は記憶を戻されたんですか?」

「そうそう、それが本題です。貴方は、“異世界転生”とか“異世界転移”と言った言葉に聞き覚えはありませんか?」

「っ・・・!!!」


もちろん知ってるっ!!!

今でこそ、俺もリア充みたいに振る舞っているが、元々“いじめられっこ”だった事もあり、幼い頃は一人遊びをする事の方が多かったのである。

その流れで、マンガやアニメ、ゲームが大好きだったし(それは今現在もだが)、物語の主人公達に憧れを抱いたモノである。

今考えれば、それは一種の逃避行動だったのかもしれないが、浅野(あさの)先生とはまた別の意味で、そうしたモノが俺に大きな影響を与えた事は否定出来ない事実であろう。

・・・、まてよ?

この話の流れはもしやっ・・・!!!


「そう、貴方には、【異世界】に旅立って欲しいのですわ。」


キターーー(゜∀゜)ーーーー!!


「本来なら、“異世界転生”も“異世界転移”も貴方達【人間】にとっては荒唐無稽な話なのですけれど、【異世界】や【異界】と言うのは実際には無数に存在しますわ。もっとも、その一つ一つは、独立した【世界】ですから、【世界】同士が()()()()など天文学的確率でしか起こり得ない事なのですけれど、残念ながら今現在の地球、もっと言うなら日本と、その【異世界】・【エンドゲイト】は不安定ながら()()()()()()にありますわ。」

「ふむふむ。」

「あら、やけに食い付きましたわね?日本に【未練】がおありではありませんの?」

「はぁ、まぁ、【未練】は当然ありますよ?けど、【女神様】が先程“生き返らせる事”は出来ないと言っていたじゃないですか?それに、先程の言い様だと、この件を拒否すれば、俺は普通に成仏させられるって事ですよね?」

「成仏させられる、と言うのは些か語弊がありますけれど、まぁ、概ね間違ってはいませんわね。それに、前向きになって下さったのは(わたくし)としては有り難いのですけれど、拒否して下さっても結構ですのよ?【異世界】行きを強要するつもりはありませんから。」

「・・・やっぱ、危険な【世界】なんですか?」

「まぁ、そうですわね。日本で生まれ育った貴方には、特にそう感じるかもしれませんわ。その【異世界】は、アニメやゲームの様な世界観と言えば分かりやすいでしょうか?貴方の様な【人間】、【エルフ】や【ドワーフ】の様な【亜人】、【人狼】や【妖狐】と言った【獣人】、【精霊】や【妖精】などの存在も数多く生息しています。もちろん、【魔獣】や【モンスター】と呼ばれる危険な生物もおりますわ。」

「なるほど・・・。」

「もちろん、貴方の例にもある様に、(わたくし)が声を掛けている方々も、生前にすでにある一定レベルの“戦う術”を身に付けている方々に限定させて貰っています。一応、【異世界】に適応する形で、【チート】の様な【異能】を貴方達【地球人】は身に付ける事となりますが、何の心得もない一般人がそんな【力】を授かっても、理解し使いこなす前に死んでしまうのがオチですから。先程も言いましたが、人の死は不可逆なモノです。【異世界】でも死んでしまったら、今度こそその方の人生はそれでおしまい。【異世界】には、回復に関する【魔法】や【スキル】・【技術】はあっても、ゲームの様に都合の良い蘇生に関する術などはありませんからね。」

「ふむふむ。」

「以上の事を踏まえた上で、選択して下さい。

このまま、全てを忘れて“輪廻の輪”に戻るか?

あるいは、危険はあるが、貴方が日本で過ごせなかった人生を、【異世界】で新たにスタートさせるか?」

「・・・あれ?【異世界】行きの事は、まぁ、良いのですが、【女神様】から、何か依頼とか、使命みたいなモンはないですか?ほら、よくある【魔王】を倒せ、とか、【世界】に危機をもたらす【破滅の竜】を倒せ、みたいな・・・。」

「う~ん、一応ない事はないのですが、貴方を【異世界】に()()()()()がある意味(わたくし)の最大の目的ですからねぇ~。まぁ、詳しい事は(わたくし)にも【制約】があるので、貴方に教える事は出来ませんけれど。それに、先程は危険を示唆しましたけれど、最大の脅威であった【魔神】一派はすでに壊滅しておりますし・・・。もちろん、【魔神戦争】終結後の“イザコザ”や、それに伴う様々な影響で、相変わらず危険に満ちた【世界】ではありますが、貴方にも分かりやすい目標となると、【魔神】一派の残党を討伐する、とか、【魔神戦争】の影響で生まれる可能性のある、あるいは復活する可能性のある【神話】や【伝説】規模の【怪物】の討伐、とかでしょうか?まぁ、基本的に(わたくし)向こうの世界(エンドゲイト)の管轄ではありませんから、(わたくし)から貴方に要望する事は特にありませんわね。ですから、貴方の自由に生きて下さって結構ですのよ?上手くすれば、スリルに満ちた冒険や、魅力的な女性達とのロマンス、地球では経験する事の出来ないファンタジーな日々を体験する事も可能ですわ。」

「おぉっ~!!!」


いや、行かない、と言う“選択肢”はないだろう。

もちろん、正直不安もあるのだが、言うなれば()()()ゲームで言う所のプロローグだ。


冒険を始めますか?

はい  ←

いいえ


と“選択肢”が出て、「はい」を選べば新たな【異世界】生活が、

「いいえ」を選べば、日本の日常に戻れる、と言う事はなく、俺は記憶を無くして普通に成仏してしまうのだから。

だから、俺の“答え”は決まっていた。


「【異世界】に行きますっ!!!」

「そうですか、分かりました。それでは、貴方を【異世界】・【エンドゲイト】に送り込みます。ああ、ご安心下さい。向こうの世界(エンドゲイト)では、基本的に貴方は生前と変わらない肉体を持つ事となります。言うなれば“死後転生”、いえ、“死後転移”と言った所でしょうか?まぁ、エンドゲイトには【異能】や【レベル】、【魔法】や【スキル】などと言った【概念】が存在しますので、これまで全く同じと言う事ではありませんけれどね。また、(わたくし)からのサービスとして、所謂【チュートリアル】を教えてくれそうな人物のもとに送りますわ。もっとも、それ以降は貴方ご自身で人生を切り開いていかなければなりませんけれど、それは地球でも【異世界】でも同じ事ですわね。」

「ありがとうございます、【女神様】っ!!!」


神々しい光に包まれる中、俺は期待と不安を抱えながらドキドキと()()()を待っていた。

正直、全てを思い出した俺は、日本に対する【未練】、家族や高校でようやくまともに出来た友達、仁科(にしな)浅野(あさの)先生に二度と会えなくなる事を非常に残念に思っていたが、俺の地球における人生は終わったのだ、と言う事も理屈ではなく本能的に()()していた。

ならば、後ろを振り返っても仕方のない事だろう。

もう、そこには戻れないのだから。


しかし、再び、まぁ、【世界】は変わってしまうのだが、人生をやり直すチャンスがやってきたのだ。

俺は、今度こそ幸せを勝ち取る事が出来るのかもしれない。


「それでは良い旅を。」

「行ってきますっ!!!」


笑顔で手を振る【女神様】に見送られて、俺は【異世界】・【エンドゲイト】の地に降り立つのだったーーー。



まぁ、俺は、この“選択”を後々少し後悔する事となるのだが・・・。



誤字・脱字などありましたら、ご指摘頂けると幸いです。


ブクマ登録、評価、感想等頂けると、作者が調子に乗ります(笑)。

と、言うのは冗談ですが、モチベーションが上がりますので、お嫌でなかったら、どうかよろしくお願いいたします。


もう一つの投稿作品、「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」も、御一読下さると幸いです。よろしくお願いいたします。

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