やはり俺の異世界ラブコメは間違っている
続きです。
先日は失礼しました。
もう一つの投稿作品の更新分をこちらに載せてしまいました。
改めて、ここにお詫び申し上げます。
さて、主人公(笑)サイドの話になりますが、長くなりそうなので分割しました。
最新分の更新は、また執筆が済み次第投稿しようと思います。
◇◆◇
「と、言う様な経緯で、トモキさんは【交易都市・アングレット】を訪れる事になったのですわ。」
「ほぉ~、なるほどねぇ~。だからあの“勇者”くんは、あんなに荒れていたんすね?彼のこれまでの経験なら、【悪】に対して少なからず嫌悪感を抱くのも無理はないっすねぇ~。けど、【小悪党】にまで突っ掛かっていると、彼自身の【評判】の方が悪くならないっすか?」
「いえ・・・。少し言いにくいのですが、もちろん、彼の【正義感】ももちろんあるのでしょうけれど、彼の最近の荒れた行動は、“パーティーメンバー”が巻き起こす騒動の【ストレス】によるモノでして・・・。もちろん、彼も誰彼構わず突っ掛かっている訳ではありませんので、【評判】の方も悪くないのです。この世界では【悪党】に【人権】がない事を彼も理解しているのでしょう。ただ、多少“八つ当たり”気味に、そうした【悪党】を叩きのめす事で、体よく【ストレス】解消しているのは、否定出来ませんわね・・・。」
「・・・はっ???えっ?・・・もしかして、“勇者”くんの“パーティーメンバー”達って、意外と【問題児】ってヤツなんですかっ!?」
「はい・・・。残念ながら・・・。」
「ほ、ほぉ~。」( ̄▽ ̄;)
いや、俺が知ってる“勇者”くんの“パーティーメンバー”はソフィーちゃんだけだけど。
確かに彼女からも、顔立ちは間違いなく美少女の部類に入るのだが、何処と無く“残念臭”がしていたなぁ。
俺がスリ盗った“勇者”くんのサイフを横取りしようとしていたり、パンツ盗った“損害賠償”として“慰謝料”と“口止め料”込みで、俺の有り金を全部むしり取ったり・・・。
いや、後半は俺が悪いんだけども。
もしや、ソフィーちゃん、金にがめついのかもしれん。
しかも、あの様子から、普段からもあんな感じなのかもなぁ。
「ところで、当たり前の様に俺の“拠点”でお茶すすってますけど、狭霧さんこっちの世界の女神じゃないっすよね?・・・その、怒られません?」
「・・・何ですか?ハヤト様の“御願い”を聞いているのは私なんですわよ?遊びに来るくらい、宜しいではありませんか。それとも、私が来ると、その、ご迷惑でしょうか・・・?」
「いやいや、そんな事はないっすよっ!!・・・ただ、俺はいいんですが、狭霧さんほどの存在が、前触れもなく俺に接触しますと、その、この世界の【神魔族】の皆さんが黙っていないんじゃないかなぁ~、と思いまして・・・。」
「あら、こちらの世界の【神魔族】の方々なら、お話が通っている筈ですけれど・・・?もしやハヤト様の“嫁の座”を狙っている仙人と竜神が口喧しくおっしゃってくるのでしょうか?全く、すでにハヤト様の“正妻気取り”とは困った方々ですわよね?」
「いやいやいやっ!!!」((((;゜Д゜)))
止めて下さいよぉ~、狭霧さはぁ~んっ!(TДT)
確かに、【神魔族】上層部は狭霧さんのこの世界への干渉はある程度黙認しているかもしれませんが、“地獄耳”のあの方々の事をそんな風に言っちゃあっ・・・。
「誰が小娘だ、この胡散臭い妖怪女がぁっ~!!!」(ゴゴゴゴゴッ)
「狭霧ちゃん?誰が年増なのかしらぁ?おねーさん、そこんところ詳しく聞きたいわぁっ~!!!」(ゴゴゴゴゴッ)
ほら、やっぱりぃ~!!!(TДT)
「あら、アムラさん美星さん。ご無沙汰しておりますわ。」
そんなお二方に、狭霧さんはしれっと挨拶をする。
そこには、先程まで影も形もなかった特上級の美女かつ、べらぼうに高い【神格】・【霊格】を備えた女性二人(二柱?)が立っていた。
「あ、あの、アムラ様、美星さん。ご無沙汰しております。」( ̄ω ̄;)
お三方が一触即発の雰囲気になる前に、俺はお二方に声を掛けて空気を紛らわす事にした。
それに、実際お二方に会うのも久しぶりなのだ。
「お、おう、ハヤト。久しぶりだな。しかし、そんな他人行儀な“様”付けなんて止めてくれよぉ~。ハヤトはボクの弟弟子なんだから、何時もの様に、“アムラお姉ちゃん”って呼んでいいんだぜっ?///」
「何時、誰がそんな呼び方したんすかっ!“師匠”かっ!?“師匠”にあることないこと吹き込まれたんだなっ!!??」
「オホホホホッ、アムラさんはご冗談がお好きですわねぇ~?」(ゴゴゴゴゴッ)
「アハハハハッ、本当だねぇ~?」(ゴゴゴゴゴッ)
しかし、アムラ様の“先制攻撃”により、その企みは失敗に終わる。
アムラ様の言葉に反応して、狭霧さんと美星さんの身体から“オーラ”がほとばしった。
う、うひぃっ~~~!!!
ら、らぁめぇっ~、壊れちゃうぅっ~~~!!!
おらの“拠点”や【結界】がぁっ~~~!!!(TДT)
「め、美星さんもお久し振りですねっ!特に【魔神戦争】の時にはお世話になりましたよねぇっ~!!??」
それでも、俺は懸命に“軌道修正”を試みた。
それが功を奏したのか、美星さんの身体から“オーラ”がスッとかき消える。
「そうですね、ハヤトさん。今でも“あの夜”の出来事は鮮明に覚えておりますよ?ハヤトさんったら、激しくおねーさんを求めるんですものっ・・・。///」
「何時、誰と誰がそんな“関係”になったっ!?【霊障】で倒れた俺を美星さんが看病してくれただけでしょ~がぁっ!!!」
「オホホホホッ、美星さんもご冗談がお好きなのですわねぇ~?」(ゴゴゴゴゴッ)
「アハハハハッ、全くだねぇ~?」(ゴゴゴゴゴッ)
くねくねと身体を揺さぶる美星さんと、“オーラ”が増幅した狭霧さん、新たに暴風的な“オーラ”を発生させるアムラ様。
あかぁ~んっ!!!
やはり“軌道修正”は失敗だぁっ~~~!!!
誰かお三方を止めてくれぇっ~~~!!!(TДT)
・・・
「そんでっ?何で貴女がこの世界にいるのかな、八坂狭霧殿?【異世界】の【神性】がこの世界に必要以上に干渉する事は、此方としても看過出来ないんだけどっ!?」
ようやく落ち着きを取り戻したお三方の給仕をしながら、俺はハラハラと事の経緯を見守っていた。
いや、当たり前の様に寛いでますけど、ここ一応俺ん家なんすけどね・・・?
まぁ、怖いから文句も言わんけどさ。
「別に【神魔族】には関係のない事ですわよ?これは、私とハヤト様との、個人的な“用事”ですし。」
流石にお三方も、街中で暴れるほど理性は飛んでないが、その桁違いに高い【神格】や【霊格】までは完全に抑えられない。
漏れ出てしまう“オーラ”だけでも、この街がすっ飛ぶ可能性すらある。
まぁ、一応【結界】は張っているので、そこまでの事態にはならないと思うが、俺としては仲良くやって貰いたいモノである。
・・・いや、遠因は俺にもあるんだけどさ。
ちなみに、改めて紹介しておくと、この見た目二十代前半の知的で見目麗しい金髪ロングの上品な美女が、八坂狭霧様。
こんな外国風の見た目だが、これでも【日本】の【神性】の一人(一柱?)であり、元は【妖怪】の類なのだそうだ。
まぁ、【日本】(だけではないが)に置いて、【鬼】や【妖怪】の類から【神】になる話は別に珍しくもないので、それは別に良いのだが、その出自からか、結構色々とフリーダムである。
まぁ、【日本】の古来からの【神々】も、結構はっちゃけてる人達(?)も多いんだけどさ。
彼女は、【日本】の【神々】の間では、まだまだ年若い“新参者”ではあるのだが、その【知性】と【実力】は折り紙付きである。
今現在の【日本】では、【境界】を司る【神】の一人(一柱?)として活躍している。
(ここら辺は、【神々】の間でも所謂【世代交代】がある様なのである。実際には、【神族】やら【魔族】やら【神性】と言った【高次】の存在は不滅なのだが、【時代】に合わせて姿やイメージをリニューアルしているそうである。その過程で、新たに生まれた存在をスカウトする事もあるそうだ。)
それ故、【境界】とはある意味関わりの深い俺達【異世界人】とも関わりが深いのである。
特に俺は個人的にも、ね。
そして、この見た目二十歳そこそこの若さ弾ける生命力と元気さが売りのセミロングのボクッ娘黒髪美女が、アムラ・ベナレス様。
彼女は、この世界の【神族】の一人(一柱?)で、彼女の発言通り、俺の姉弟子に当たる。
彼女は、所謂【仙人】なのだが、見た目通り【神族】としてはまだまだ年若く、しかし、その一方でこの世界の【神魔族】の間でも、かなりの【実力者】である。
音に聞こえた【神剣】と【神仙術】の【使い手】であり、やや【武闘派】ではあるのだが、一方で少々世俗に疎い傾向にある。
そこら辺を、よく“師匠”にからかわれている様だ。
ちなみに、俺とアムラ様の“師匠”と言うのが、【地球】や【日本】でも有名な、彼の“斉天大聖孫悟空”様である。
ここら辺は、多少ややこしいのだが、【神性】の中には、同一の存在が、別の【異世界】や【平行世界】にも存在する事がままあるらしい。
まぁ、彼らは【高次】の存在であるから、俺達【人間】と同じ尺度では推し量れないのだろう。
深く考えるだけ時間の無駄である。
ただ、この世界の“師匠”はかなり丸くなっており、頼れる【神界】の【守護者】であり、【神魔族】随一の【実力者】でもある。
ただ、それでもイタズラ好きはあいかわらずな様で、特に最近は弟子のアムラ様と俺をからかうのが面白いらしい。
くそ、あの石猿めっ!!!
まぁ、文句を言った所で、ボコボコにされるのがオチなんだが・・・。(TДT)
余談だが、“師匠”の最近のお気に入りは【地球】の【ゲーム】だそうだ。
特にキャラクターを育てる【ゲーム】にハマっているそうで、たまに【ゲーム】の影響を受けては、思いつきで「この技試してみよ~ぜっ!?」とか言っては、俺やアムラ様や他の弟子や部下達を巻き込んで、騒動を巻き起こす事もしばしばある。
ついでに、そのどうやって発動するかも謎の【技】やら【スキル】やらを何となく体得してしまう非常識っぷりである。
あの人(猿)、何処に向かっているんだろーか?( ̄ω ̄;)
まぁ、それもあってか、彼の【魔神】もウチの“師匠”を恐れて、真っ先に【神界】の【門】は壊された訳ではあるのだが・・・。
ヤツの判断はあながち間違ってなかった事をここに明言しておこう。
そして、最後に龍美星様である。
赤みがかった茶髪の長い髪を、小分けに結んだ独特のヘアスタイルをしている見た目二十代後半に差し掛かるくらいの美女である。
彼女は、【魔族】の一人(一柱?)であり、【竜神】のお姫様である。
ちなみに、この世界の【神族】や【魔族】と言うのは、別に良いモン、悪いモンと言うカテゴリーがある訳ではなく、その【属性】に置いて、【法】や【秩序】を司る側を【神族】とし、【自然現象】や【混沌】を司る側を【魔族】と呼んでいるのである。
【竜神】は、水や川(河)と関わりが深い故に、時に【災害】を引き起こす事もあるので【魔族】側に所属している。
とは言え、【竜神】族は、【魔族】の中でも穏健派であり、【魔神戦争】の折りは、【魔神】一派の暴走を止める為に尽力していた。
俺達とはその過程で知り合い、色々とお世話になったモノである。
特に、とある理由で俺が酷い【霊障】に苛まれた際は、一生懸命看病してくれた。
まぁ、その理由のせいで、今現在俺はこんな目に遭っている訳だが・・・。
「関係ない訳ないだろっ!?そりゃ、【日本】の【神性】であり、【境界】を司る狭霧さんには劣るかもしんないけどさぁっ!ボクらだって、ハヤト達のチカラになりたいんだっ!!」
「アムラちゃんの言う通りですよ、狭霧ちゃん?元々は、こちらの世界の者が引き起こした不始末。ハヤトさんは当事者だし、狭霧ちゃんは【日本】の【神性】だけど、だからと言って、私達も何もお二人に全てをお任せする訳にはいかないわ。むしろ、お二人の手を煩わせる事を心苦しく思っているのよ?」
「・・・。ごめんなさい、アムラさん、美星さん。少し言葉が過ぎた様ですわね。私とした事が、少し意固地になっていた様ですわ。」
そう言うと、狭霧さんはアムラ様と美星さんに謝罪した。
それにアムラ様と美星さんは優しく頷いた。
ホッ。
どうやら、ようやく事が収まりそうである。
「分かればいいんだよっ!これからは、ボクの許可なくハヤトにちょっかいかけない様にねっ!!」
・・・ん(・3・)?
「それは、アムラちゃんもじゃない?ちゃんとハヤトさんに対する【不可侵条約】を結んでいるのに、ちょくちょく様子を見ている様じゃない。」
「そ、それは、あ、姉弟子としてであって・・・!そ、そう言う美星さんだってっ!!」
「おねーさんは、ハヤトさんの婚約者だからぁ~。」
「そんなの、ハヤトが【霊障】によって、体調がズタボロで熱に浮かされている時の話でしょっ!?無効だよ、無効っ!!」
「ほら、やっぱりお二方も抜け駆けしているじゃありませんかっ!私なんて、別世界の住人ですわよっ!?少しくらいハンデが有っても、よろしいのではありませんこと?」
「アンタの【力】なら、その程度の障害なんてあってない様なモンだろっ!?」
あるぇ~(・3・)?
無限ループってこわくね?
一旦話が落ち着いたと思ったら、また振り出しに戻ったんすけど・・・。(´・ω・`)
「それと言うのも、ハヤトがハッキリしないのがいけないんだとボクは思うんだよねっ!?」(ゴゴゴゴゴッ)
うおぅっ!
とうとう、矛先が此方に向いてしまったぞっ!?((((;゜Д゜)))
「ああ、それはあるかもしれませんわねぇ~!?」(ゴゴゴゴゴッ)
「ハヤトさんは誰を選ぶのかしらぁ~?当然、おねーさんよねぇ~?」(ゴゴゴゴゴッ)
う、うひぃっ~~~!!!(TДT)
ハヤトはにげだそうとした!
しかし、まわりこまれてしまった!
「ハヤトッ!逃げようったってそうはいかないよっ!?」(ゴゴゴゴゴッ)
ハヤトは、さらにかこまれてしまった!
「ハヤト様?知りませんでしたかしら?【神】からは逃げられませんことよ?」(ゴゴゴゴゴッ)
ど、何処の大魔王様の台詞でしょーか?((((;゜Д゜)))
「ハヤトさんが優しいのは分かるけど、ハッキリ言ってあげないと、二人が可哀想だわぁ~?」(ゴゴゴゴゴッ)
何か、暗に自分の事を除外していますけど、美星さん?
どうするっ!?
どうするのよ、俺っ!?( ; ゜Д゜)
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また、もう一つの投稿作品「『英雄の因子』所持者の『異世界生活日記』」も、本作共々、御一読頂けると幸いです。




