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フェアリー・ダブル  作者: 芝森 蛍
雪の葉踏み散らす白銀の十三夜
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ポストリュード

 似つかわしくない(ほむら)が揺れる。

 冬を照らし、闇を退け、悪意を祓う魂が燃える。

 鳴り響く軍靴はすぐそこに。

 対にして噛み合う歯車を乱す不和が、雪の葉と共にやってくる。

 自然の鳴き声が吹き付けて、大地を震わす衝動を渡らせる。

 繋ぐ掌は絡み合い、今日という特別に拠り所の温かさを募らせる。

 入り乱れる境界線。思いだけが降り積もり、やがてそれは天に昇って。

 見上げた天蓋は曖昧な幻想を讃えるように。

 いつしかそれは白き象徴となって、大地へとゆっくりと舞い降りて来ていた。 

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