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プレリュード
流れ行く景色が青と青に吸い込まれる。
揺れる視界が親しき大地を恋しく思わせる。
また一つ、足元が深く沈んで。青い画布に白い絵の具が散って舞った。
それもまた自然。人の身にはどうしようもない災厄だ。
けれどもいつだって、隣には自分。見つめれば見つめ返す同じ視線が、そこにいる事を確かめるようにどちらからとも無く手を結んだ。
ケスがいれば、ピスは大丈夫。ケスがいるから、ピスがいられる。
だから本能的な感情も共有して、互いを助けられる。二人ならば、どうとでもなる。
その思いに嘘は無い。言葉を交わさず交わされる真実に、行く先をじっと見つめた。




