依頼
「それで、依頼内容は?」
なんとか間に合い依頼主を招き入れた。黒のスーツに黒のネクタイ。それが俺の作業着だ。
「この人なんですが……」
写真を差し出される。俺ほどではないが結構なイケメンだ、どうやらどこかの社長らしい。
「殺してほしい理由は話せません。ただ、こいつは最低な人間なんです」
まぁ、様子を見るに男女の関係のもつれとかそういう類だろう。
私怨……か。人はいつだって人を憎むし嫌う、それが普通なんだよなこの世は。
それが、いつか愛する人へ向く感情かもしれないのに。
「大丈夫ですよ、私は料金さえいただければそれで構いません。事故死ですか?病死ですか?なんでも構いませんよ」
「殺してもらえるのならなんでも」
わかりました。と頷き早速ターゲットの情報を聞き出す。
年齢は26歳。身長は175cmくらいで3年前に起業した会社が当たり今では年収2000万の社長だとか。
必要な情報を聞きあらかた助手にまとめさせ最後に大切なことを言う。
「このレベルの依頼なら1000万です。成功後に一括でもローンでも構いません。一生をかけて払っていただきます」
「払います。何年かかろうが……必ず」
「はい、そしてこの依頼は絶対に誰にも言わないでください。もし外部に漏れたらあなたがターゲットになるかもしれません」
「わかりました」
わかってもらえれば良し、と一週間ほどかかると言い理解してもらい今日はお引き取り願った。
嫌な仕事が始まるなぁ、と思い俺はベッドへ向かう。足りない分の睡眠を取るために。
「ちょっ、寝る前にスーツ脱いでください!!」