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社会性皆無 唯のナルシズム

作者: せこかん

朝起きて、睡眠欲を宥めながら歯ブラシに手を伸ばす。

毎度変わらない1日の始まりを予感させるルーティーンがやる気を削いでいく。


昨日の今日で湧いた感情では毎日のプレッシャーには勝てない事を痛感する。

昨日は何を考えてたか、…会社を辞めて何かしよう、自営業もいいな、と物思いに耽ってはみたものの理想と反して着慣れたスーツに身を包んでゆく。

そんな自分を変えたいならば自分の気持ちぐらい言葉にして人に伝える勇気を持たなきゃな。20代の分際で今更何言ってんだろうかと我ながら滑稽に思うが、周りに歩幅を合わせられるほど器用ではない事ぐらい気づいている。




上京して2年が経つ。



ひたすらに青かった私の青春が冷えた。





自分がどういう人間か、第二次性徴期を迎え終わり学校という狭いコミュニティで偏見のコレクションを集め続けた俺は15歳に成る頃には自己能力を過信した井の中の蛙に成長していた。

全ての物事を小さく簡単に考え、不良少年である自分がマイノリティであることに何処か誇らしさを感じ、又周りとのズレの広がりも感じていた。


簡単に言えば不貞腐れていただけなんだが、自分の非行にテーマが欲しくて何かとカッコつけては犯罪を繰り返しては家庭に少しずつヒビを入れていった。



高校に上がる頃には不景気とも重なり家庭環境は最悪。


息子はボンクラの極みということもあり父は家を出ていった。


息子の立場からすれば不況に負けた情けない親父としか見れなかったが、母が俺に向けた歪んだ眼差しが答えであるとすぐに気づいた。


傷付いたけれども足りない頭が母との間に溝を拡げていった。



正直どうでもよかった。

だって、親の気持ちを汲めない程バカな息子だったから。

今でさえ謝れていない自分が腹立たしい。

自己否定の感情がONになったら肯定して欲しい。

それぐらい我儘な人間だから。

歩幅を合わせてあげればよかった。



お陰様で大切な物を失った。


社会性。



当たり前の脳味噌を持っていれば、親の気持ちを理解してクソガキを演じるのだろうね。


反省しつつ今後生きていく。


会社辞めたい。

以上



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