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超絶に影の薄い僕は、異世界で誰にも気付かれない。  作者: 竜王零式
第一部:孤高の異世界冒険譚
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【おまけ】魔法について

本文中で特に説明してこなかった「魔法」について、まとめて説明します。

もちろん、読まなかったからって物語が理解できない、ということはないはずです。

お暇な方だけどうぞ。



 物語世界で「魔法」と言った場合、色んな意味を持ちます。

 現実世界のような中二病的でない一般名詞としての「魔法」の意味ももちろんありますが、当然ファンタジー世界ですので、中二病的な能力としての魔法も実在します。

 後者のうち、筆者が設定・把握しているものに関してのみ説明をします。

 おそらくこれに該当しない「魔法」も、この世界のどこかにはあるはずです。


魔術アルダー

 魔法といえば、大多数の庶民はまずこれを思い浮かべます。

 冒険者の間では攻撃的な魔法として、知識層の間では宇宙の真理を探求するための学問として理解されています。

 学問としての魔術アルダーは、魔力を操り、物理現象として発現させる、そのプロセスを網羅しています。すべての魔法は魔術アルダーで再現可能で、世界のすべては魔術アルダーで創り出すことが可能なのです。

 その性格上、ただ使えるだけの術者と、原理を理解する本職の研究者がいます。前者は「魔道士」(もしくは「魔法使い」)、後者は「魔術師アルダールブ」と称され、一般人からの扱いにもかなりの差が生じます。むろん、尊敬を受けるのは後者です。

 現実世界の「科学」という言葉に似たニュアンスだと思っていただければ、間違いないかも知れません。ただし現代日本人が思う科学ほどには、物語世界で認知・信望されていませんので、そこは注意が必要です。


霊術エレジー

 おそらく「魔法」という言葉で日本人がイメージするものに、一番近い魔法です。

 聖炎アピトルという純粋な魔力の光を生み出し、その波動をコントロールすることによって、様々な奇跡を起こします。中でも、回復・治癒・強化などに特化しています。

 魔術アルダーと違い、術者は複雑な理論や術式を理解する必要はありません。強い願いとイメージのみで魔法を発動させます。その強さと純粋さが――ようは思い込みの強さが霊術の強さになります。

 そのために、プロセスに余計な思考をはさみがちな、合理的思考の強い人は、霊術は向いていないとされます。実際、魔術アルダー霊術エレジーを両方扱える術者は非常に稀です。

 それはともかく、原理だけなら魔術アルダーであらかた解明されています。ただし、中には魔術アルダーで再現不可能なものもあります。


呪術カラム

 おまじないとか呪いとか。そんな感じの魔法です。

 ようは民間信仰の集合体のようなもので、西洋における魔術――ウィッチクラフトに近いかもしれません。

 現実世界のものと違い、呪術カラムは非常に体系的で、大昔にとある魔術師アルダールブが研究のすえ確立させたものです。特徴としては、小難しい理論や強い思い込みがなくても、決まりと順序、用いる道具さえ間違えなければ、高確率で望んだ結果が得られる、というところ。

 ただし、人を呪わば穴二つ、の言葉通り、ちょっとでも手順を間違えると大変なことになります。魔術アルダー霊術エレジーと比べ邪道とする社会も多いので、あまりおおっぴらにやる術者はいません。

 準備に手間がかかるので、冒険者が使う魔法としても向いていません。


■音楽

 音楽です。歌や楽器を使って曲を奏で、人々の気分を高揚させたり癒やしたりします。

 物語世界ではほぼすべての生物が魔力を持っていますが、特に人の喜怒哀楽は魔力に影響を及ぼしやすいとされています。それを音楽で操ることによって、魔法のような効果を生み出すわけです。

 ほかの魔法のように複雑なことはできませんが、消費魔力も何もなく、聞いているだけで力が湧いてきたり、心が落ち着いてきたり、逆に憂鬱で身体が重くなったり、眠くなったりします。これは現実世界でも起こりうることですが、物語世界では魔力の影響で、さらに顕著になります。

 稀人レウリィには魔力がありませんが、音楽の才能がずば抜けています。ゆえに彼らの歌声・演奏は特に「呪歌マニトー」呼ばれ、畏怖と尊敬を集めています。



【【魔術アルダー】】


 作中に登場したもののみご紹介します。

 ★印は上級魔術で、魔導具では発動できません。


精霊煌ギドナ

 目潰しの呪文。瞬間的に強烈な光を発して目を潰します。

 目を瞑るだけで回避できますが、簡単な詠唱のみで発動できるので使い勝手は抜群です。


風撃(オン・ドゥ)

 空気を圧縮して叩きつける。ドラ○もんの空気砲です。

 破壊魔術の中ではもっとも構築が早いので、おもに緊急回避の目的で使用されます。


灼弾ラグド

 ファイアーボールの呪文。

 冒険者の間では魔法使いの代名詞になっています。それほど有名な魔法。

 込められた魔力に応じて天井知らずに破壊力が上がる、という特徴があります。


天滅煌エルン・ラー

 マジック・ミサイルの呪文。

 術者の魔力に応じて複数の光の矢を打ち出します。これは必ず、指定した対象に「のみ」命中します。

 込められた魔力が多ければ多いほど矢の数が増えます。一発あたりの破壊力は、魔力よりも術者の適性と装備が影響します。


焔陣ゾーラ

 ファイアー・ウォールの呪文。

 任意の場所に炎の壁を出現させます。その規模は魔力に比例します。

 出現予定位置の地形が複雑だったり、なにか動くものがあったりすると失敗するので、いきなり出して攻撃に使うことはできません。どちらかというと防御用の魔法です。


宙域ガイラ

 窒息の呪文。指定した区域の酸素を枯渇させます。

 酸素のまったくない空気の中で呼吸をすると、血中酸素濃度が急激に低下し、ほぼ一瞬で昏倒します。そのまま放置すると死にます。簡単に使えるわりには恐ろしい魔法です。

 ただし、息を止めるだけで対処できてしまうので、知ってる人にはまるで通じません。


誘夜霧リュシリス

 スリプル・クラウドの呪文。

 指定した空間に睡眠ガスを発生させます。これは変質した魔力の霧なので、くると分かっていれば精神力で抵抗が可能です。

 逆に言えば、魔力の高い術者が本気で使えば、抵抗は難しくなります。その場合は対抗魔術による魔法防御が必要になるでしょう。


月惑煌リュナリス

 対象一個体の精神を破壊し、使い捨ての操り人形を作る呪文。

 基本的に知能の低い獣や魔物じゃないと成功しませんが、人間に使った場合、廃人になる可能性があります。

 いちおう精神力のみで抵抗が可能なのと、魔導具では使えない上級魔術で構築に時間がかかるのが弱点というか、かけられるほうにとっては救いです。


無幻イル・ス

 ディスタブ・マジックの呪文。上級魔術。

 魔力の働きをかき乱し、制御を困難にします。空間や対象にかければ、すでに構築された魔術を破壊できますし、術者にかければ、しばらく魔法を封じることができます。

 もっとも、あくまで制御を困難にするだけなので、これを物ともせず魔法を完成させてしまう術者もいます。


天穿煌エルナーク

 荷電粒子砲ってやつです。

 現実的に個人が使用できる最強の破壊魔術ですが、扱える術師は世界でも屈指。

 作中でクレイブ導師が使用できたのは舞台の魔力濃度が凄まじかったからですが、それでもこの魔法を構築できるだけで充分、優秀な術者だと言えます。


【【霊術エレジー】】


 霊術には「一般霊術」と「上級霊術」があります。

 上級霊術はユニーク・スキルのようなもので、使用するには特別な才能が必要です。そうでなければ、いくら修行を積んでも使えるようになりません。

 逆に、エリシャの「癒やしの御手」のように、生まれつきそれだけが使える、という例もあります。


・一般霊術

 代表的なものを紹介します。一般に、下にいくほど難易度が高いとされています。


○打撃強化

 己が放つ打撃に魔力の衝撃を込める。霊術の初歩の初歩。

 熟達すれば武器に乗せることも可能ですが、強化されるのは打撃のみです。ゆえに霊術使いが武器を持つ場合、戦槌などの打撃武器が主流になります。


○体力回復

 対象の体力を回復させます。同時に、怪我の再生速度も早めます。


○治癒

 対象の怪我を治します。欠損部位の再生や、失った臓器の再生などはできません。


○明灯

 術者の周囲を魔法の灯火で照らします。光源が出現するわけではなく、周囲の光量を増幅させて明るくするので、これで照らされた空間は幻想的な雰囲気を醸し出します。


○解毒

 対象の体内を蝕む有害な物質を排除します。毒、ばい菌などに有効。

 害悪魔力と病魔ウィルスには効果がありません。


○肉体強化

 聖炎をまとって己の肉体を強化し、運動力と生命力を一時的にあげます。


○自己再生

 聖炎を全身にまとって、己の負傷を回復させます。

 欠損部位と損傷臓器に効果がないのは治癒と同じですが、あちらと違って効果が一定時間持続します。


○瞑想

 聖炎を全身にまとって己の魔力を急速に回復します。熟練の術者は動きながら行います。


○封魔

 魔力の働きを封じます。対象指定。

 敵の魔法を封じることも、味方にかかった魔法を解くこともできます。無幻イル・スとの違いは、空間指定ができないこと、いったん通ったら効果時間が切れるまで抵抗できないことです。


○聖盾

 強固な幻想の盾で敵の攻撃を防ぎます。魔法・物理両方に対して効果がありますが、自分にしか使えません。


○祝福

 味方に運動能力・集中力強化の祝福。魔法防御力も飛躍的に高まります。


○青炎

 空中に炎を出現させ、自由自在に操ります。

 これが使えるなら、霊術使いとして最高位とみなされます。


○電撃

 対象に電気ショックを与え麻痺させます。

 魔力が高ければ丸焦げにすることもできますが、まれに心肺蘇生に使う術者もいます。


・上級霊術

 全部で五種類。すべて使える人間は伝説にも登場しません。


☆魔力回復

 他人の魔力を急速に回復させます。

 上級霊術の中では一番微妙だと評判ですが、とある病の唯一の対抗策でもあります。


☆速力上昇

 対象の体感時間を遅くし、相対的な速力を上げます。

 自分に使える術者はさらに限られます。


☆肉体再生(癒やしの御手)

 対象の肉体を完全に癒やします。怪我だけでなく、一部の病気も完治します。


☆聖刃(斬撃強化)

 己が振るう刃物の鋭さを飛躍的に高めます。

 実体を持たない相手に対しても有効です。


☆聖光

 対象を強力な光の魔力で包んで攻撃。

 物理的にはすまじい衝撃と熱を発生させますが、精神にも特大ダメージを与えます。

 抵抗はまず不可能で、対象が人間なら廃人になります。ふつうその前に身体が丸焦げになるでしょうが。

 いちおう霊体・精神体に大ダメージを与える魔法として認知されています。



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