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清隆学園の二学期  作者: 池田 和美
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十一月の出来事・⑤

「これでアウトですかいな?」

 二人のSMC隊員が、崩れた廃墟の中で立ちすくんでいるところを発見された。

 彼らにやわらかい方言と、手にしたセブロC二五AからのBB弾を、有紀が遠慮なく浴びせた。

 二人の全身がペイント弾の青インクで染められていった。

 だが、それでも撃たれている二人は、あまりに出来事に反応が無かった。

「オマエら、なにやってンだよ!」

 自身も瓦礫に埋もれるところだった由美子が怒りの声を上げた。

 ゲーム開始直後は凹状だった中等部旧校舎は、いまや「凶」という字の形に変形していた。

 あの不思議な装置で照準されて発射された史上最強エアーソフトガン『チェリャビンスク・クラッシュ』の威力に、校舎中央部分のほとんどが大量の瓦礫と化していた。

 半ば外の風が入って来るようになった彼女たち図書室防衛隊側の陣地と、同じような状態になったSMC側陣地が残ったのは、建物の構造上そこの強度が他よりも強かったおかげであろう。

 他に残っているのは、わずかに一階の床と壁が少々だけであった。

 これで汚職による工事の遅延も、少しは捗るであろう。

「なにが『捗るであろう』よ! 自分が何をしたのか自覚しなさい!」

 モノローグ風に呟いていた弘志へ、由美子は拳をめり込ませた。

「本当に弘志は悪い奴だな」

 横の白衣を着た明実が他人事のように言った。

「オマエも同罪だ」

 拳を振り上げる由美子に、待ったとばかりに挙手をした。

「だってレギュレーションに制限が無かったんだもの」


 以降、図書室に『学園のマドンナ』を口説きに来た男は一人もいなかったという。


十一月の出来事・おしまい

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