カエルの話でも、蛇足
「自分で出て行っちまうんだもんなぁ。女王さま、ひでえよなぁ」
「まあ、良いじゃねえか。誰かひとりが外に引っ張り出しちまったら、俺たちァ、こうやって一緒に酒を飲みかわすこともなく、そいつを袋叩きにしてたよ」
「そりゃそうだ。ひとりだけ願いを叶えてもらうなんて、許せねえもんな」
オデン屋の屋台にて、挑戦者たちがチビチビと酒を飲んでいました。
雪が消えて肌寒さは残るものの、木々に新芽が付き始めた頃、冬が終わって春の女王さまが塔に移ってからしばらく経ってのこと。
「しかし、こいつは美味い。黒ハンペンのフライだったか? こいつに出会えたのは……収穫だったかもなぁ」
「ああ、今まで油は外国に輸出してばっかりだったからなぁ。これからは国内で調理用に使うだろうから、輸出油は高くなるだろうな」
「……そういえば、お前ら、道が雪で埋まってて油が輸出止まってたの、知ってるよな」
「? もちろん。それで輸出も輸入もできないって云ってたよな」
「隣の国が戦争をするために油を欲しがってたんだが、それが冬が続いたせいで出来なかったそうだ。王様的には儲けたかったんだろうし、それで出せって云ってたんだろーな」
「……あー、それで春の女王も来なかったってことか。春になったら、油売り放題だもんなー……」
「ま、どうだって、良いんだけどなー……んなことは……」
四季の塔をめぐる彼らの冒険は終わってしまいました。
水と雪と氷の妖精たちや、冬の女王への挑戦が終わってしまってどこか寂しそうですが、旅が続いているカエルや、旅が始まった女王と妖精たちも居ます。
塔の上の女王と三人の妖精は今日から行く。そして井の中のカエルは今日も行く。
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