第六十四話拓巳編「トラウマを植え付ける
おはようございます。
那祢です。
パーカーナイフ男襲撃はこれで終わりです！
ではまたあとがきで。
パーカーナイフ男の一言でいちゃこらタイムは突然終わった。
ー ふぅー。助かったよ。 ー
俺は心の中でこいつに感謝した。
「てめぇら！イチャイチャ見せつけやがって！！特に拓巳、お前だ！」
パーカーナイフ男・・・・面倒なので訳して「パーカー」は電柱に繋がれたまま怒っていた。
「えっ？俺？」
「そう、お前だ！未歩って女がいながら何でこんなゴリラパワーの年増女と」
ー ズンッ！ ー
電柱が揺れる。
それは芦川が電柱を蹴ったから。
しかも、普通のスニーカーで蹴ったはずなのに。
電柱が揺れている。
ー シーン・・・・ ー
俺とパーカーは黙った。
いや、黙るしかなかったのだ。
そこにいる鬼神に。
「誰が年増のゴリラですか？」
笑顔なのだが声のトーンがおかしい。
それは先程聞いた怒っている芦川の声より低い。
怒りＭＡＸ。
俺はそう感じた。
「お、お前だよ・・・！」
パーカーの声が小さくなっている。
あー。
怖じ気付いたな。
すると、芦川は繋がれているパーカーの襟首を掴み上に持ち上げる。
「年上に口聞くときは丁寧な言葉遣いにしようね。ナイフで脅すことでしか語れないガキが！」
啖呵を切られた。
いや、そんな物ではない。
プレッシャーの塊を投げつけるぐらい怖い。
「お前な、この人を、バットで殴り飛ばしているからもう犯罪者なんだよ？分かってる？だから、この人次第でお前をブタ箱に突っ込めるの。初犯でも襲うの二回目だから許さんよ？」
襟首をぐらぐら揺らす。
パーカーはそのたび頭を電柱にぶつける。
「いてっ！やめっ！おいっ！あぐっ！」
「しかも、入院中お前の言う未歩ちゃんや千鳥、丑ちゃんとも仲良くなっているし！」
「それは俺、関係なっ！がっ！」
「じゃあ誰のせいで入院したんだよ！」
「そっ、それはっ！ゴッ！」
鈍い音が響く。
これ以上はヤバイ
「ちょっと芦川さん？」
「なーにー？」
ー ギギギギ・・・・・ ー
返事をしながらゆっくり振り向く芦川。
笑顔とは言い切れないひきつった顔。
俺より怒っているのではないか。
でも言わないと。
「やりすぎですよ。」
「そんなことないですよ。相手はナイフを持ち出したんですもの。」
「まあ、たしかにそうかもしれないが・・・」
「あと、こいつをこのまま放置するとまたいつ同じ目を受けるひとがいるかもしれませんから。」
「うーん。」
「あとは私の下の者に渡しておけば一日で綺麗になりますよ？」
「下の者？」
「あっ！」
芦川はしまったと言う顔をしている。
下の者。
そんなこと言うのは「ヤクザ」か「暴走族」。
もしや・・・・
「なあ、芦川？」
「はい！」
元気なお返事ありがとう。
まあこんな純粋な女の人がそげなこと・・
「お前はヤクザの娘？」
「いいえ。」
「じゃあ暴走族？」
「いいえ。」
ふぅー。
よかった。
勘違いか。
まさかこんな綺麗な子が・・・
「高校時代に回りの高校しきってたぐらいです。」
ー パリーン！ ー
俺の思いが砕かれた。
この子が番長様でしたか。
と言うことは？
「あ・・・あ・あ・・ああ・・・・」
パーカー、声がでない。
怒られたチワワな感じで震えている。
それはそうだよ。
番長を怒らせたんだもんな。
「じゃあ、任せるよ。」
「えっ？」
パーカーが俺に振り向く。
見捨てられた子犬のような瞳をこちらに向けてきた。
助けを求められてもな。
謝ったり反省できない人は。
できるまで頑張れ。
「はい！わかりました！」
芦川はニコニコしながら後ろを向きながら電話を掛ける。
「もしもし？私わたしー。あー私私詐欺じゃないよ。うん。ちょっと私の私物に手を出した奴がいて。うん。そうなんだよ。来れる？はーい待ってます。慌てないで良いから！はーいまた後で。」
電話が終わったようだ。
「今から来るからあと十五分待ってだって。」
笑顔で振り向く。
俺には堕天使の笑みにしか見えなかった。
「あ・・・・・・」
パーカー消沈して項垂れている。
「所で先輩？」
「ん？」
「何で私のこと聞かないんですか？」
「んー。」
「黙ってないで答えてください。」
「だってな。」
真剣な顔をしてみてくる。
「かわいい後輩だから。」
「えー。」
「今はそれだけで許してください。番長さま。」
「はい！拓巳先輩も反省室直行！」
「ダッシュで逃げる。」
拓巳は逃げ出した。
「家、知ってます。」
だが回り込まれた。
そうこうしている内に下の者が来たようでパーカーは連れてかれた。
俺は・・・・・
「じゃあまた後で。」
「はーい。チェインリンクルで！」
俺たちは家路に帰った。
右手には冷えた弁当を握りながら。
一週間で最大三百人読んでもらえるようになりました。
感想はまだ無いのでもっと頑張らないと。
次回ですがお正月なので仕事が忙しくかけません。
なのでお休みします。
その分「モブ」も更新しますのでよろしくお願いします。
那祢でした。
