サブストーリー 第三話各キャラ編「伝える思い」
お久しぶり!
那祢です。
今回は未歩ちゃんのストーリー。
どうなるかは。
みてのお楽しみです。
またあとがきで。
市川未歩編
私は合コン初参加です。
何をしたら良いかわかりません。
そのためまず皆に付いていき目的地につく前に周りに聞いてみることにした。
近くにいるのは・・・・
「ねぇ、丑ちゃん。」
「はい、なんですか?」
私の前を歩いていた丑ちゃんは呼ばれたので止まり振り返る。
「少し聞いて良い?」
「・・・はい。私にわかることでしたら。」
「じゃあ、さっそく。合コンって何をしたらいいの?」
「えっ?」
そう聞くと丑ちゃんは少し驚いたようだが教えてくれた。
「えーっと私がネットで調べたのには男女が同数集まりご飯を食べ遊び、仲良くする。または恋人を作るのが基本らしいです。」
「えっ?恋人を作る!?」
恋人をつくる。
その言葉に驚く私。
丑ちゃんは
「しっ・・・・声が大きいです。・・・まあ、一例ですから。」
と釘をさされた。
それから何をしたら良いかなどたくさん聞いた。
だが私の頭の中では
ー 私は拓巳さんと仲良くなって恋人に・・・。 ー
ー でも他の方たちもいるから取り合いに!どうしよう! ー
ー また喧嘩してしまうかも・・・ ー
この三つの事が頭の中がぐるぐるしていた。
その状態で始まった合コン。
色々考えてしまい私は拓巳さんへアピールが全く出来ないまま終わった。
皆のカラオケ代金を払い、一人一人送り届ける拓巳さん。
近場から始めたため遠い私は一番最後になった。
バスに乗り私のバス停で二人で降りた。
そして私の家に向かい歩いているときだった。
静寂を壊したのは私
「拓巳さん。」
「ん?どうした?」
呼ぶ私に反応する拓巳さん。
私は顔をじーっと見る。
あっなんかピンクなのがついている。
「なあ、なにかついてる?」
不安になったのか顔をペタペタ触りだす拓巳さん。
私は気になったことを聞いてみることにした。
「拓巳さん。」
「ん?なんだい?」
「今日はつまらなかったですか?」
「んっ?!」
動揺したのか言葉がつまる拓巳さん。
今回の合コン。
拓巳さんが彼女をつくろうとしている意思表示だと私は思っていた。
だから自分をアピールしようとしたわけだったのだけど・・・。
綺麗で彼を好きな同僚。
そして濃厚キスをされ落ちた、えーっと優午さんと美申。
それの後片付けをしている拓巳さん。
一人一人送っていく手間。
ー 目的を達成出来てないし楽しんでいない。 ー
そう思ってしまいこう聞いてしまったのだ。
「あー合コンね。気にしなくて良いよ。僕、皆で騒ぐのが好きだから。」
「!?」
返事はすぐ帰ってきた。
ただ・・・
ー 僕 ー
いつもは『俺』と呼んでいる拓巳さん。
これは自分のことを偽るときに使う言葉だと私は知っている。
拓巳さんが『僕』と言っていた時。
それは営業で会社の人と話す時や知らない人と話す時、そしてゲームで会話をするときに使っている。
仲良しと思っていた私はイラついてしまう。
でも感情を圧し殺そうとしたのだが。
つい口にしてしまった。
「・・さん。なんで・・・でいつ・・の・・か。」
「ん?なんていったの?」
拓巳さんは聞こえない小さい声で言った。
しかし、私の言葉を聞き取れなかったのか聞き直す。
それが私に火を注ぐ。
「拓巳さん。なんで私にまで偽るのですか!」
感情が爆発した。
私は声が大きくなる。
「拓巳さん、相手に線引きするとき必ず『僕』って言葉使うの知ってますか?!ゲームのクエスト行くときも会社に連絡するときも使ってるんですよ!!その『僕』を私に使ってほしくないっ!!!大好きな貴方に言われたくない!」
「うっ!!!」
的確に当たった拓巳さんは押し黙る。
数分の静寂。
私にとっては長い沈黙だった。
それを先に壊したのは私だった。
「もういいっ!私これ以上拓巳さんに迷惑かけたくない。だから・・・」
「えっ?」
「私が好きだって言ったこと忘れて。」
堪えていた涙が溢れだす。
それを隠すように両手で顔を覆い震えながら伝える。
私の恋はここでおしまい。
ー 初恋 ー
多分これが初恋なんだろう。
それを終わらせようとした。
その時だった。
ー ギュッ! ー
いきなり何かに抱き締められた。
「えっ?」
涙目を開けるとそこには拓巳さんが抱きしめていた。
「拓巳さん?」
「ごめん・・・。」
「なんで謝るの?」
「俺の感情が整理できない。」
「・・・うん。」
「少し抱きしめさせて・・・」
「んっ。」
しばらくの沈黙。
「暖かい。あのときと同じだね。」
「あの時?」
「初めて会ったとき」
「ああ、びしょ濡れの時ね。」
「もうっひどい!」
「あはははっ・・・」
そして彼は重い口を開いた。
「俺は昔、初めてできた彼女にフラれる前に言われたことがあるんだ。」
「んっ。」
「『あなたは優しすぎる。味がない。一緒にいても楽しくない。』ってさ。だから自分に自信がなかったんだよ。カッコいい訳ではないしね。」
「えっ?そんなこと・・・」
ー ポフッ ー
頭に手を置かれ撫で始める。
「最後まで聞いて。そしてすぐにバスで痴漢騒ぎがあった。少しながら女子高生恐怖症があるんだ。」
「・・・はい。」
私も知っている。
痴漢騒動で無罪になったなど。
私の嫌いな奴が言っていた。
「そして千鳥や丑にほっぺにキスされたり君に愛の告白されたり。俺の気持ちわかるかな?」
「うん・・・うん?!」
今聞き間違えか?
聞き直す。
「拓巳さん?」
「なんだ?」
「今、気になること言っていたんですが。丑ちゃんにキスされたんですか!?」
「あっ・・・・」
一時的に黙ったがすぐに答える。
「はい。さっき兄が迷惑かけたと頬に。」
「た~く~み~さ~ん~。」
怒られると思った拓巳さんは目をそらそうとした。
そんな拓巳さんの頭を両手一杯抱きしめさせて私は
ー ちゅ~!! ー
唇にキスをした。
「んっ!んんっ!んんんんっ!!!」
「んっ。んんんんんっ。」
暴れていた拓巳さん。
でも、スポーツ得意な私の力で逃げることができない。
あきらめたようでされたままに。
キスを私は味わう。
あっ!
さっき食べたソフトクリームの味がする。
しばらくあじわっていた。
解放したのは約二分後だった。
拓巳さんはその場にしゃがみこむ。
「未歩、お前キス長すぎ!しすぎ!」
「えへへっ。皆に負けたくなかったから。」
「最後は顔中にキスするのは困るんだが。」
「あっ!赤いリップがいっぱい付いてる!」
「えっ!嘘だろ?!」
顔をさわる拓巳さん。
「うっそーだよ。へへっ。」
私はそう言い逃げる。
「ちょっとお前な!怒るぞ!」
捕まえに来た拓巳さん。
そんな拓巳さんに反対に抱きつきこう言う。
「やっぱり私はあなたの事が好きです。拓巳さんの心の整理がつくまで待ちます。もし、学生が嫌なら卒業まで待っていてほしい。」
「お前の心が変わるかもよ?」
「それはないです!」
「なんで言い切れる?」
そう聞かれると私は息をすいこみ
「あなたが私の『初恋』だからです!」
飛びっきりの笑顔で答えた。
研修終わりましたので定期的更新で。
未歩ちゃんが一歩リード。
芦川、千鳥はどうでるか?
次回はあの人のストーリー。
一番悲惨な。
優午さんの。
次回もお楽しみください。
那祢でした。