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第六話拓巳編「勝てない敵とおいかけっこ」

やっとかき上がりました!

是非読んでみてください。

「グギギャー!!」


オークが絶命の雄叫びをあげて倒れた。

俺とセフィロはボスオークを討伐するためにかなりのオークを倒していた。

魔法を使うオークを後ろから狙撃して倒したり、戦士の鎧を着たオークをセフィロが近距離で暗殺して倒したり。

十匹以上ぐらい二人で倒してきた。


「なあ、ボスオーク、いないな。」


セフィロが話しかけてきた。


「確かにいませんね。いつもなら三匹くらいででてくるんですが。VRでみまわして見てもオークしかいないし。」

「クエストまちがえた?」

「いいえ。確認したけどまちがっていないよ。Σ(゜Д゜)」


俺はセフィロにそう言い返すと同時に何やら森の奥から聞こえる音に気がついた。


-ガサガサ・・・ズーンズーン・・・-


何か大きい物が草むらを掻き分けて歩いている。

ボスオーク、オークは人ぐらいの大きさがメインだからこんな大きな足音が聞こえるはずがない。


「何か大きなものがいる。そいつのボスオーク?」


「セフィロさんも気がついた?たぶん違う。足音からするとかなり大きいモンスターがいるから隠れて迂回してボスオークを探そう。」


そう言って俺たちは草むらに隠れながら進んでいった。


「グギギャー!!」

「ギガグギギャー!!」


悲鳴が聞こえる。

どうやらオークとボスオークのやられる声だ。

しばらくて何かが上から降ってきた。


-ズシャリ!-


ちかくに落ちてきたので草むらに隠れていた俺はそ~っとのぞきこむ。

それは頭の無いボスオークだった。

どうやら噛み千切られた歯跡がありその大きさがわかった。


-気づかれたら困るのでチャットで会話にするね。セフィロさんどうやらボスオークを倒したのは歯型からしてサイクロプスクラスのモンスターだと。因みに戦っても勝てませんので目の前にあるのボスオークの倒した証明を持ってクエストクリアしましょう。セフィロさん採取してください。-


そうチャットするとセフィロがうなずいた。

そーっとボスオークを採取しようと近づくセフィロを見送って俺はボスオークが飛んできた方へ近づき様子を伺った。


-ズーンズーン・バキバキ!-


草に隠れ進んでいくと足音が段々近づいてきた。

気になって俺は顔をあげて観察した。

なにか大きい物陰が見えるぞ。

あれは!!

そして、運が悪いのか予感が的中してしまった。


ーサイクロプスの亜種だ。ー


鎧や兜ならまだしも大剣を持っている。

よく見ると周りには真っ二つになったオークが転がっていた。

多分初心者ランクのセフィロが戦ったら一分ぐらいでこうなってしまうだろう。

そう思い隠れながらセフィロのいる場所に戻ろうとしたそのとき、


「バイジャ、ボスオーク採取終わったぞ」


セフィロが吹き出しでメッセージを送ってきた。


-バカ!サイクロプスにばれるぞ!にげろ!-


大きな足音が聞こえる。

チャットに送ったときはもう遅くサイクロプスはセフィロ目掛けて動き出していた。

あわてて逃げ出すセフィロを猪のような早さで追いかけるサイクロプス。


このままだとセフィロが殺られてしまう。

でも、今日知り合ったばかりの男性プレイヤーを助けて何が特になる??

しかも、間違えて撃ってお詫びとしてやっているクエストだし。

見殺ししてもいいじゃないか?

そう、俺は考えてしまった。


ちなみにチェインリングスは敵にやられると「装備、またはアイテムが無くなる」か「仲間プレイヤーに救出してもらい『ケガ人』として能力が半分のプレイヤーで一週間過ごす」になっている。

ちなみにケガ人は傷痕もプレイヤーに受けますのでボロボロになりたくないプレイヤーは装備、アイテムを無くす方を選んでいます。


今日知り合ったばかりの仲間を助けたい!

体は正直だった。

-集中!-

次の瞬間サイクロプス目掛け弓を放った。


「グオオォォー!!」


クリーンヒット!

サイクロプスの武器を持っている右手に当たり武器を落とした。

-セフィロ、逃げ切ってクエストクリアーしてきてくれ!たのむ。-

直ぐにセフィロにチャットに送った。

その武器を拾うサイクロプスの隙にセフィロは距離を取って逃げ出す。

そして、セフィロが見えなくなっていった。

良かった。

そう安堵している俺に足音が迫る。

段々とサイクロプスが近づいてきた。

多分、これは逃げ切れない。

少しでもセフィロの時間稼ぎで頑張るか。

サイクロプス亜種と俺の戦いが始まった。


十五分後


「よっ!はっ!」

初めてのVRでこれほど辛いことがないと思う。

俺は矢が無くなり、逃げたりかわしながらナイフでダメージを与えていた。

サイクロプスの攻撃が遅いのでどのアクションかで動きを読んでかわしていた。

全てかわし続けていたわけでもなく何発がダメージを受けてもいた。

軽く一発受けただけなのに半分近くライフが減る。

そんな絶望的な戦い。

長くの戦い疲労が貯まってきていたのか。

とうとうミスをしてしまった。

後ろに道が無い。

逃げ場がなくなってしまったのだ。

次の瞬間

「ぐはぁ!」

俺はサイクロプスの大剣の一撃に吹き飛ばされてしまった。

敵の会心の一撃だと思う。

画面端から端まで飛ばされてしまった。


ゲームオーバー


俺は・・・サイクロプスにやられてしまった。

画面にはサイクロプスに負け、倒れた俺のキャラがいた。


「このゲームで三回目のゲームオーバーになってしまったな。」


このゲームをして三回目の敗北。

一回目は初プレイで調子に乗って勝てない敵を倒そうと一人で乗り込んだ時。

二回目は他のキャラで戦士をしていた時に回復してもらえなく倒れても放置され、パーティープレイが信じられなくなった時。

今回も多分放置だろうな。

そんな寂しさなのか俺はVRをはずしてゲームを休憩した。

ゲームに夢中になって食べてなかったご飯を食べお茶を飲んだ。

そして考える。


「あー。アイテム無しで始めるのは辛いな。いっぱい集めたのになー。装備がな~。」


まずは後悔した。

そして次に助けたセフィロのことを思いだす。

覆面してスラッと細い盗賊風のキャラ。

チャットを打つのが遅く一分くらいかかってたな。

ナイフでの腕前はさすがに練習したのかな。

ギルドにいないジョブなので誘えば良かったかな?


「そう思っていてもたぶん会わないよな。」


一度このようなことがあると相手に避けられてしまう。

なのでもう会えることがないだろう。

さて、復活場所に戻るかな。

そう思いながらVRゴーグルをつけてゲームの世界に戻った。

だが俺が見たのは復活の場所では無かった。


「あれ?ここは?」


何故か俺が目覚めたのはベッドの上だった。


やさしさってありますよね。

それが感じられる次回を作りたい。

と思う作者。

次回もよろしくおねがいします。

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