サブストーリー 第十一話未歩編「未歩と卯月」
おはようございます。
那祢です。
トイレの回、終わりませんでした。
今回はリーダーが誰なのかわかります。
またあとがきで!
「ちーちゃんと美申!?二人ともどうしたの?」
トイレに登場した二人に驚く私。
「どうしたのこうしたもないでしょう!!あなたがあんな顔をしてトイレに向かうんだから気になったんだよ!!」
怒る千鳥ことちーちゃん。
ー カシャッカシャッカシャッ! ー
「うん。何かあるんだな~と思って~。ついてきたんだ~よ?」
と言いながら携帯電話で状況写真を撮る美申。
「おいっ!お前、何私達の写真を撮っている!」
ホースを持って水をかけていたリーダーが怒鳴っている。
「イジメの~現場証拠だよ~?」
その一言でイジメていた彼女たちの空気が凍りついた。
「個室トイレに~水を流しているところの現場写真を撮っただけですよ~?これでみんな、ここから出ていけないですね~!あと、この状況~あの方にメール送信しなければ~いけないですね~。」
「あなたもしかして知っているの!?」
「何を言ってるんですか~?私のメル友ですよ~?」
長い沈黙が訪れる。
そして美申が追撃をする。
「また~ボコされないように気をつけてくださいね~?」
ニコニコする美申。
その笑顔に取り巻きの子たちは一斉に
「ごめんなさい!その動画、送らないでください!」
「えーどうしよっかなー?君ら次第だけどな~?」
「もういじめしません!お願いします!」
「でもなー。前回と同じことしてるからな~。」
彼女達はガクガクに震えている。
それを見ていた怒りで裏モードの千鳥は
「てめえら!1度正座しろ!」
と告げる。
そう言われ彼女らはトイレの床のタイルに正座した。
「てめえらがやってることがゲスなんだよ!それぐらいわかるな?」
「は、はい!」
「じゃあ、もう誘われてもこんなことするんじゃねえぞ!」
「わかりました!!すみませんでした!」
正座して謝る彼女たちの姿はまさに土下座だった。
「そしてあと一人だねー。」
「うっ!」
美申に言われ動揺するリーダー。
マスクをしているから素顔がわからない。
でも、私は懐かしさを感じていた。
「ねぇ、あなたはうーちゃん?」
私はつい聞いてしまう。
「えっ?卯月?!」
「うーちゃんて誰~?」
その問いにリーダーはマスクを取る。
私のかつての友達、梁川卯月がいた。
「あなた、何やってんの!!!」
千鳥が怒鳴る。
その問いに卯月は無言。
「何か言いなよ~?君って昔の未歩の友達だったんだよね~?」
美申も言うがそれでも無言だった。
私も卯月を呼ぶ。
「うーちゃん・・・なんで・・・」
動揺する私の問いに卯月は話し始めた。
「だって・・・だって・・・」
そう言いながら涙は流し卯月が話し始めた。
ー 二か月前 卯月編 ー
「ねえ、そこのあなた?」
「はい?」
私は移動教室の帰り道、猫音達に声をかけられた。
「あなた未歩さんとお知り合いなの?」
私はその問いに
「そうだよ!親友さ。」
「へぇ・・・そうなんだ。」
「みーちゃんスポーツができるし頭もいいし本当に文武両道ですごいよね。」
私の素直な意見を猫音に伝える。
すると
「そう、じゃあ貴方は・・・私の敵ですのね!」
「えっ?」
冷たい笑顔が見えた。
次の瞬間、猫音の周りの取り巻き達は私を床に叩きつけた。
「じゃあ、ボロボロになっても大丈夫ですね。友情っていうものがあるんですもん。」
「やめて!なんでこんなことするの!!!」
「未歩さんが嫌いだからですが?皆さん顔を狙っちゃダメですよ。目立ってしまうので。」
「みーちゃ・・うがっ!うぐっ!やめ・・・がはっ!!!」
「何をいってるんですの。カエルみたいな声で。」
そして私は体中に痣が沢山できるまでボロボロにされた。
「あっ!」
未歩は思い出した。
たぶん彼女がボロボロにされた次の日だろう。
彼女の大好きな体育の長距離走を休んだこと。
走るのが大好きで休むことがなかった卯月が体の不調で休んだこと。
そして猫音たちが去る時に言ったの一言。
「次は貴方がターゲットになります?どうするの?」
「・・・・うっ・・・・・」
「どっちですの?」
取り巻きが近寄ってきた。
「ひっ!!!わかりました!やめます!友達やめます!」
「そう?なら今の立ち位置で未歩の情報流してくれない?」
「・・・・・わかりました。」
「貴方はお利口ですね。」
そして私は未歩を裏切った。
すごく嫌だった。
だからしばらくしてから辞めるように言ったけど
「やはり、次はあなたにしましょうか?ねぇ、下手な正義感は痛い目を見ますよ。裏切っていた話も伝えようかしら?」
もう逃げれなかった。
ー トイレ 未歩編 ー
「あなたの情報を流したり裏切ったりしてごめんなさい。」
泣き崩れる卯月。
それを見ていた
「じゃあなんでお前は私にみーちゃんを探させたんだよ!」
「えっ?!」
怒鳴る千鳥の一言に私は驚いた。
「・・・・・」
「あのときな、こいつ・・・」
ー 未歩がトイレでいじめられている最中 ー
「ちーちゃん、みーちゃん知らない?」
と卯月が聞いてきた。
「みーちゃん?知らないなー。なんで探してんの?」
「一緒に帰ろうと思ったんだけど一緒に探してくれないかな?」
「いいよ。」
そして千鳥は探し校舎で走りながら泣く未歩を発見した。
「あれはなんだったんだよ!」
「・・・・・」
「だまるな!」
「千鳥なら未歩を慰められると思って。裏切りを伝えたっ・・ひぐっ・・・ら未歩、こわれちゃう・・・から・・・ひぐっ」
千鳥の問いに泣きながら卯月が答える。
そう、あの時。
自分が裏切っていたと伝えるために助けてくれたんだ。
私は涙がほほを伝う。
「じゃあなんでこんなことを?」
「未歩の分、猫音に復讐したかった。この子達も・・やられたことある子達ひぐっ・・」
それが彼女のやりたかったこと。
そして本心なんだとわかった。
「ならもう大丈夫だよ。」
「えっ?」
私は卯月に抱きついた。
「これ以上はやめて・・・・。これ以上、罪を被らないでよ・・・・。」
「み・・・みーちゃぁぁん!!!」
「許してあげるから。」
「また・・・・仲良く・・・してくれますか・・・・。」
「もちろんだよ。」
「うわぁぁぁん!!みほぉぉぉ!!ありがど~う!!!」
トイレの中で泣き会った。
「もしや私、わすれてらっしゃる?」
個室に閉じ込められしょげている猫音であった。
トイレの個室。
猫音はどうなる?
次回こそ終わる!
そうしたい那祢でした。
次回もよろしくお願いします。