サブストーリー第三話芦川編「許さない。」
こんばんわ那祢です。
本格的に暑くなり体力低下を感じます。
熱中症には気を付けてください。
今回は芦川第三弾。
あの話まで繋がります。
楽しんでもらえたら嬉しいです。
ではあとがきで。
次の日私は母校に来ていた。
何故来たかというと・・・。
私は電話をかける。
-ブルルルル・・・・-
-ピッ-
「どうしたんですか?芦川先輩・・・?」
私は知り合いを電話をした。
三年生だった時、情報通で色々聞きまくってきたこの子を。
「今日はなんで私を?」
「ちょっと話を聞きたいからね。あんまり目立ちたくないから裏まで来てくれない?」
「私も目立ちたくないので。わかりました。」
私は電話主を校舎の裏へ呼び出した。
それから五分かからないうちに彼女はやってくる。
「早かったわね。」
「・・・いえ、先輩が聞きたいことが気になりまして。」
「そう?イイコね。聞きたいことがあるって言うのはこれを見てほしいの。」
「!!!」
「この写真の男、わかる?」
私が写真を見せると彼女は『ビクッ!』とした。
そして彼女は沈黙を始める。
「もう一回聞くけどこの人わかる?」
彼女は下を向き沈黙をして震えている。
わかっている。
私は確信した。
「ねえ、何で分かっているのに答えてくれないの?」
私は彼女の口から顎まで掴み締め上げながら私の方に向かせた。
いや、私の目を見るように向かせた。
その状況に彼女が慌て怯える。
「許してください!芦川先輩!!私は喋りたく・・・!」
-ドゴン!-
壁を拳で一発叩きつけた。
校舎裏の壁がへこむ。
それを見て彼女は腰を抜かした。
そして・・・
「・・・ぐすっ・・・ごめん、みーちゃん、猫音。先輩、私が知っていること・・ひっく・・・話します。」
彼女は泣きながら私に聞こえる位のか細い声で話の内容を語り出した。
昔、痴漢騒ぎでこの人を清里猫音が無実の罪で捕まえたこと。
そして一年半たち猫音がふたたびバスで出会い優しくされて惚れてしまったこと。
クラスのいじめられっ子の女子がバス内でこの人と仲良くなり優しくされたこと。
それを見て猫音がいじめが悪化したことなど話をし始めた。
「・・・以上が私の・・調べた・・ひっく・・・話です。」
泣きながらも全てを話終えたようだった。
「ふぅ・・・」
私はため息をついた。
一度、痴漢と間違えた猫音が拓巳先輩を好きになったこと。
私が知らない間、バス内で出会った女子高生と仲良くなったこと。
そしてその子をいじめた事により先輩とその子との絆が強くなってしまったこと。
昨日の出来事の全てが繋がったのだ。
私の考えている足元にびくびくしている後輩に最後に一つ聞いてみた。
「で、その子は今日出勤してるの?」
その問いに泣きながらもおもいっきり首を横に降リ続ける。
どうやら休んだらしい。
「わかったわ。ありがとう。もう行っていいわ。」
その場で座りこんでいる彼女を片手で引っ張り立たせると私は直ぐに携帯電話で人を呼び出した。
相手ははもちろん清里猫音。
「もしもし、私。猫音、ちょっとこっち出てきなさい。場所は・・・」
「!!!」
その呼び出しに先ほど話していた女の子が悲鳴を上げて逃げ出そうとしていた。
だけど体が震えて動けないようだ。
電話を切った私は彼女を少しからかってみた。
「あなた、楽しみね。どうなるのかしら?」
「あ、あああああ・・・」
「ふふっ、安心しなさい。あなたはボコボコにされないわ。だって私が彼女をボコボコにするんだもん。」
どうにかしてもがきながら彼女は草の茂みに隠れた。
私の顔はニコニコしてた。
内心は今までの計画を潰されてイライラだけどね。
私は時計をみる。
呼び出して五分は経過した。
さてとそろそろ到着するかな?
すると後ろから声がした。
「芦川先輩、いきなりどうしたのですか?」
「猫音、お久しぶり。ねえ、いきなりだけどあなたこの人知っている?」
私はすぐさま拓巳先輩の写真をみせた。
猫音は写真を見て嬉しそうな顔をしてこう答えた。
「あっ!バス内で私に優しくしてくれた紳士的なあの方です!なんで先輩、写真持っているのです?この写真、くださいませんか!」
写真を見てニコニコしながら答える猫音。
それに対し私はイライラしてしまった。
私は彼女を頭を片手で鷲掴みにする。
「何、お前はなに忘れてるんだ。昔、痴漢と間違えて大騒ぎした人だよ。私が弁護したあの人だよ?よく見なよ。」
「えっ!嘘ですよね!?」
その言葉に猫音は目を大きくさせもう一度写真をみる。
「一年半ぐらい前にお尻を触られたって大騒ぎして超迷惑をかけたあのサラリーマンだよ。その時に私、この人に惚れたって言ったよな?忘れたの?」
「・・・・・」
その言葉に彼女は顔を青ざめて震えだした。
さすがにそうだよね。
普通の人は痴漢と間違われたらは絶対にその人を許さないだろう。
もし、猫音が拓巳先輩を好きになっても向こうは絶対覚えているはず。
絶対に叶わない恋。
しかも先輩の好きな人だとは。
「嘘・・・私の王子様。見つけたと思ったのに・・・」
猫音は絶望を感じているようだった。
それに続き、私はもう一つの事を聞く。
「最近、いじめをしてるんだって?」
彼女はビクンと体を震わせた。
そう、私が卒業したときに言い残していった言葉。
-強いものが弱いものを守れ。いじめるな!-
「私、弱いものいじめをして良いと言ったかな?」
「い、い、い、言っていません。」
「じゃあこの間、雨でもないのにずぶ濡れの子いたけどあれは・・・何かな?」
「・・・・・」
「お前、・・・やったな?」
「!!!すみま・・ぐふっ・・!」
彼女が謝ろうとする。
しかし、頭を捕まれたままなのでできない上、喉元をもう片方の手で鷲づかみされた。
「するなって言ったよね?」
「は・・・い・・・」
「何でしてるのかな?」
「あ・・・・あ・・・・」
力強く喉元を締め上げる。
苦しくて声が出ないようだ。
「先輩の言うことはしっかり守ろうね?・・・次はないよ?」
そう言って彼女を解放した。
「はぁっ・・はぁっ・・ごほっ!・・・すみませんでした。」
「いじめはしないようにね?それと、いじめた子の家ここから近いの?」
私の問に猫音はバスの乗る場所を教える。
多分そこに先輩が行くのだろう。
私は夕方になっていたが向かった。
目的の先輩を見つけてあとをついていく。
飛び蹴りをくらわせる女子高生が乱入。
二人の女子高生に囲まれる先輩。
そこで先輩にキスをするクソ⚪ッチ!
私のイライラが絶頂に達していた。
「・・・先輩!」
「えっ!!!」
そして帰宅する先輩に等々声をかける。
「お~。芦川さんお疲れ様。それとこんなところで何をしているんだ?」
-こんなところで何しているんだ?-とおもわれたかな?
「今、友達の家から帰り途中だったんです。先輩こそこんな時間 に何してたんですか?」
とごまかした。
「ちょっと野暮用でね。今、帰ってる最中。」
野暮用・・・キスされるのが?
女子高生のパンティーのぞいてよろこぶのが?!
「野暮用・・・ですか。じゃあ今は暇なんですね?今からご飯、食べに行きませんか?」
私はごはんに誘ってみた。
「うーんごめん・・・。ちょっと今日はパスかな。さっきご飯食べたばかりだから。」
なんで私の誘いを断るんですか?
あの子達の誘いは断らないで!
「ならコーヒーとかでも良いので行きましょうよ。お腹にはたまらないですよ。」
「・・・分かったよ。」
拓巳先輩はため息をついたが承諾してくれた。
私は嬉しかった。
「ヤッター!ありがと~!さあ、いきましょう先輩!」
私は先輩の腕に手をかけてた。
彼氏彼女の繋ぎ方をする。
「おいちょっと芦川!?ついてくから離してくれ!」
「駄目です。先輩遅いから!」
私は幸せを感じながらレストランへ向かった。
「いらっしゃいませ!リトルガールへようこそ」
先輩が驚いている。
「何ですか先輩?不服そうな顔して。」
「いや、なんでもない。」
「何ですか先輩。そう言われた気になってしまいますよ。」
「気にしないの。さあ座ろう。」
私たちは向かい合って席に座る。
「ねえ先輩、何を飲みますか?私はアイスティーとパフェを頼みます。」
「俺はアイスコーヒー。」
「じゃあ注文しますね。」
そう言いウェイターに注文する。
注文がくるまでさっき気になっていたことを聞いてみた。
「先輩さっき、若い子と一緒にいませんでしたか?」
「そうだけどそれがどうした?」
気のない返事で返してくる。
まさか認めるなんて・・・
私の笑顔がひきつった。
そしてつい言ってしまった。
「先輩、ダメですよ。援助交際するなんて。」
「げほっ!」
先輩はテーブルに置いてある水を飲んでいる最中だったので水を吹き出しそうになっている。
落ち着いたのかこう答えた。
「俺が女子校生に手を出しているとでも?外が暗かったから家まで送り届けていたんだけどな。」
「そんな暗がりまで何してたんですか?不潔です!」
「その想像が不潔だよ。学校での話をしたり悩みを聞いていたんだが。」
「じゃあ何であんなに寄り添って帰っていたんですか!」
「だから相談にのったから多分気に入られたんだと思う。」
うそつき!
あんな分かりやすいのに。
私もイライラしていたので食って掛かる。
「絶対あちらに好意がありますよ。その気持ち無下に出来るんですか?」
「何故そこまで思える?もしあったとしても単に大人に向けての憧れとかじゃないか?」
私が言おうとしたとき・・・
「お待たせいたしました。アイスコーヒーとアイスティーです。」
注文がやって来た。
二人は飲み物を一度飲み・・・
ふたたび攻防戦が始める。
まず先輩から・・・
「じゃあもし俺が女子高生と付き合っている、付き合うことになったならば何か問題でもあったのか?」
その言葉に私の笑顔が崩れた。
信じられない!
私の好意に気がついてない上に女子高生と付き合いたちだって!
怒りで暑くなった私をアイスティーを飲み落ち着かせる・・・
「私は先輩に犯罪者になってほしくないから言うんですよ。デートしてたら普通に職務質問ですよ。ふぅ~困りました。私は大人なら大人の恋愛をして欲しいんです。」
「大人の恋愛?恋愛に大人も子どももあるのか?」
「なら十歳位下の女子高生と付き合う25歳の社会人がいますか?付き合っていくうちにジェネレーションギャップ感じますよ。」
「まだ若い子だからまだまだ恋愛とかそういう意思はないはずだよ。」
「なんでそう簡単に考えられるんですか。向こうは違うかもしれないじゃないですか!」
私は恋愛感情は年の差は関係ないとわかっている。
でも伝えたら付き合ってしまうことも考えられるので濁らせてこたえているのに!
その時・・・
「お待たせしましたパフェとなります。ご注文はお揃いですか?」
「はい。」
「こちらが伝票となります。それではしつれいします。」
「「・・・・・」」
先輩はふたたびため息をつく。
そしてアイスコーヒーをぐいっと全部飲み干して伝票を持った。
「何でそこまで心配してくれるのか分からないけどご忠告ありがとう。ここの代金は俺が払うよ。じゃあまた明日、会社で。お疲れ様。」
先輩のそっけない態度に私は驚いた。
「ちょ!拓巳先輩!まだ話が!まってください!私が心配してる理由は・・・」
先輩はお店から出ていってしまった。
-好きだから-
最後に出た言葉は届かなかった。
目の前のパフェを食べる。
少し涙を浮かべながら。
でも心の中では・・・
-ゆるさない・・・私の先輩をとるのは絶対に!私の先輩なんだ!私が一番、拓巳さんの事が好きなんだ!-
彼女はこの日嫉妬の炎で焼かれた。
芦川ストーリーどうでしたか?
次回は・・・考え中です。
色々材料探しに行かないと。
もしかしたら休むかもしれません。
また次回、よろしくお願いします。