第十三話拓巳編「骸骨騎士団」
今晩は那祢です。
今度からメイン更新は金曜にします。
木曜からお待ちのかたすみません。
今回もよろしくお願いします。
「皆、酷いよ。遅れてきたのが駄目だったのかい?『四十分で支度しな!』くらい早く来たのに・・・」
先程の件からご機嫌斜めのドラグさん。
そんなドラグさんを気にせずに俺たちは早速、ギルドでクエスト受け、出掛けた。
今回のボスは「スケルトン騎士団長」はアンデットなので回復魔法や蘇生魔法が必要となっていた。
因みにこの敵は攻撃力が高く魔法使いやシーフ、狩人だと痛恨の一撃を喰らうと即死になりかけない。
その為、回復&サポート役の魔法使いのトガリが必要であった。
「ねぇ~だ~りん。今回はどう~するの?」
道中の雑魚を倒し、暇になったトガリが聞いてきた。
「今回はセフィロのレベルを上げるのが目的だからドロップアイテムは皆で好きにして良いよ。それとダーリンじゃないぞ。」
「ひどい~!でも、そんなあ・な・た。嫌いじゃないわっ!むしろ大好きっ!」
何だか後ろから冷たい眼差しを感じられる。
振り替えるとセフィロがこちらを見ていた。
「すみませんがイチャつくのはクエスト終わってからにしてください。」
「あれぇ~?どうしたのセフィちゃん。怒ってるの??」
「別に。ただ話をしているとヘイト上がるから敵に襲われやすいので注意しているだけです。」
因みにヘイトが上がると狙われやすくなります。
「セフィちゃんは固いな~。今回はボス倒すだけじゃなくてレベル上げるのが目的だよん。骨さんは弱いからどんどん倒せるでしょ?」
「確かに倒しやすいですが・・・」
「でしょ?なら気にしないでバンバン話そっ!ねっ?だ~りん!」
押しきられたのが悔しいのかセフィロはしょげた。
そして、その横にさっきまでしょげていたドラグが来る。
「俺と一緒!おお、同志よ!さあ、こっちへ!これで君も俺の仲間入りだ!」
その一言が頭にきたのかセフィロはナイフを構えドラグを追いかけ回した。
逃げるドラグと追いかけるセフィロ。
平和だな~。
だけど、あんまり弄りすぎるとセフィロがギルドをやめてしまうかもしれない。
俺はセフィロに個別チャットをする。
『あまり気にしないでね。彼らは濃いグループだから。』
『はい、解っています。ただ少し気に触ったので。』
『確かに言葉使いが酷いよね。注意しておくよ?』
『いえ、そちらではなく・・・。気にしないでください!』
『えっ?』
そして個別チャットを終了した。
それからどんどん出てくる雑魚骸骨兵をたおしていく。
-そちらではなく・・・-
さっきの言葉が気になりながらも骸骨を弓矢のヘッドショットで倒していく。
ならどちらなんだろう?
もしかしたら少し好意が?
俺は少し悶々としていた。
その時、
「だ~りん!ボスのお出ましだよぅ!」
鎧を着た大きい騎士がやって来た。
後ろに沢山の骸骨兵をつれて。
俺達は暇さえあればこのクエストをやっていた。
その為、みんなかなり強気である。
まず、先頭をきったのはドラグだった。
「おら、わくわくすっぞ!ドラグいきまーす!」
そう言いながら彼は騎士団長に槍で先制攻撃を仕掛けた。
-ガギィーン!-
スケルトン騎士団長は大きな盾で攻撃を防ぐ。
そしてスケルトン騎士団長が剣を抜き振り抜いた!
-カチャ・・・ヒュン!-
風を切る音の剣がドラグ目掛け襲う!
-ギィィーン!!-
腕に着けていたバックラーみたいな物でドラグは攻撃を受け流した。
二人はゆっくり戦う。
因みにスケルトン騎士団長の強さは自分達の今のレベルでも上位ランキングに入るくらい強敵だ。
一発でも攻撃が当たればお陀仏になる。
しかも盾を持っていて攻撃を弾く。
そんな矛盾ばかりの敵と俺達は戦う。
-ヒュン!バシ!バシ!-
俺はドラグとスケルトン騎士団長の戦いの邪魔をさせない為、必死で雑魚スケルトンの頭を撃ち抜く。
-ガリッ!ガシャン!ガシャ!-
俺の近くに来たスケルトンをセフィロが倒す。
俺達二人は息もあったコンビネーションをした。
ボスがいる限り減らない雑魚スケルトン。
その数がどんどん迫り来る。
「なかなかやるねぇ!俺、ワキワキしているぞ!」
チャットをして少し余裕そうなドラグだったが盆ミスをして少しずつダメージを受けている。
『バイジャさん、ヤバくない?』
焦りを感じていたのかセフィロから個別チャットがくる。
ヤバくないってやっぱりセフィロ若いなと思いながら時間を確認する。
『あと少し頑張って。トガリがやってくれる。』
俺はそう答えて戦いを続けようとした。
その瞬間、辺りは真っ白な光に包まれた!
雑魚スケルトンは辺り一面灰になる。
-グォォォォォァァー!-
ボスのスケルトン騎士団長も叫び声をあげながら灰になる。
どうやら作戦が成功したらしい。
「あれぇ~?おまたせぇ~?ダーリンたち無事だった?」
唖然としているボロボロのセフィロの後ろから気の抜けたコメントチャットがくる。
声の主はトガリだった。
俺達の作戦とはアンデット全体に蘇生魔法をかけることだったのだ。
チェインリングスでは魔法を使う際は三つ紋章の組み合わせが必要となっている。
例えばファイアー○ールみたいな火の玉を飛ばす場合は『火』+『単』+『小』の組み合わせで発動が0.5秒位の詠唱で野球ボールが飛ばせる。
それを回復魔法でやったのだ。
トガリはまず『影』+『自』+『永』を使い自分を影で隠した。
そしてから敵に向け『蘇』+『全』+『大』で蘇生魔法を唱えたのだった。
蘇生魔法は回復量によって結構時間がかかるのですが魔法の発動時間はレベルが上がるごと早くなるので十分で唱えていた。
前回は二十分ぐらいかかっていたのでそこから考えるとトガリは前クエスト行った時よりかなりレベルが上がっているはずである。
因みに最初から戦っていた僕たちは敵に眼を行かせないための囮だったのだ。
とまあ、簡単に全滅させられるこのクエスト場合レベル上げるのには人気である。
経験値もドロップアイテムも貰えるこのクエストはかなり人気があり暇さえあればヒーラーの人がこのクエストを募集している。
「ふぅ、なんとかなったな。」
「ええっ!?信用されてなかったですか!?」
「久しぶりにやるからね。新人さんも一緒だったからね。セフィロ、お疲れ様。」
「ねぇダーリン!わたしには?」
そんなことでわいわいしていると。
「スケルトン騎士団長、やはり強し!さすがは毎回倒せないだけある!」
満足気な雰囲気なドラグが帰ってきてみんな集まった。
前回はかなりやられていたので全員無事だったのは嬉しかった。
そして、ドラグはみんなにこう言った。
「さあ!あと五回はやるっしゅよ!がんばるっしゅ!!」
「えー!!」と言う二人。
そう、今回の目的はレベル上げである。
俺達はギルドに向かって歩き出した。
因みにセフィロはチャットを返さずせっせとスケルトンのドロップアイテムをひろっているのでした。
次回はサブキャラストーリーです!
誰にしようか考え中です。
四人もいるので・・・うーん。
次回もよろしくお願いします。
那祢でした。