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第九十九話拓巳編I「石和との物語」

こんばんわ!

那祢です。

今回は千鳥の話。

彼女はどう選ばれるのか?

またあとがきで!

「わかりました。考える時間を・・・・」


俺がそう答えようとしたときだった。


「旦那様?」


刺さるような鋭い眼差しがきた。

石和千鳥。

彼女が細い目をしながらこちらを見ている。


「な、何ですか?千鳥さん。」

「なにかって決まってるでしょ?」


腕を組んで威圧している千鳥。

彼女の指がこちらに向く。


「まだ決めてなかったんですか!私達、貴方に告白する前に気持ちは伝えてあるはずですよ?」

「あ、でも・・・・」


言い訳をしようとしたしたときだった。


「男がつべこべ言わない!」

「ひっ!」


今まで見たことない怖さ。

イライラしているのが伝わる。


「未歩や涼子さん、丑ちゃんだって待っていたんですよ?それを貴方は・・・貴方はー!!!」


近づく千鳥。

後ずさる俺。


「で、ま・だ・な・ん・で・す・か!?まだ時間がいるんですか!」

「わかった!いや、わかりました!決めました!」


俺は覚悟を決めた。

この中の一人。

今宵、彼女にする。

俺は彼女に手を伸ばす。


「「「えっ?」」」


そして、抱き締めた!

抱き締めた彼女は・・・・・


「えっ?なんで、アタシなの?」


俺は千鳥を抱き締めていた。

動揺する千鳥。


「・・・・・・・・・?」


しばらく固まっていたが頭の中の整理が終わったようで抱き締める俺から暴れ始める。


「な、な、何でだよっ!抱き締めてんのよっ!」

「だ、だから決めたんだよ。聞いて!」


抱き締めてる力を強くする。

道場の一人娘の力は強い。

油断したら吹き飛ばされるぐらいだ!


「もー!だ、抱きつくならもっとかわいい子にしなよっ!」

「だから、俺にとって君は・・・・」


つかむ手を返される。

そして、


ー ドーン! ー


「ぐはっ!」


背負い投げされた!

背中から落下して強打した!

目の前が歪む。

あ。

ああ。

意識が飛ぶ。



「・・・・おはよう。」

「あ、おはよー。」


朝の日差しで目が覚める。

目の前には千鳥の顔。

覗き込んできたので息がかかるぐらい近さだ。

俺は暖かい布団の中にいた。


「痛いっ!」


ズキンとする頭を押さえる。

ん?

ここは?

俺の家ではない。

何故なら横を向くと畳が引かれている。

家は全てがフローリングで畳がある筈がないのだ。

ならばここは?


「ようこそ私の家へ!」


今まで見たことのない笑顔の千鳥。

そうか、千鳥の家。

あれ?

制服から胴着になっているぞ?

ということは・・・・・道場!?

俺は起き上がり回りを見渡す。

畳だ。

畳が一面引かれている。

そこの端には見慣れた二人がいる。

未歩と涼子だ!

だが、何故か二人は重なるように倒れていた。


ー 何があったのか? ー


服装がボロボロだった。


「ねぇ?あの二人何があったの?」

「んー、まあね。色々あったよ?」


全く理由になっていない。

しかもよく見ると千鳥もボロボロだ。


「なあ、もしかして・・・」


話しかけようとした俺。

そこに彼女からアクションが入った。

俺の唇を彼女の唇で塞がれた。


「なっ!・・・んっ!・・・・・ん・・・」


頭をしっかり両手で捕まれている俺。

逃げる気はないのでなされるがまま。

優しいキスから激しいキス。


「んっ・・・・。・・・・ん・・・・。」


そして唇が離れる。

俺はしばらく息をしてなかったので息が切れる。

呼吸を整えて・・・聞いてみることにした。


「千鳥、あの二人と戦ったでしょ?」

「んーん。バトルロワイアルかな?」


えっ?

それって・・・・殺しあいでは?

な、ならあの二人は・・・・


「あー。死んでいないよ?怪我しただけだと?本気だして戦ったからなー。」


本気。

道場娘とスポーツマンとヤンキー。

三つ巴の戦い後の間、寝ていた俺。


「申し訳ない!大変申し訳ないです!」


一生懸命、土下座で謝る俺。

それに対して彼女は


「いえ、勝ち取った感はあるので満足しましたよ。」


ムフー!

満足そうだ。


「そ、そうなんだ。」

「あとは貴方から選ばれた理由を聞くだけ。」

「えっ?」

「まだ聞いてないから。叩かれるのが好きなマゾヒスト以外がいいね。」


ニコニコしているが冷たい眼差し。

俺は覚悟を決めて伝えることにした。


「俺はなかなか物事を決められない部分が多い。だから君みたいにバシバシしている人に惹かれるんだ。だから・・・・」


ー バシーン! ー


「いっ!」


背中を力強く叩かれた!


「うーん。もう一捻りほしいな。やり直し。」

「なら・・・・」


俺はここから何十回告白する。

はたして成功するのか?

こちらから始まる恋のストーリ。



八年後・・・・


俺は会社と道場二つを掛け持ちすることになる。

未だに奥さんには勝てないが・・・・

財政の切り盛りなら負けていない!

あと、師範代に未歩と涼子。

二人がのしあがった。

彼女ら三人の強さに引かれた奥さま達、子ども達が通い賑やかになっている。

うん。

これならしばらくはこいつらが大きくなるまで大丈夫だな。

背中に息子、お腹に娘を背負い面倒を見る。

体力作りにもってこいだ!


ー ガラガラ・・・・ ー


「旦那様?」

「ん?」


千鳥に呼ばれた

どうやら奥さんが道場が終わって家に帰ってきたようだ。


「二人、まだ寝てるの?」


千鳥は頬を付く。

起きそうで起きない。


「ふふっ。可愛い。」


俺にもあまり向けない笑顔。

それを二人に向ける。

俺にはないのにな・・・

すると・・・・・


「旦那様。」


いきなり千鳥に呼ばれる。

振り返ると


「むぐっ!?ん・・・・・・・」

「ん・・・・・・・・・・ぷはっ!」


キスをされた。

そして・・・・・


「幸せだね。皆がいると私、強くなれるよ!」

「今よりかよ。俺、何時になっても勝てないよ!」

「かまわないよ。私が守るから!」


俺の回りをぐるぐる回る千鳥。

そんな彼女の肩をつかむ。

捕まれて彼女は驚く。


「んっ?」


その隙に優しく抱き締め・・・・


「君達を守らせて。俺の大切な人。」

「う・・・うん。ありがとう。」


二人、手が重なり握り合う。

そしてもう一度・・・・・

キスをしようとした時だった。


「師範代ー!まだですかー!」


家に繋がっている通路から呼ばれる。

そして二人は向かうのであった。


道が一つある。

そしてそこにいくつもの枝分かれした道がある。

それを進み決めるのは自分自身。

そこで出会った人との繋がりで人は強くなる。

心や身体的にも。

まさに鎖の輪のように繋がっていくのだ。


「チェインリングスクロニクル」


一つのゲームで出会った者達の話である。

悩んだ結果この話になりました。

本当は甘々にしたいけど纏まらなかった。

彼女らしいストーリーになったはずですがまだまだな気も。

次週はお休みをください。

またよろしくお願いいたします!

那祢でした!

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