表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
140/144

第九十九話拓巳編A「芦川との物語」

こんばんわ。

那祢です。

ストーリー長くなりすぎました。

一応Aサイドの話です。

Aは芦川。

あと四人も作る予定です。

またあとがきで。

「芦川・・・・いや涼子さん。俺とお付き合いお願いします。」


俺はお辞儀をしながら右手を前に出した。

・・・

・・・・・

・・・・・

・・・・・・?

長い沈黙が流れる。

あれ?

俺の手を取る様子はない。

まだかなーまだかな?

手を軽く降ってみる。


「ふっ・・・ひっ・・・・」


反応がない。

じれったいので垂れている頭を少しだけあげてみた。


「なっ?!」


俺が見たのは泣いている芦川だった。


ー どういうことだ。 ー


あの強靭な伝説を持っている番長の芦川が泣いている。

俺は何かひどいこと言ったのだろうか。


「ど、どうしたっ!何で泣いているっ?」

「いえ・・・ちょっ・・と動揺して・・・ひっぐっ。」


いけないことをした気がしてすかさず謝る。


「ごめん、驚かすつもりは・・・・」

「なか・・・な・・・かな・かなか決めて・・・くれないから・・・見限られたっ・・のかと・・」


いつも笑顔のあの顔が。

ぐしゃぐしゃになるほど泣きじゃくっている。


「本当にごめんな。待たせたね。」


沈黙に耐え切れず、俺は優しく涼子の頭を撫でた。


「うん・・・うん・・・・」


頷くだけの芦川を俺はそのままそっと抱きしめた。


「ごめんね。」

「んっ。」


二人の時間が流れる。

幸せな・・・


「ゴホン。」


咳払いが聞こえてくる。

わざとらしいが。

周りを見渡すと状況が終わるまでずっと待っていてジト目なみんながいた。


「すみませんがそろそろ気が付いてください。フラれた私たちを長くほっとかないで下さい。」

「ま、私じゃないのは知っていたからね。でも先輩があの先輩が・・・・」


千鳥と丑が呆れながら言う。


「あー悪い悪い待たせたね。」


抱きしめている涼子を放した。


「あっ。」


その瞬間、切なそうな声が聞こえた。

抱き締めておきたいがけじめをつけないと!


「涼子と付き合うことになりました。」

「拓巳さんとつきあいます。」


二人で報告をする

言いながらハンカチで涙を拭う芦川。


「たっ拓巳さんと・・・付き合えたのは・・・みんなの・・・おかげだよぅ。ありがとねー。」


そう言いながら俺は手をつなごうと・・・


ー ブウンッ! ー


つなぎ駆けていた手の間に一陣の風が切った。

な、なんだ?

飛んできたものを俺は確認する。

それは未歩の持っていた鞄だった。

一同、未歩を見る。

すると鞄を拾いに行く未歩。


「よいしょっ。」


そして、拾いこちらを見つめる。


「ねぇ涼子さん。私は許さないですよ。抜け駆けは無しですよね?拓巳さんは私達の拓巳さんですよね?あの時、約束をしましたよね。忘れちゃいましたか?フフフっ。」


笑いながら言う未歩。

だがその目は光などない漆黒の闇をしていた。


「拓巳さんも言ってくださいよ。俺は四人のものだよって。涼子さんだけのものではないって。」

「ねぇ?未歩。未歩ったら?」


未歩の言葉に驚いた千鳥が近寄るが


「寄るなっ!」

「あがっ!」


背の高い未歩。

リーチのあるカバンでの薙ぎ払いを千鳥が直撃してしまう。

勢いで後ろに吹き飛ぶ千鳥。


「あっ!千鳥さん大丈夫で・・・はぐぅ!」


かけつけようとした丑まで鞄の餌食になる。


「ちょっと未歩ちゃんどうしたの?」

「だからよるなっ!」


近寄る芦川にも鞄を振り下ろす。


ー パシンッ! ー


芦川は手の甲で鞄を払いのける。


「お前こそ敵だ!裏切り者だ!」


鞄を振り回し攻撃する。

しかも、上手な連撃。


「未歩、だから聞いて!」


ー パシンッ!パン!ヒュン! ー


説得しながらそれをいなす芦川。

ジャッキーチェンの映画か?

または格闘ゲームを見ているか?

そんな動きをするふたり。

それを見ているしかない俺。

うーん。

なんだか情けない。

そう思った俺は


「二人ともやめるんだ!」


ドラマのように二人の間に入ることにした。

ドラマならここで止まる。

二人ならここでやめてくれる。

だが、その考えは甘かった。


ー ドゴッバゴッ! ー


未歩カバンは見事胸部に。

涼子の裏拳は見事に腹にヒット!

そして俺は・・・そのままノックアウト。

気絶してしまった。



再び目を覚ます時には二人の戦い終わっていた。


「はぁはぁはぁはぁ・・・・」


息を切らしてしゃがみ込む未歩とその彼女を見下ろす芦川がいた。

芦川の手からは血が滴っている。

俺は脳震盪してぐらつく体を整え、芦川の元へ行く。


「り、涼子?」

「あっ、大丈夫だった?」

「お前・・・」

「殴ってないよ!鞄をさばいていただけ!」


笑顔で答えるが手の痛みが痛くて少し顔が引きつっている。

鞄の金属部分で怪我してしまったのだろう。


「ごめん。」

「謝んないでよ。」

「うんでも・・・本当にごめん。」


謝るしかない。

そして彼女の手を優しく握る。


「痛っ!」


怪我した部分なので優しくさする。


「大丈夫だって!すぐに治るから心配しないで」

「そんな・・・・簡単に考えられないよ。」


俺はそう言いながら彼女の手に自分のポケットにあるハンカチを手の甲に巻く。

簡単な治療だ。

それが終わると俺は彼女を抱きしめた。

柔らかくそして甘い匂い。

いつも仕事場で感じている優しい匂い。

よし、言わないと。


「君は俺の大切な彼女なんだろう?心配ぐらい・・・させてよ・・・」


俺も台詞の後半、半泣きしていた。


「うん。そうだね。」

「涼子、愛してる。」


そう言い、二人は口付けをした。



『それから五年後』



「ねえ、起きてぇ」


朝、俺はいきなり布団から転がされた。


ー ドーン! ー


見事ベッドから落下する俺。


「いたた・・・」


腰をさすりながらそのまま寝転がりながら伸びをする。

久々にあの時の夢を見た。

俺は皆にそれぞれの気持ちを伝えた。

二人は納得してくれたが未歩は了承しなかった。

その後も涼子ともめる事が多くなった。

そんなときに千鳥がアイディアを出してきた。

それは


「道場で未歩と涼子さんで勝負をして負けたら諦めるというのは?」


というルールを作り二人勝負。

結果は涼子の圧勝だった。

そして俺と涼子は付き合うことになったのだ。

それでも諦めきれない未歩。


「道場で勝てたらルール続行します。」


と言って1ヶ月に1度の勝負を挑むようになった。

今では


「未歩選手、流石の正拳付きが決まった!!次回は世界に挑戦です!」


テレビで大活躍となり賑わせている。


「ねえ、たくちゃん起きてぇ。」


背中に柔らかい感触が。

振り返る俺の目の前には涼子がいた。


「もう時間だよ?」


寝転がっている俺の背中の上に乗っている芦川。 俺たち二人は同棲を始めていた。

ちなみに只今、裸ではない。

ちゃんとパジャマを着ています。

彼女もねっ!


「そろそろ行く時間だよー」

「んー」


うどんをこねるように俺の背中をくすぐる。


「おきてよー。」


優しい言葉が俺の耳をくすぐる。

可愛い彼女と一緒で甘い生活。


「まさに幸せだな。」


つい言葉にしてしまう俺。

そんなミノムシな俺を


「さあさあいくよ!動く動くー」


着替えるよう俺を持ち上げる。

片手で立ち上がらされた。

さすがスペック高い自慢の彼女さん。

ところでさっきから行くよって言われているが。

その一言に涼子は、


「じゃあ、分からせる為に頭をシェイクするわね。」

と俺の頭を後ろから抱えて降り出した二つの柔らかな感触。

振られる頭。

幸せと地獄のキャパオーバー!

むしろ君を今、欲しく・・・・

あれ?

目の前にカレンダーがある。

今日って?

今日は休日だ。

そして日付を見えると赤い丸のついた日。

その日は・・・

たしか・・・・・


「ああっ!!結婚式だ!!!」


俺は急いで支度をする。


「やっと思い出したー。」

「ああっ!ゴメン!」

「謝ってばかりね。あのときと同じだよ?」


そう、謝ってばかり。

急いで支度をする。

そんな反省する俺に


「独身生活、最後になにか言いたい言葉は?」


と涼子が聞いてきた。

最後。

最後ならば。


「君をずっと幸せにします。ご一緒に式場に向かいませんか?」


の一言に

涼子は


「喜んで。約束ですよ?」


二人腕を組んだ。

そして式場に向かう。


色々な人がつながるお話。

そう。

鎖の輪の物語。

チェインリングスのストーリー。

芦川ちゃん用エンディング。

幸せになると誰かが不幸に。

他の三人の場合は?

また書きます。

誰とは決めてませんが。

また次回もよろしくお願いします。

那祢でした。


二月十四日

仕事で背中の筋を伸ばし過ぎて痛みで作業遅れてます。

書き終わりましたら投稿しますので土曜になってしまいます。

すみません!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ