第十話拓巳編「先輩は辛いよ」
下記終わったのを保存しないで消してしまい遅れました。
今回も楽しんでもらえれば何よりです!
那祢でした。
「ふぅ~!一段落ついたな。」
俺はパソコンを使い書類をまとめていた。
午前一番に仕事のお得意先に向かい見積書を見てもらい話をし、修正箇所をなおしている。
細かい数字だが間違えるとお得意先の契約が水の泡になってしまう。
その為、自分の机に冷たくなったコーヒーが置いてあった。
ーあれっ?いれたっけ?ー
誰かがいれてくれたのだろうか?
冷たいコーヒーを一気に飲み時計を見ると丁度、十二時になる所だった。
パソコンで打ち込んだファイルを上書き保存する。
そうすると部長が大きな声で騒ぎ立てる。
「さあて!飯の時間だ!外出するぞ!」
大きな一人言をいって一番に出ていった。
その後をみんな散り散り出て行く。
そういえばご飯持ってきていないな。
なにか買いに行こうかな?
片付けをして会社から出掛けようとすると・・・
「拓巳先輩!まってくださいよ~!」
「せんぱ~い?何処へいくんですか?」
後ろから二人の声が聞こえた。
一人は最初の頃、痴漢騒ぎで俺を馬鹿にしていた後輩、塩崎優牛。
そして最近うちの課に入ってきたオフィスレディーことOLの芦川凉子。
何故か同時に声をかけてきた。
優牛の方は仕事の大ミスを助けた後からなついてきていた。
芦川の方は優牛が「困ったときは拓巳さんに聞けばおしえてもらえるっす!」と何故かリスペクトしたため色々聞いてきてそこから仲が良くなった。
「・・・今から飯だけど。」
俺が二人のテンションに圧倒されて答えた。
「ならば俺もご一緒するっす!」
「私もご一緒しても良いですか?」
二人の声がかさなり二人は顔合わせお互い睨みあっていた。
そして言葉で言い争う。
「おい、何拓巳先輩を飯誘っているんだよ!」
「なによ、私は前回助けてもらった時のお礼で奢りたいだけです。あんたこそ何で?もしやそっち系?」
「なにいってんだよ!俺は先輩に聞きたいことがあって飯食いながら聞こうかと思ったんだよ。だからお前はくるな!」
「なんですって!だから・・・」
いつもこんな感じでバトルが始まる。
この争い、そのまま続けると休みが潰れてしまう。
俺はめんどくさいのでそっと二人を置いて会社近くの食堂に向かった。
二人がそれに反応する。
「ちょ!まってくださいよ!」
「あ~ん!先輩!置いていかないで!」
そう言いながら彼らは後をついてきた。
お腹が空いていたので早歩きで向かったので行きつけの食堂にあっという間で着いた。
「いらっしゃいませ!三名様ですね。こちらのテーブルへどうぞ。」
中にはいるとウェイターの女性が元気よく声をかける。
指定された席に着く。
そしてしばらくしてウェイターの女性が水をだして注文を伺いに来た。
「ご注文お決まりですか?あっ、拓巳さん。ご注文はいつもので良いでしょうか?」
「あっ。はい。お願いします。」
ほぼ毎日同じのを注文しているので覚えられている。
因みに注文内容は唐揚げ定食だ。
「お連れのお二人さんは何にしますか?」
「俺はカツ丼で!」
「私は・・・うん、チャーハンで。」
「はい。わかりました。唐揚げ定食一つ、カツ丼一つ、チャーハン一つですね?注文うけたまりました。」
にこにこしながらオーダーをとってウェイターの女性は調理場へきえていった。
そして料理が出来るのを待つ間、早速優牛が先程聞きたい話の内容を話してきた。
「拓巳先輩、俺、今まで言わなかったんすが、先輩お薦めしていた『チェイリン』やってんすよ!」
流石にその発言には驚いた。
優牛がしつこく「なんか楽しいの無いっすか?」と聞いてきたので何気なく自分が楽しんでやっているゲームを進めた。
それから会話で出てこなかったのでやっていないと思っていたのだ。
「それで今、あの剣を作りに行くんですが素材がわからなくて・・・」
「それならボストロールかボスオークの武器を分解して素材にして・・・」
「なるほー!そうすれば集められるんですね!」
「そっ、だからまずは・・・」
自分の好きなチェインリングス。
そのゲームの話ができるのが嬉しく、しかも教えるのも楽しくて二人で盛り上がっていた。
そうすると面白くない人が一人。
芦川凉子である。
「先輩。さっきから何の話ですか?」
「チェインリングスってゲームの話。」
「拓巳先輩、イイッスよ、話さないで。どうせやらないだろうし。」
俺もお前やっているとは思わなかったよ。
そう優牛に言われ凉子がにこにこしながら言い返す。
「先輩と遊べるんですか!なら私もやります!教えてください!」
「なら俺が教えてやるよ。」
「塩崎さんにはききたくないです。」
キッパリ言い切ったよ。
この子、恐ろしい子!
「なんだと!俺の方が仕事でもゲームでも先輩なんだぞ!」
「仕事の実力では同じです。だからあなたって・・・」
また言い争いが始まった。
何か止める方法は・・・
そのとき神はいた。
「お待たせしました!チャーハン、カツ丼、そして唐揚げ定食です!」
ウェイターの女性がすべてを遮りご飯をテーブルにおいていく。
そして平和が訪れたのだった。
仕事帰りとVRまで書きたいと思います。
次回もよろしくお願いいたします
那祢でした。