第八十三話拓己編「ゲームはいきなり止めちゃダメ。」
こんばんわ。
那祢です。
VRをはずしゲーム内と突然切れた拓巳。
どうなってしまうのか?
飛竜編の後日談です。
楽しんで読んでいただければ嬉しいです。
またあとがきで。
「よしっ!」
俺は営業用の資料の打ち直しを終え休憩をすることにした。
コーヒーを買いに自動販売機に向かう。
眠気覚ましにはブラックのコーヒーだ。
財布から小銭をさがす。
今、俺は仕事をしている。
えっ!?
あー。
あの後ゲームがどうなったかって?
いや、面倒な事になっていてね。
VRを無理矢理はずされた俺はこちらに戻ってこれた。
まあ、ゲームだからね。
しかし休憩ボタンやシャットダウンをしていないで外したため色々なことが起きた。
それは・・・・・
「今日で解禁ですね!先輩!」
芦川が聞いてきた。
「そう、今日からまた一緒に遊べる・・・・はずだ。」
あれから二週間近くたった。
そう、俺はピンクの竜人に・・・・違う意味で敗走。
(まあ、性的な意味と物理的な意味で。)
その後、ゲームにシステムエラーが起きたのだ。
未歩と芦川の二人は休憩ボタンを押していたので自動でセーブされていた。
だが、俺はVRをはずしていたので・・・・まあ、できなくてペナルティーを受けることになったのだ。
まず、システムエラー修復で運営の時間がかかり5日位かかった。
それから前の時と同じくプレイキャラが負傷状態。
無断ログアウトも含み新人教育も任命されたのだ。
なので仲間達と遊ぶことができなかった。
「全く拓巳先輩、運がないッスネ!」
「うるせー!!」
優午もやって来た。
「でも、良いこともあったンすよね?ぐふふふ・・・・」
優午は不適な笑い方をした。
ー こ、コイツっ!!この間話した事、覚えているなっ! ー
俺はゲームができなくて仕事帰りに優午を誘い飲みに行った。
その時につい話してしまったのだ。
竜人のリオラが可愛くてこのままの関係でも良いかと思ってしまった事。
あと、VRを外した時に二人が抱きつく状態になり・・・・
二人の柔らかな感触と良い香りがした事を。
「優午、お前もう飲みに行かないからな。ゲームでも助けてやらねー。」
「えっ!?ちょっ!待っ!サポートしてくださいよ!」
軽く釘を指しておかないとコイツは喋るからな。
すると仲間外れにされた芦川が
「で、ゆ・う・ご・く・んは先輩の何を知っているのかな?」
やや怖い笑顔で訪ねてきた。
しかし優午の肩に置く手の力は尋常ではない。
あ・・・・
涙目でこちらを見てる。
そんな優午に俺は横に首を降る。
「そ、そんなー!!せ、せんぱーい!」
「さあ、話してくれますよね。同僚に?」
そんな二人をおいて俺は仕事に向かった。
家に帰ればチェインリングスを仲間達で出来る。
そう期待をしながら椅子に座り打ち込み作業を始めた。
打ち込みながらふと思う。
ゲーム内で不審なことがあるのだ。
前回システムエラーで落ちたのだがその時に運営の話では
「ドラゴンの戦闘中に新たなドラゴンがやって来る。」
「そのドラゴンには勝てないから逃げるしかない。」
「ドラゴンの一撃技は即死する。」
などの告知がないため皆、戦闘してしまったというエラー。
そのドラゴンの色は赤色。
あと、一番わからないのは竜人など制作者は作っていないということだ。
後々俺は運営に連絡メールを送った。
あったことやバグではないか。
エッチな展開はいけないとか。
だが、運営から帰ってきたのはこの文だった。
「貴重なご意見ありがとうございます。問い合わせにありましたピンク色のドラゴンが竜人になり襲ってくる。しかもその竜人に如何わしいことをされた。と問い合わせがありましたが当ゲーム内ではそのような内容は一切ございません。お手数ですが一度ゲームのアップデート、エラーチェックをお願いします。」
と帰ってきたのだ。
その事をピンクの飛竜に会っていないギルド仲間で話した。
が誰も信じてくれなかった。
まあ、優午と王の二人にだけにエッチな方も話した。
二人は食いつくように聞いていたが。
というわけでうちらが会ったあの飛竜は幻ということになった。
不満だがしょうがない。
再び会わないことを祈るしかなかった。
そうしている内に帰宅時間になった。
俺は急いで帰る支度をする。
「では、お先に。」
俺は皆に挨拶をする。
「ちょっ!待ってくださいよ!あと少しで終わるッスから。めし!ご飯いかないっすカ?」
「先輩。可愛い後輩を置いていくんですか?今ならお待ちしていただけると・・・私が付いてきますが?いかがですか?」
二人は俺を呼び止めた。
魅力的な発言もあるが・・・・
「ご遠慮します。今日はゲームを進めたいから。ゲーム内で待ってるぞ。」
俺は片手を上げ挨拶をして帰った。
早足でバス停に向かう。
途中、コンビニによりお弁当や飲み物を買う。
準備万端!
そしてバス停に着く。
「あ、た、拓巳さんだっ!」
「あっ。旦那様早いな!」
「ふ、ふんっ。お、お仕事、お疲れ様。」
偶然に未歩と千鳥、丑に出会った。
「今日から一緒に出来るんですよね!わくわくします。」
嬉しそうな未歩。
「次こそ私が守ってやるからな!みんなでいこう!」
と自信満々な千鳥。
「守るなら負けない。盾役だし。だってあなただし。」
呟きながら照れながら言う丑。
そんな三人の会話を聞いたバスの方達は・・・・
軽蔑の眼差しで見られるのであった。
ペナルティーはあったものの無事だった拓巳。
ゲームで遊びたいからなのか?
それとも関わりを持ちたくないからか?
それとも飛竜に?
全力で帰るその心は?
次回はバス内のお話です。
またよろしくお願いします。
那祢でした。