第八十二話拓己編「リオラはお年頃」
こんばんは。
那祢です。
今回は拓巳ストーリー。
リオラに全滅したパーティー。
残された拓巳は?
またあとがきで。
「あ・・・・あ・あ・あ・・・・・」
動けない自分。
その前で死に行く皆。
俺は絶望に落ちていた。
鮮血飛ばしながら動かなくなるアバラン。
真っ二つになり上半身がこちらに転がってきたゲイル。
自分を守るように炎の前に立ち塞がり黒焦げになるセフィロ。
そして魔法を唱えることなく頭を貫かれたトガリ。
その亡骸が今もなお、転がっている。
「呆気ないな。」
ピンクの竜人、リオラが俺の前にいる。
憎き相手。
「な・・・なで・・・?」
な、なんで!?
しっかり文字を打ち込んでいるが文にならない。
「何故だと?決まっている。挑んできたり向かってくるからさ。」
冷淡な声で聞こえてくる。
怒りのような悲しみのような。
そんな言葉に感じる。
「だ、だか・・・らって・・・」
「ならお前は何も殺さないのか?動物は?魚は?蚊等虫は?」
「うっ・・・」
「生き物は生き物を殺す。餌として食べるため。だがお前たちは?娯楽のために殺しているではないか?」
「・・・・・・」
俺は反論できなかった。
当たり前だ。
このゲームをしている限りモンスターは倒される。
俺は装備を作るため連戦までして素材を集めた。
そう。
コイツの旦那さん飛竜も罠を仕掛け倒したりした。
そんな俺が怒るわけには行かない。
無言だった俺を気になったのかリオラは聞いてくる。
「何を考えている?」
「いや、お前の仲間を沢山討伐したから。だから文句は言えないなってさ。」
はにかみながら答える。
その言葉に竜人は一瞬キョトンとしてから笑いだす。
「あっはっはははは・・・・。なるほどな。お前のその性格、女達から好かれる訳だな。」
「えっ?」
「守ってあげたい、かまってあげたいと言う感覚だな。それが女性ホルモンが燻られる。あと、たまに強い信念もある。野望や目標を目指す男らしさとかな。」
なんだか誉められてるのか?
恥ずかしく少し照れてしまう。
それを見たリオラは
「ちなみに誉めたわけではない。単なるタラシとも言えるからな。」
そう言いながらこちらを冷たく見つめてきた。
NPCの竜人。
自分なりの考えを持っている。
俺と契約しているため攻撃は出来ないし当たらない。
なので弓技の秘技を使って逃げるしかない。
だが逃げることはできるが逃げ切れる自信はない。
「どうするかな。」
「何がだ?」
あ。
ついついぼやいた文字を打ち込んでしまった。
それにリオラが反応する。
「いや、何でもないです。」
ごまかしを言うと
「何でもないとは?」
「だから間違えて!」
「ふんっ!何を企んでいるか知らないがな。」
と言いながら近づいてきた。
げっ?
かなり距離があった筈なのに目の前に!
「なっ!近い!」
驚く俺に抱き締めながら
「慌てるな。お前に営みを教えてやる。」
と言うと俺に体重をかけのしかかってきた。
そう言えばリオラは竜。
今は繁殖期。
彼女が求めているものは・・・・・
ー 交尾!!! ー
それが脳裏に浮かんだ。
「ちょっとまって!」
逃げ出そうとした。
だが逃げれなかった。
のし掛かりのため体の自由が奪われている。
「攻撃出来ないはずだろ!何で触れられるんだよ!」
「知らんのか?」
「何が!」
「交尾は攻撃ではなく男女の営みだ。」
「なっ!」
「だから大人しく私のものになれ。」
そう言いながら鎧や服を脱がされていく。
抵抗する俺。
「だ、だから困るって!」
「脱がぬと出来ぬだろ?」
「岩場とかムードが!」
「早くほしいのじゃ!」
竜人が色っぽい息を立て襲ってくる。
あー。
下着もとられた。
しかも彼女のにマウントを捕られた。
俺は・・・・・
ここで大人に・・・・・
そう思ったときだった。
『拓巳さんっ!』
『先輩っ!』
ー バシッ!ムシッ! ー
『あ、痛っ!!!』
いきなり頭につけているVRがはずされた。
いや、むしり取られた。
いきなりの眩しさになかなか見えない。
そして目がなれたとき目の前には。
「先輩、大丈夫ですか?」
「ギルドに来なくて何してたんですかっ!」
見慣れた顔。
芦川と未歩がいた。
リオラに襲われなくてよかったですね。
ただ、VRをはずした拓巳。
無理矢理はずすとどうなるのか?
次回はお休みします。
またよろしくお願いします。
那祢でした!!